突撃レポート! 『ミクロの世界で戦う男達!!前編』

2007年12月 5日 10:00

こんにちは!きむらです。

例年12月下旬から猛威をふるうインフルエンザ。
しか~し、今年は数10年ぶりに12月上旬からの流行とのこと!
皆さん、手洗い・うがいを徹底しましょう◎

さて、インフルエンザといえば肉眼では見えないウイルスが敵ですよね。

今日はそんな肉眼では見えない世界で"ものづくり"に携わっている人たちを紹介しましょう。

早速、レッツゴー!

トントン。

彼が今日案内してくれる、大学院2年生の村岡くんのようです。
何をしているんですか?

CRVFSH0037.JPG

村岡:明日の実験のために、試料を入れ替えていたんですよ。

CRVFSH0074.JPG

どんな実験??

村岡:スパッタ装置を使ったスパッタ法の実験です。

スパッタ法?

村岡:一言で言うと薄膜(はくまく)を生成する手法のひとつです。

村岡:詳しく説明すると、アルゴンガスという粒子を薄膜にしたい物質(ターゲット)に衝突させ、
   その衝撃ではじき飛ばされたターゲット成分を基板上に付着させて薄膜を作る方法です。
   この"はじき飛ばす"というのが英語でスパッタ(sputter)というんですよ。

難しいね・・・。
もう少し具体的に教えて下さい。

村岡:電気を通さないベースの板(基板)に、電気をとおす"薄膜"をくっつけたものがワンセット。
   この"薄膜"を削って電気の通る道を作り、抵抗やトランジスタなどの部品を置いたのが、
   電子回路です。ICチップとも言います。
   パソコン携帯電話にも収められていますよ。

CRVFSH0025.JPG

でも、携帯電話って大きさが限られているよね。
ますます「薄型軽量高機能」化しているでしょ??

村岡:はい、だから中の部品や回路を可能な限り小さくする必要があります。
   そのための手段が、「回路の積み重ね」です。

注:限られた土地面積で、多くの人が住めるようにするために、
 高層化されたマンションを建設するようなもの。
 工学の分野にも宅地不足が存在しているのです。
 (電気・デジタルシステム工学科 大村先生の研究概要より)

村岡:「回路の積み重ね」を何層にも重なったものが「集積回路」です。
   限られたスペース多くの部品を実装(設置)することができるため、
   よりたくさんの機能が実現できます。

へぇ~!その層が増えれば増えるほど機能も増えるってことよね??

村岡:そうです!最近は、「回路の積み重ね」も100層位まで実現できていて、
   数百万個位の部品が実装されているんですよ!
   携帯でも、カメラや動画など高機能化してきているから、より「薄いワンセット」が
   求められています。

なるほど!村岡くんたち川畑ゼミの研究は、この最先端をいっているというわけなんだ!  

村岡:そうです。「薄さに挑戦」です!
   これがスパッタ装置です。

CRVFSH0080.JPG

そう!これがタイトルにあるとおりミクロの世界での戦いなのです!
単位は、ミクロです!1000分の1ミリメートルの世界で技術が進化しているのです!

でも、薄膜って回路だけに使われているんですか??

村岡:身近にたくさんありますよ。
   パソコンやテレビや携帯の液晶画面もそうです。

なるほどね!
薄膜って言うぐらいだから、薄膜自体もめっちゃ薄いの??

村岡:はい、薄いですよ。1ミクロン以下を薄膜と言います。
   1ミクロン(マイクロメートル)は1000分の1ミリメートルです。薄いでしょ?   
    
   参考 髪の毛 : 約70ミクロン
       アルミホイル : 約10ミクロン

めっちゃ薄いですね!!!やっぱりミクロの世界なんですね!!
ところで、さっきから気になっていたんだけどスパッタ装置の裏にあるこれって、
真空管だよね?

CRVFSH0040.JPG

村岡:よく知ってますね!そうですよ。
   正確には、電離真空計と言って、真空度をチェックするんです。
   スパッタ法は真空状態でないとだめなので常にチェックしているんです。

なるほど!
さっき、明日の実験のためにセットをしていると言ってたけど、どんな実験??

村岡:ターゲット(薄膜にしたい物質)をセットしてたんです。
   今日のターゲットはでした。
   明日のターゲットはです。

村岡:これがターゲットです。

CRVFSH0045.JPG

村岡:これは明日使うです。
   めっちゃ高いですよ。これだけで、数万~数百万ぐらいしますから。

CRVSH0042.JPG

ひょえ~~、実験のためにはお金がかかるんですね(><)

薄膜の生成技術を研究しているんですよね?
理想の薄膜ってあるんですか??

村岡:薄膜って一言で言ってもいろいろと用途があるんです。
    ・保護するもの
    ・電気をためるもの
    ・電気を通すもの などなど
   
   将来的にはプラスチックや紙など、熱に非常に弱い基板にも付けられるをつくりたいです。
   これは、作った薄膜ですよ。こんな感じです。

CRVFSH0050.JPG

紙にも?
じゃぁ、電気を通す紙なんかもできちゃうの?

村岡:そうなんです!
   ちょっとおもしろい実験をお見せしますよ◎
   ガラスって電気を通しませんよね?
   これは、電気を通すかを測定する機械ですけど、
   ご覧のとおり目盛りはゼロを指していますよね。

CRVFSH0049.JPG

うん、確かにガラスは電気通さないもんね。
(※目盛りが非常に見にくくてすみません。)

村岡:しかし、このガラスを裏返しにしてみます。
   どうなるでしょうか?ジャン!

CRVFSH0048.JPG

おぉ!!針が動いた!!
電気が通ったってことだよね!!!

村岡:そうです。電気を通す薄膜を付けているんです。
   例えば、携帯電話の画面ってオモテは電気を通さないですよね。
   感電したら危険ですから。

   でも、画面のウラは電気を通すんですよ。
   薄膜が張り付いているからなんですよ。

ほぉ!!なるほど!
薄膜って、生活に身近なものなんですね(^^)

さてさて、今日は薄膜生成技術についてちょこっとご紹介しました!
次回は、薄膜を生成するための研究室をご紹介。

その名もクリーンルーム!!

きむらがクリーンルーム突撃隊長になりました!!

ジャ~ン!!

CRVFSH0071.JPG

乞うご期待!!

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