学長日記

2010年度卒業式はなむけのことば「HIT四つの行動」

2011年3月25日 12:29

「HIT四つの行動」 2011.3.19

卒業、修了おめでとうございます。こう言いながらも先週の東北関東大震災には胸が痛みます。みなさんの学年を始め、関東から北海道に保護者住所がある本学学生とご自宅ご家族の安全が確認できております。ひとまずは安心しております。しかし、ご親戚の方や知人のこともおありと思います。連日の報道で自然の力の大きさと厳しさと技術の課題をいやと言うほど見せつけられました。

みなさんは、「超氷河期」と言われる中での就職活動でした。まだ決まらないまま今日を迎えている人もいることを承知しています。自分で選ぶ余地がなく、自分ではどうすることもできない情況に置かれることは、今回の震災もそうですが、長い人生ではあるようです。問題は、そのような中でどのように生きていくかです。

そのような思いもあって、社会に巣立つみなさんへのはなむけの言葉として、「HIT四つの行動」を贈りたいと思います。式次第の中に「HIT四つの行動」という紙がはさんであるかと思います。ご覧ください。「HIT四つの行動」とは、本学の建学の精神と教育方針の考えをより具体的に行動レベルで表現したものです。4月から公にすることになっておりますが、卒業するみなさんには、今日ここで、私からのはなむけの言葉として贈りたいと思います。

第一、可能性を信じて一歩前に踏み出す行動
本学の建学の精神は「教育は愛なり」です。「愛」は可能性を信じることと考えよう、そして、教職員は諸君の可能性を信じて教育に取り組むから、諸君は自分の可能性を信じて学んで欲しいと申してきました。「可能性を信じて一歩前に踏み出す行動」の「可能性」はこの可能性のことです。明日からは社会人として、厳しい中ではありますが、可能性を信じて一歩前に足を踏み出す生き方をして欲しいと思います。設計担当になったら、「設計は愛なり」でやるのです。設計した製品を使う人のことを思い可能性を信じて設計をするのです。現場監督になったら、「現場監督は愛なり」なのです。営業になったら、「営業は愛なり」なのです。相手の人を思い可能性を信じて一歩前に踏み出すのです。
先日、本学で企業説明会を開催しました。名刺交換をしたある企業の方から、数日後お葉書を戴きました。礼状です。企業説明会ですから、面談した学生とのフォローをすることが彼の仕事で、たまたま出会った学長に礼状を出すことは彼に求められた仕事ではありません。しかしこの方は礼状を出しております。この行動がここで言う「一歩踏み出す」行動です。本学の学生を気にかけてくれる思いから出された一通の礼状、これが「一歩踏み出す」行動なのです。一歩が難しければ、半歩でもいい。厳しい時代、そして変化する時代なればこそ、半歩踏み出す行動は価値あるものになります。

第二、第三、第四の行動は本学の教育方針に対応するものです。本学の教育方針は「常に神と共に歩み、社会に奉仕する」ですが、教育の現場では、これを「社会・環境・倫理」という三つのキーワードに置き換えて理解しています。

第二、仲間に支えられ、仲間を支え、そして仲間となる行動
これは「社会・環境・倫理」の「社会」に準拠したものです。
仲間をつくることは技術者として必要なことです。しかし、言うは易くなかなか難しいことです。「HIT四つの行動」では、まず「仲間に支えられる」行動を勧めています。
一昨日でしたかラジオを聴いていましたら、阪神淡路大震災に遭った方が、「あの時は皆さんに助けてもらった。だから今度はできることはなんでもしたい」と言っていました。仲間に支えられ、仲間を支え、そして仲間となるのです。本学の創設者である鶴襄先生は、この大学を作るとき、十分なお金もない中で、「どうしても将来を担う若者の学び舎を作りたい」と言ってこの地域の地主さんたちに理解と協力を求め、そして支えられました。それが50年を経てこんな大きな仲間ができています。
社会では困ることは多くあります。一人でしょい込まないで、「困ったら周りの人に支えてもらいなさい」ということです。そこから支える行動が生まれ、仲間ができます。

第三、モノ・おこないの終極に思いをめぐらす行動
これは「社会・環境・倫理」の「環境」に準拠したものです。10年位前だったでしょうか、私は船の上から瀬戸内海の海の底を掬う場に居合わせたことがあります。金網で掬いあげられたものはヘドロでした。「そうなんだ、海の底はすべての終着駅なのだ」としみじみと思いました。環境問題は一方的に伝播(拡散)する特性を持ちます。だから、環境を大切にするには、モノ・おこないの行きつく先である終極に先回りして、最後の結果と状態に思いをめぐらすことが必要なのです。

