和泉 真澄

いずみ ますみ

和泉 真澄 Masumi Izumi

工学部 知能機械工学科 准教授
izumi@cc.it-hiroshima.ac.jp
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ガタガタの刃物では、正確に金属が削れない

機械はいろいろな部品から出来ています。その部品を作るのが工作機械です。中でも、素材を削る旋盤では、刃の部分の精度が重要になります。
例えば携帯電話の部品に求められるのは、ミクロン(1000分の1ミリ)単位の仕上がり。工作機械にもそれに対応する精度が要求されているのです。
現在のNC旋盤(コンピュータなどで数値制御されている旋盤)で使われるエンドミル(刃物)の場合、ミクロン単位はもちろん、ケースによってはサブミクロン(10000分の1ミリ)単位の精度が必要。求められる精度を満たしているかどうか確認するには、エンドミル自体の測定が重要になります。
私は、独自に「エンドミル輪郭測定装置」を開発し、産業界のニーズに応えています。

設備を止めずに測定できる。しかも低コスト

私が開発した「エンドミル輪郭測定装置」は、従来の装置に比べ、優れた特徴があります。
従来は、エンドミルの影を投影させて測るタイプや、レーザー光を使うタイプが大半でした。しかし、影を投影させるタイプだと、100分の1ミリ単位までしか測定できません。またレーザータイプは、測定時に機械を止めなければならない上に、大変高価です。
私は、0.1ミリという超極細のタングステンワイヤを、回転しているエンドミルに押し付け、超音波センサによって、その輪郭を測定する方法を考案しました。これだと、ミクロン単位の測定ができ、しかも機械は動いたままでOK。加えて、非常に安価です。
工場などでは定期的に、正確にかつ安価に工作機械の精度を確認し、メンテナンスしていかなければなりません。どれほど性能が優れていても、高価では使いにくい。高度な技術を安価に提供することで、産業界に大きく貢献できると思っています。

アイデアと努力で、自分だけの「何か」を造ってほしい

エンドミル測定器の開発はメドがつきました。次の課題は、工作機そのものの動きの計測です。高速回転しているエンドミルには、莫大な力がかかります。この力を測定し、それによって、工作機械が正しく動いているかどうか、確認できる装置は作れないか...と考えているところです。専門的に言えば、工作機械の運動精度や主軸の回転精度を計測するのです。
学生たちには、大学にあるさまざまな設備や装置を使って、自分だけの「何か」を作ってもらいたい。その中で「自分はこれだ」と言える人間になってほしい、と思って指導しています。
卒業生は、自動車メーカーや自動車部品メーカーに多く就職していますが、大学での勉強がそのまま社会で役立つわけではありせん。だからこそ、自分だけの何かを作ることで、「物事の考え方」や「社会の仕組み」を学んでもらいたいのです。