2010年4月16日 20:57
4月3日の入学式を終えて、キャンパスも週明けから徐々ににぎやかになりました。2週目になるとキャンパス全体がいよいよ活気を帯びます。
このところ朝方、学長室の窓からの景色(写真1)にしばらく見とれることがあります。学長室は、新1号館の15階にあります。眼下には、右手に「三宅の森Nexus21」(講義棟)があり、左手にはアゼリア広場があります。アゼリア広場の先には茶室「雙鶴堂(そうかくどう)」が見えます。登校する学生は、雙鶴堂の前を左折してラグビー場との間の道を「三宅の森Nexus21」に向かって歩いてきます。多くは近くの広電楽々園駅から歩いてくる学生ですが、自転車通学の学生も駐輪場に自転車を置いて加わりますので、列をなす様は壮観です。それに見とれるのです。大学への取り付け道路の角にあった附属広島中高校の校舎が撤去されたこともあってその列を岡の下川に架かる五観橋まで目で追うことができます。ちなみに写真中央遠方に見えるのが瀬戸内海に浮かぶ似島です。その形から安芸富士と呼ばれています。
本学は「教育は愛なり」を建学の精神としております。「愛」とは「学生ひとり一人の可能性を信じること」と言っております。15階からは学生の顔形はもちろん認識できません。しかし「可能性」の列が歩いているように見えることがあります。あの列の中にはとんでもない可能性が秘められていると思うと、ついつい、眼下の景色と列に見とれてしまうというわけです。
昨日は、学長キャリアコーナーの任を果たすべく、昼休み、「三宅の森Nexus21」に出かけました。昼休みと言うこともあって、4階のコミュニケーションプラザや3階のラーニングコモンズはにぎわっておりました。4階中庭のテーブルも、少し寒い天気でしたが、食事をしたり雑談をする学生で満席でした。今年は「工大の歩き方2010」を新入生に配布しました。キャンパス・ナビの学生グループによる36ページものの手作りガイドブックです(写真2)。学生に声をかけ、歩きながら、私自身、どんな「歩き方2010」をしたらいいのだろうかと考えさせられました。
とにかく、目にするもの、手にするもの、一事が万事、初々しく新鮮に感じられる新学期です。

(写真1)学長室からの景色

(写真2)キャンパス・ナビ作成パンフレット
2010年4月 3日 20:13
「友達100人できるかな」
入学・進学おめでとう
広島工業大学入学の1,247名、および大学院入学の78名の皆さん、ご入学おめでとうございます。これまでと違った新しい環境への期待・希望と同時に不安もあろうかと思いますが、私たち教職員・在校生は心から皆さんを歓迎します。一緒にやっていきましょう。
保護者の皆様にはご子女のご入学おめでとうございます。多くの皆様にご出席いただきましてありがとうございます。見渡しますと2階では立っておられる方が多くおいでです。恐縮です。しばらくご辛抱ください。
友達100人できるかな
皆さんは「1年生になったら、友達100人できるかな」という歌をご存じでしょうか。まど・みちおさんという山口県周南市のご出身の方が作詞された歌ですが、一度は聞いたことがあると思います。新しい環境の中で友達ができるという期待を素直に歌っている歌です。この歌の「1年生」はもちろん小学校の1年生ですが、私は、大学生にもあてはまることだと思っております。むしろ、本学に入学した皆さんには、友達をつくることを小学生以上に期待したいと思っております。というのは技術系ではことのほか「友達」が大切だからです。
時々「人と接するより機械いじりが好きで工学部を選んだ」とか「コンピュータが好きなので情報学部を選んだ」と言う人がいます。しかし、設計する人、製作する人、使う人に説明する人がいてはじめてできるのがものづくりなのです。プログラムも1人のプログラマーが端末に向かっていてできるものではありません。技術系の仕事は多くの人とのチームプレイなのです。だから、友達、仲間、チームが、ことのほか大切なのです。そういうこともあって、就職にあっては、自分の考えを仲間に伝えること、すなわちコミュニケーション能力が重要な素養の一つとして求められます。
「共に歩む」そして「奉仕する」
友達づくりはまず自分が行動することから始まります。
社会心理学の研究によれば、だれでも自分を好きになってくれる人を好きになるそうです。これを「行為の返報(へんぽう)性」と言うそうです。返報とは行ために報いることです。この法則に従えば、友達づくりで大切なことは、自分から友達になるということになります。だから「友達をつくる」ではなく、「友達になる」と言った方がいいのかも知れません。自分から人を好きになることです。人を好きになるには、その人といっしょに共に何かをやることが一番です。
