2009年7月22日 14:06
この日曜日、7月19日、本年度の第1回オープンキャンパスがありました。今年から新講義棟を中心に開催したこともあって、1階ロビーの受付を始め、なごやかなうちにも、各会場ともこれまでになく緊張した雰囲気でした
全体説明会が行われたデネブホールも同様でした。私も緊張しながら開会の挨拶をしました。「皆さんはこれまでパンフレットや進学雑誌あるいは進路ガイダンスの説明などによって本学のことを知ったことと思います。今日は、その広島工業大学を自分
の目と耳で実際に確認してください。何を確認するか。教育の内容、環境、そして人です。これらは教育の3要素です。教育の内容、それは何が学べるかです。学科巡りによって自分の学びたいことがあるか確認してください。まだ学びたいことがはっきりしていない人は考えをまとめる機会としてください。環境、それは教育を行うこの建物や研究室です。そして人。人は3つの中でも最も重要なことです。先生方と職員、そして今学んでいる先輩の方々です。じきじき話かけて、広島工業大学の人たちがどんな人か、果たしてこれからともに学ぶにふさわしい人たちか、確かめてください。そして、今日は皆さんが広島工業大学を面接して採点してください」というようなことを申し上げました。今年は昨年にも増して保護者の方々が多く見えていたようでした。保護者の方々には、「ご子女を託するに値する大学であるかどうか確認ください」と申し上げました。
「学長カフェ」は、これまでの屋外テントから冷房つきの3階に変わりました。しょうしゃなレンガ模様の囲いが設けられ、一層カフェらしい雰囲気になりました。新装なったカフェで私は店番をしたというわけです。
たまたま8人ぐらいの生徒さんが居合わせたときがありました。これくらいの人数に同時に対応するとなると工夫を要します。「皆さん、行きたい学科が決まりましたか。もし決まっていたら、入試での面接の練習のつもりで、行きたい理由を皆さんにわかりやすく説明してください」と一人一人に話してもらいました。教師特有のとっさの“知恵”です。「やってみたいとか、好きだとか、だれでも言える言葉でなく、こうだからやってみたいなど、自分の言葉で具体的に説明することが人の心をつかむことになるよ」と”入試面接秘策“を伝授しました。「彼女を口説く時もそうでしょ」とも言っていますので、”入試秘策“の雰囲気ではなかったかもしれません。ただ、「自分の考えを端的に自分の言葉で述べることは大学生になっても大切で、就職の面接でも重要なのだよ」と話すとうなずいてくれました。
社会人2年目の2人のOGが、「私たちでもいいでしょうか」と言って立ち寄ってくれました。確かマツダと建築設計事務所に勤めていると言っていました。「社会人2年生、どうですか?」ときくと、「なかなか大変です」と、折からの不景気がらみゆえの大変さと技術者・専門家としての大変さを述懐してくれました。卒業生には、「広島工業大学は皆さんの母港です」と私は日ごろから言っているものですから、二人は、「母港」に停泊し、次の航海の準備のひと時を過ごしてくれたように思えました。「じゃ元気でね」と言って別れましたが、心の中では「わざわざ顔を出してくれてありがとう」とも言っていました。高校生とは一味違った内容の濃い懇談のひと時でした。
今年は学長カフェの向かいにJCDセンターの相談コーナーが店を開いておりました。「JCD」とは「女子学生キャリアデザイン」の省略ですが、そのセンターの幹事の諸君が女子高校生に本学のような大学で女子学生として学ぶことについて自分たちの経験をもとに話してくれました。こちらが暇そうにしているときも、次から次と来客があり、大盛況でした。現役学生があんなに熱く語ってくれているのを間近に見て、「来年は女子学生がぐっと増えているかも」と一人嬉しくなりました。しかし、「いや来なくてともいい。彼女達があのように語ってくれただけで十分だ」と思い直しました。
3時半、帰りのバスが出発し、オープンキャンパスは無事終わりました。今年も売り上げゼロで儲けのないカフェでしたが、次のオープンキャンパスでも、また初々しい高校生に会えと思うと今から楽しみです。第2回のオープンキャンパスは、8月30日(日)です。
2009年7月11日 00:00
本学にHITチャレンジというプログラムが動き出して今年は3年目になります。7月7日の夕べ、その選考のためのプレゼンテーション(申請内容の説明発表)がありました。今年は9件の申請がありました。
HITチャレンジは、自主性、協調性さらには問題解決能力を身につけることを目的として、学生が自主的に企画立案したプログラムを実施するものです。興味のある学生がグループで申請し、プレ
ゼンテーションにより審査し、採択されたものについては、経費の全額または一部を大学が補助します。大学生活で「こんなことをやってみたい!」という思いを実現できる制度として実施しているものです。