第四、人の道、良心に従った行動
これは「社会・環境・倫理」の「倫理」に準拠したものですが、説明を要しないでしょう。ただこの表現は若干抽象的で一般的です。実は当初の案は、「ばれるばれない・見られているいないによらない行動」でした。しかし、「ばれるばれない」の表現はこの種の標語の表現としていかがなものか、また「よらない行動」というネガテイブな表現はいかがなものかということで、最終的にはこのような表現になりました。しかし私は、当初の方がわかりやすくていいと思っております。
先般大学入試で、問題を試験場からネットに投稿し回答を求めるという事件がありました。19歳とはいえ、この受験生はことの良い悪いの判断をする分別は十分すぎるくらい持っていたでしょう。しかし彼は「ばれるばれない」で判断しました。
もしこの世の中の行動が「ばれるばれない・見られているいない」を基準としてなされたらどうなるでしょう。やってはいけないことは、ばれるばれないに関係なくやってはいけないのです。肯定的な言い方をすれば、やらなければならないことは、見られていようがいまいが、やるのです。

日本は今大変な状況に遭遇しております。みなさんはその中を船出します。しかし私は、こういう時なればこそ、みなさん若者の可能性を信じたいと思います。可能性を信じて一歩前に踏み出すことを期待してはなむけの言葉といたします。

広島工業大学行動規範とHIT四つの行動を制定しました。

2011年3月10日 09:09

2月24日開催の教授会で、「広島工業大学行動規範」と「HIT四つの行動」を定めました。

本学は、建学の精神と教育方針、さらには環境憲章や産学連携憲章を有し、これらが本学の理念と方針を明示し、学生も含めた全構成員の基本的規範となっています。それは、創立以来半世紀にわたって、誠実を旨とし人と人との関係を大切にするという本学の学風を培いました。これからの第二半世紀にあっても、キャンパスにおける日々の活動の中でこの学風を継承していくことが大切です。広島工業大学行動規範でうたわれていることは本学ではこれまでも心がけてきたことですが、それを学外に向かって宣言することによって、本学の方針をより明確に理解してもらう意味もあります。

≪広島工業大学行動規範≫

私たち広島工業大学に働く教職員は、建学の精神と教育方針にかなった職務遂行のために、以下に掲げることをその行動規範とします。

(法令遵守)
私たちは、法令・規程及び学則を守り、社会規範を尊重し、高い倫理観を持ち、社会人としての良識に従って行動します。
(人権尊重)
私たちは、「平和な社会は意見を異にするものが共存するところに生まれる」ことと理解し、互いの人格・人権を尊重し、キャンパスを健全で安全で明るい学びの空間とします。
(社会貢献)
私たちは、「社会に奉仕する」ことで社会との連携を図り、教育・研究及び学びの成果を社会に還元し、本学を開かれた大学とします。
(情報公開)
私たちは、本学に対する社会の理解と信頼を確保するため、情報を積極的に開示するとともにその管理に細心の注意を払います。
(学生受け入れ)
私たちは、本学に学ぶ願いを持つあらゆる入学志願者に対し、多様な受験の機会を提供し、社会に公表した学生受入方針に基づき、公正かつ適正な方法によって入学者を受け入れます。
(教育)
私たちは、学生一人ひとりの可能性を信じ、学生の満足度を向上させます。教授法の開発・学習支援等において常に研鑽を積み、教育課程と授業の改善によって教育の質的向上を図ります。また、明確な学位基準を定め、人材育成機関としての社会的責任を果たします。
(研究)
私たちは、高い倫理観を持って学術研究活動に従事し、知の創造と専門的知見・技術の維持向上に努め、研究成果を積極的に社会に還元します。研究を次世代の人材を育てる機会ととらえ、学生と共に研究に取り組み、その成果を共有します。負託された研究費を適正に管理・運用し、大学が所有する知的財産の保護に協力します。
(環境保全)
私たちは、教育研究活動における環境保全及び環境負荷低減に向けた目的・目標を設定し、その実現に努めます。
(資産の適正管理)
私たちは、健全な教育研究環境を維持するため、大学の資産の適正かつ効率的な管理に努めます。

「HIT四つの行動」は、行動規範と表裏一体のものですが、行動規範をより具体的に行動レベルで表現したものです。学生も含めた全構成員がこれらを日常的に活用します。建学の精神(可能性)と教育方針(社会、環境、倫理)に対応しています。