広島工業大学は、「常に神と共に歩み、社会に奉仕する」を教育方針として掲げております。広島工業大学は、広い意味での技術系の人材を育てる大学ですから、この教育方針を初めて聞く人は少し変わっっているなと感じられたのではないでしょうか。そこには、「共に歩む」と「奉仕する」という2つの行動を表す表現があります。「共に歩む」ことは共に力を合わせて何か一つのことを行うことです。そして「奉仕する」ことは、先ほど申し上げました「返報性」でいうところの「人を好きになること」と言っていいでしょう。いずれも、友達づくりの基本となる行動です。「共に歩み、奉仕する」ことによってチームでものごとに当たることの大切さを言っております。それは、技術者にとって本質的に大切なことなのです。
友達づくりの機会
大学でつくる友達は、いわゆる仲間という意味の友達に限りません。専門知識との出会いであったり、研究によって発見・確認した新しい事実であったり、あるいは新しい技術、文化、考え方、そして生涯続く先生との出会いなども広い意味での友達と言ってよいでしょう。広島工業大学のキャンパスには、そのような友達づくりのきっかけとなる環境がたくさん用意されております。
教室での学びの中に新しい知識との出会いの機会があります。また寝食を忘れて好きなだけやってもとがめられない卒業研究や図書館での自学自習には、教室での出会いとは一味違った出会いがあるでしょう。自主的企画活動の「HITチャレンジ」という企画や、海外研修や企業研修といった「外が学びプログラム」は、キャンパスを超えた多様な友達づくりの機会となります。女子学生を中心とした女子学生キャリアデザインセンターも友達づくりのよい機会となっています。
課外活動は友達づくりのきっかけとなっております。本学の課外活動の参加率は36%です。全国の大学平均は30%をきるといわれております。本学の課外活動は、正課の勉強と両立させながらやる活動ですから倍の努力が求められます。しかしそのような中での活動なればこそ、「共に歩む」ことや「社会(仲間)に奉仕する」ことによって友達ができます。
4年後の卒業式、あるいは大学院の修了式には、100人と言わず、今日ここにいる1,325人が一緒になって、三宅の森でおむすびをパックン、パックンとやりたいものです。
保護者の皆様へ
保護者の皆様、広島工業大学は、今申し上げました思いをもってご子女をお預かりしたいと思っています。ただ教育という営みは、本人の努力はもちろん必要ですが、大学、社会、卒業生、とりわけ保護者の皆様との協力があって初めて実りあるものとなります。本学では、保護者の皆様との懇談する機会として教育懇談会を各地で開催しております。是非ご出席いただき親しく教育について語り合うことができればと願っております。また大学ホームページではホットな情報を皆様にお届けしております。保護者の皆様ともご一緒におむすびを味わいたいものです。
最後に
考えてみれば、本学の教育方針に言う「共に歩む」、そして「社会に奉仕する」という2つの行動は、ひとり友達づくりに限らず、人間として、社会人として大切な行動です。だから、在学中に「友達100人」が実現したら、立派な社会人でもあるということになります。
新入生の皆さん、今日の今の気持ちを忘れずに、「共に歩む」行動、そして「社会に奉仕する」行動の4年間ないしは大学院の学びの時としてください。100人の友達ができることもさることながら、100人の友達になることを期待して、お祝いの言葉とさせていただきます。
2010年4月 3日 20:01
4月3日、2010年度入学宣誓式が執り行われました。例年より早く開花した桜も、途中の寒波もあって、入学式がちょうど満開となりました。寒さがいくらか残っておりましたが、まさに入学式日和でした。
1,247名が入学しました。これまで学部ごとに起立してもらっておりましたが、今年から学科ごとに起立してもらうことにしました。できれば一人ひとり名前を呼び上げたいところでした。
卒業式とは違って華やかさはありませんが、初々しさがありました。何よりも多くの保護者のご出席がありました。椅子が足りず、2階のギャラリーでは立ったまま参列いただくことになりました。多くの方が立っているのを檀上から拝見しお祝いの言葉の中でお詫びを申し上げました。
大学の入学式に保護者が参列することには賛否両論あるところですが、私は、教育という営みは、本人の努力はもちろん必要ですが、大学、社会、卒業生、とりわけ保護者の皆様との協力があって初めて実りあるものとなると考えております。入学式は保護者の方々に本学の雰囲気や教育方針を理解していただく絶好の機会であると思っております。来年度は立ち見席に対して何らかの対応をとりたいと思っております。
新入生の皆さんには「友達100人できるかな」と題してお祝いの言葉としました。「友達100人できるかな」は、まど・みちおさんの作詞による小学生向けの歌の歌詞ですが、友達、仲間、チームを作ることは技術系の人間には非常に大切であるという私の認識によるものです。
“友達、仲間、チーム”は、コミュニケーション能力やチームで仕事をする能力の基本です。これらの能力については、大学に入学するまでにいろいろな場面で訓練される機会があったことでしょうが、大学で徹底して訓練する必要があると考えております。
この歌については、いつか入学式に触れてみたいとかねてから思っておりました。意を決して話したお祝いの言葉でした。当日参加できなかった保護者の方々にもお読みいただければ幸いです。