7月7日にその発表会がありました。その日は七夕で、午後3時から夕方7時半にまで及ぶ予定になっていたものでしたから、終わった後皆で星を見る会をしてもいいかなと思ってしまいました。あいにくの天候で実現しませんでしたが、新校舎食堂の屋上の芝生は絶好の場所です。ただ、発表があった大教室が “デネブホール”ということもあって、私は開会の挨拶で次のようなことを話しました(正確ではありませんが)。
「今日は七夕です。おり姫とひこ星が天の川を越えて1年に1度逢うという日です。おり姫はこと座のべガ、ひこ星はわし座のアルタイルです。この2つの星とはくちょう座のデネブ――この教室の名前なのですが――でできる三角形を、“夏の大三角形”と言います。星座は、星を連ねてその形から夢を膨らませ、物語まで作ってしまったものです。」(私は、学生時代、なけなしのお金で天体望遠鏡を買って夜空を楽しんでおりました。)「星座は私達の目で見たものです。しかし夜空を可視光線とは異なる波長、例えば電磁波を捉える望遠鏡で見たらどんな星座になって見えるでしょう。夏の大三角形はどうなるのでしょう。」(当然のことながら全く違ったものになることは確かです。)「皆さんが、例えば3000m級の山に登ること、誰もやっていないことをやることは立派な挑戦で、HITチャレンジの対象です。しかしこれまで当然と思っていたことを電磁波で見て、新しい視点で取り組むことも立派な挑戦です。HITチャレンジ3年目、皆さんにはそんな挑戦もして欲しいと思っています」と。
時速200kmを300kmにする。1メガを1ギガにする。これらは20世紀の文化を変えたすごい挑戦でした。しかし、HITチャレンジの彼らには、可視光線でない波長で新しい価値を見出し、新たな文化を作る挑戦もして欲しいなと思ったのですが、ちょっと年寄りの説教じみた話だったかなと、その夜、一人杯を傾けながら反省しました。
新講義棟の大教室を “デネブホール”と呼んでいる理由については別の機会に述べさせていただきます。
2009年7月 8日 00:00
景気は下げ止まったと言われてはおりますが、今年の就職戦線は例年になく厳しい状況にあります。「学長キャリア相談窓口」でも、なお就活継続中の学生には、人生の貴重な勉強をさせてもらっていると思って気持を改め、もう一度挑戦するよう励ましております。
景気の変動によって就職事情が変わるのは止むを得ないのかも知れませんが、それにしても「超氷河期」、「バブル時代」そして「百年に一度の世界的大不況」と、あまりにもその変動が大きすぎるように思うのは私一人でしょうか。しかもその周期が短くなっております。成熟社会といわれる日本にある企業なら、もう少し長期的な展望をもって「人財」計画を立てられないものかと思ってしまいます。春秋に富む若者が目先のことであまりにも翻弄させてしまっています。
就職にあっても、基本的には、学生に学力と魅力(学士力)をつけることがわれわれの努めと認識しています。このたびのカリキュラム改訂では、22年度から、「キャリアデザインI」、「同II」、「同III」という3科目を開設することとしています。これは「進路(就職・進学)」という学生にとってもっとも関心のあることがらをとおして、社会人としての基礎力、スキル、人生設計、そして就職(・進学)に当たってのハウツーなどについて学び、身に付けていくことを目的としています。従前開設されていた就職関連科目を体系化したもので、1年次、2年次、3年次と学年に応じた内容で開講します。
「キャリアデザインI、II、III」の取り組みを学生活動記録システムの構築に結びつけ、「技術系学生の社会人基礎力育成のためのキャリアデザイン」というプロジェクトとして、文部科学省の「平成21年度大学教育・学生支援推進事業(学生支援推進プログラム)」に申請しておりました。先般その採択通知を受け取りました。現在実施している東京就活フライト、大阪就活新幹線、Uターン就職支援バス、業界研究セミナー、キャリアアップ講演会、学内合同の会社説明会、そして就職・進学懇談会の更なる充実も含まれております。またキャリアアドバイザーと就職参事も新たに設け、「社会人基礎力育成プロジェクトセンター」が事業を推進します。
ところで、先日高知で開催された同窓会に出席しました。故郷を活性化したいという思いを持って出身地に帰って就職する“志あるUターン”のことを出席者の皆さんに話したところ、OBの1人が、「自分の会社はどうか」と早速言ってくれました。38,000人いるOBの力はありがたいことです。これが「伝統の力」というものなのでしょう。
「就職戦線厳し、されど戦う」です。いたずらに危機感をあおるわけではありませんが、先月、「就職非常事態宣言」を発しました。学生の意識を高め、教職員一同、思いを一にして取り組んでいくということです。
それにしても心痛む時期です。