≪HIT四つの行動≫

一、可能性を信じて一歩前に踏み出す行動
一、仲間に支えられ、仲間を支え、そして仲間となる行動
一、モノ・おこないの終極に思いをめぐらす行動
一、人の道、良心に従った行動

今回の制定は、アドバイザリーボードでの指摘に端を発しますが、私自身、そもそも「行動規範」とは何かの勉強から始めました。他大学や企業の行動規範に触れるにつけ、本学にも是非必要であるという思いを強くしました。作成にあたっては教職員の方々から多くの貴重な意見や協力をいただきました。

正式には4月1日が制定日となっておりますが、学生、教職員の全構成員で共有・実践し、本学の学風が一層堅固なものになることを期待しております。

建学の精神・教育方針

広島工業大学環境憲章

広島工業大学産学連携憲章

デネブホールでピアノコンサートが開かれました。

2011年2月21日 11:29

2月16日に大変嬉しいことがありました。念願のデネブホール(Nexus21 1F)でのピアノコンサートが開かれたのです。演奏者は、本学軽音楽部の植君(情報学部情報工学科1年生)、稲村さん(環境学部環境デザイン学科1年生)、長嶺君(工学部機械システム工学科1年生)、そしてなぎさ公園小学校校長の福原之織先生です。「軽音楽部・福原之織ジョイントピアノリサイタル」と言ったほうがいいかも知れません。聴衆も教職員、学生、それなりに集まってくれました。

5月半ばのNS昼食会の折、「初めての一人生活、問題ありませんか」という私の問いかけに、「ピアノが弾けないのがさみしい」と岡山出身の女子学生が言いました。家では自由に弾けていたピアノがアパートになって弾けないのがさみしいというのです。ピアノが好きだった私の娘もかつてそのように言ったことがありました。すかさず私は、「デネブホールのピアノを使って演奏会をしよう!」と提案しました。学務部にアレンジをしてもらいましたが、学生との都合がつかず結局流れました。黒いカバーをかけられたままステージの奥に置かれているピアノを見るたびに、「何でもいいから学生さんに弾いてもらって」と言っているように思えました。

そんな中でのこのたびのジョイントリサイタルでした。軽音楽部諸君の演奏は、久石譲作曲「The Wind of Life」、坂本龍一作曲「energy flow」、グスターヴ・ホルスト作曲「木星」。MC(司会)井上君の曲目紹介によって進められました。そして福原先生は、自分はピアニストではないとおっしゃりながら(先生のご専門はパイプオルガン)、バッハの小品インベンションとベートーベンのソナタ「パセテイック2楽章」を弾いてくださいました。聴衆からの熱のこもった拍手に応えてのアンコール曲はエルガーの「愛のあいさつ」でした。

私はまん前の席に陣取って、ピアノ搬入以来のこの1年のことを思いながら演奏を楽しませていただきました。「ピアノを弾けないのがさみしい」と言ったのにいきなり演奏会の提案はなかったと反省しました。演奏が実現しなかった学生には悪かったと思いました。昼休みなどに自由に弾ける環境を整えるべきでした。このような手軽なリサイタルが、例えばランチリサイタルのような形で定期的に続けば素晴らしいと思いました。技術系なればこそ音楽などの芸術や文学が大切だと私は思っております。技術系の大学である本学のキャンパスが音楽や芸術の雰囲気に満ちたら素晴らしいと願っています。先日の体育会の学生に続いての学生からのプレゼントでした。今回も素直に嬉しく思いました。


福原之織先生の演奏


軽音楽部の3人(左から植君、長嶺君、稲村さん)

軽音楽部

学長日記 2010年5月28日「NS昼食会をしました。」

なぎさ公園小学校

素直に花束を受け取りました。

2011年2月 7日 18:05

2月4日、自治会・体育会新旧役員懇談会が開催されました。これはこの時期の恒例の行事で、学生団体の新旧役員が学長および学部長を始めとする関係教職員と懇談するというものです。学生団体からは34名の参加がありました。既に提出されている学生団体から大学への要望に対する大学の対応についての意見交換の後、軽食を取りながらの懇談会になりました。学生と教職員の歓談の輪があちこちにできました。私もできるだけ多くの学生に声をかけました。昨年度のNS昼食会(新入生と学長との昼食会)に参加したという学生と歓談しました。NS昼食会は1時間弱の短い時間ですが、愛媛県三崎高校出身と聞いてそのときのことを思い出しました。元気にやっているということで嬉しく思いました。"研究室を持たない大学教員"にとって、このような機会は時間の経つのも忘れさせます。予定の1時間があっという間に過ぎ、野添環境学部長の一本締めで懇談会は終わりました。

