2009年8月

高大連携の変わった試み

2009年8月24日 12:08

去る8月22日(土)と23日(日)、高等学校で教員として働いている本学卒業生を招いて、「本学出身者の高等学校教員との懇親会」が開催しました。かねてから計画していたことですが、このたびようやく実現しました。1日目は、本学の近況説明、参加の先生方から提供された話題をもとにした座談会、そして夕方の懇親会がもたれました。2日目は、施設見学が中心のプログラムでした。延べ19名の参加がありました。本学からは、学部長、研究科長、学科主任そして各部の部長ら26名が参加しました。

私は開会の挨拶で、「最近の大学は、皆さんが在学した時代の大学とは大きく様変わりしています。それはひとり本学だけでなく全国すべての大学でそうだと言ってよろしいかと思います。本学を知ることによって最近の大学のことを知るいい機会としてください。われわれも高等学校の現場を知っているようで十分知っているわけではありません。勉強させてください。高校と大学の教育を理解し連携するためのいい機会としたい」と申し上げました。

参加者全員の自己紹介で始まった座談会では、高大連携をもっとやること、本学卒業生の就職に関する情報の公開について、また学生の人間としての教育・スキルアップの重要性などについて意見交換がなされました。中には当時は教育学習支援センター(学習歴により十分準備のできていない科目や授業を聴いても理解できなかった内容について個人指導を受けるセンター)のようなものはなかったので、自分は人より長く在学したという“エピソード”も紹介されました。ただ、「そのような時、○○先生には本当に熱心に個人指導してもらった」という嬉しい秘話も披露されました。

人間としてあるいは社会人としての教育については、先般開催されたアドバイザリーボードでも学外委員からもその重要性の指摘を受けました。いまは、日本のあらゆる場面でそうしたことが欠如しているのでしょう。ただこれは学校教育の最後にあたる大学だけで対応しきれるものではありません。学校教育全体で取り組むものです。それなればこそ、入試という点接触ではなく、せめて面接触の高大連携が必要となります。出前講義や入試説明といったレベルから、情報の共有による教育そのものにおける高大連携がこれからの課題だと改めて思わされました。

懇親会ではなお親密な意見交換ができました。本学でも教員養成にもっと力を入れて欲しいという意見をもらいました。その方は具体的には数学とおっしゃっていましたが、本学ではいま理科の申請を行っております。本学OBの高校教員 という大学・高校の両方に通じている方々との交わりの中から、高大連携の新しい取り組みの予兆を感じました。

皆さんはデネブ

2009年8月 8日 16:56

8月8日、「ワクワクものづくり大作戦」が開催されました。地域の小学生を対象に本学の学生や教職員の指導のもとでものづくりを体験してもらおうという趣旨で開催しているものです。今年は5回目になります。

今年も抽選になり、定員いっぱいの190名の参加がありました。保護者の方々や兄弟、そして抽選に漏れた人も含めて、開会式が行われた600名収容のデネブホールはほぼ満杯でした。たまたま外で会った5年生の男の子のお母さんは「3度目の正直で今年は参加できました」と言っていました。きっと昨晩から明日はどんなものを作るのだろうか、あるいはうまく作れるだろうかと考えて、ワクワクしながら大学に来たことでしょう。デネブホールに集った小学生を見て、私もワクワクしました。会場の名前である“デネブ”のことが思い出されたからです。

「今日はワクワクものづくり大作戦にようこそおいでいただきました。皆さんはいまワクワクしていますか?ワクワクしている人は?」と手をあげさせたら、本学の学生もあげていました。「実は私もワクワクしています。どうしてでしょう。この教室の名前をデネブホールといいます」。「デネブって知っていますか」と聞いたところかなりの手があがりました。「デネブは白鳥座の星の名前です。七夕様の織姫と彦星とで、天の川をまたぐ夏の大三角形を作っています。デネブは宇宙で最大級の明るさをもっているのだそうです。何でもデネブが1日で放出するエネルギーは、太陽が140年かかって放出するエネルギーに相当するということです。このデータは今インターネットで確認しました。140年というと明治維新の時からになりますね。明治維新の時から太陽が出してきたエネルギーをデネブは1日で出すというのです。そんなにすごいエネルギーを出している星なのに、地球から見て一番明るい星はシリウスです」。「シリウスを知っていますか」と聞くと、デネブより多くの手があがりました。「デネブが一番大きな星なのになぜ一番明るくないのでしょう。それは、シリウスと地球の距離は8.6光年、デネブと地球は1500~3200光年だからです。これもインターネットで確認しました。約200倍くらい遠いことになります。もしデネブが東京にあるとすると、広島・東京の距離は約900kmですから、シリウスは、その200分の1の4.5kmのところにあることになります。4.5kmというと、五日市駅からですと西広島駅くらいでしょうか。下りなら宮内駅まで行かない距離ではないでしょうか。デネブは東京、シリウスは西広島にあるのです。だからデネブは大きくてもシリウスほど明るくないのです」。

「ここにいる皆さんはみんな小学生です。ですから、いまはそんなに明るくはないかもしれません。しかし、皆さんはひょっとしたらデネブのように想像もつかないくらいの大きなエネルギーを持っているかもしれません。そう思ったものですから、私もワクワクしているのです」。そして、「宇宙にはデネブは1個しかありませんが、ここには190個のデネブがあります」と言って挨拶を結びました。

私は各会場を回って、“デネブ”たちの奮戦ぶりを見学しました。私までワクワクした楽しい1日でした。

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