サプライズはその後に起きました。私に渡すものがあると言って体育会の学生が出口に並びました。そして新旧本部長の二人から花束をもらいました。「茂里先生には8年間ありがとうございました。われわれの企画にしばしば顔を出していただき嬉しかったです」という前本部長の途切れ途切れの挨拶に、「ありがとう。8年間学長を勤めあげることができたのは君たちがいたからだ」と私は"素直に"お礼を述べました。

任期満了による私の学長退任は、1月20日開催の理事会で承認されました。しかしまだ2ヶ月あります。北京オリンピックの400メートルリレーで日本は見事なバトンリレーで銅メダルを取りました。バトンリレーがうまくいかなかったアメリカはメダルが取れませんでした。リレー競技では、ランナーの走力もさることながら、バトンリレーがそれに劣らず重要であることを知りました。以来、バトンを渡すランナーはリレーゾーンに入ったからといってスピードを落とすことがあってはならないと自分に言いきかせておりました。しかしながら、このたびの「2ヶ月前の花束」にはそのような強がりは微塵もなくなっておりました。"素直に"はそんな意味です。

学生諸君は拍手で送ってくれました。足早にその場を離れた私は建物の陰で、橙色のバラや白色のトルコ桔梗などが満載された花束にしばらく見とれておりました。「学長をやってよかった」 "素直に"思いました。

創立50周年記念事業を行います。

2011年1月 5日 09:39

本学は、前身の広島工業短期大学の創立から数えて、この4月1日に50歳の誕生日を迎えます。2006年に学園創立50周年を行っていますので、大きな行事は見合わせる考えもありましたが、50年と言えば半世紀です。創設者の鶴襄先生は「地域・企業の方々の理解があっての広島工業大学である」としばしば言っておられたとのことです。50年の歩みに大学として感謝し、来るべき第二半世紀への決意を大学として新たにする機会として、記念事業を実施することとしました。次の3つをその趣旨とします。

  1. 半世紀の節目にあって、改めて本学の源流を探り、この間の歩みを誇りに思い、その結果として培われた学風を確認し、「おかげさまで50年」の思いを学生、教職員、卒業生、保護者で共有する機会とする。
  2. 技術系人材を育成するという本学に託されている社会的使命を引き続き全うする決意を新たにし、第二半世紀の歩みを始める。
  3. 三宅の森Nexus21に続く教育環境の整備を図る機会とする。

広島工業大学らしい実質的な形で行うという方針のもと、50周年記念事業準備委員会を設けて検討して参りました。昨年12月27日開催の合同教授会でその検討結果が報告されました。事業計画の概要は以下のとおりです。


■記念式典・記念講演会・感謝の会: 2011年9月17日(土) 10時~

  • 記念式典:三宅の森Nexus21デネブホール
  • 記念講演:音楽指揮者大植英次氏「音楽と私(仮題)」 三宅の森Nexus21デネブホール
  • 感謝の会:三宅の森Nexus21リーフガーデンおよびアゼリア広場

■50周年記念誌の出版

  • テーマ:「原点、そして未来へ」

■教育環境の整備

  • 50周年記念グラウンド(仮称)の整備:現ラグビー・サッカー場の人工芝化、スタンド改修およびトレーニング用トラックの新設。
  • クラブハウスの整備:旧なぎさ高校北校舎の改修。
  • エスキーテニスおよびアーチェリー練習場の整備。

■大学ロゴマークおよび50周年記念キャッチコピーの制定

  • 大学ロゴマーク:大学章を補完するものとして制定。
  • 50周年記念キャッチコピー:50周年を記念して、教育・研究意欲の高揚、あるいは勉学意欲の向上を図るもの。
  • いずれも大学関係者から募集する。

この50年間に39000名余の卒業生が社会に巣立っております。日程の都合がつく限りあちこちの同窓会には出席させていただいておりますが、50年という年月の重さを感じさせられます。「細石(さざれいし)の巌(いわお)となりて」のように、39000個の細石があちこちで大きな塊の巌となっています。「君が代」の歌詞によれば、これからの50年は「苔の生(む)すまで」ということになります。それは、本学の卒業生一人ひとりの「常に神と共に歩み社会に奉仕する」が、社会の奥深いところまで浸み込んでいくということでしょう。

この50年間、病や事故で在学中に亡くなった友も多くいます。彼らのことも覚える機会でありたいと思います。大学関係者あげて事業に取り組んで参りたいと考えております。

広島工業大学創立50周年記念 ロゴマーク&キャッチコピー募集!

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