学部長メッセージ

情報学部長 長坂 康史

「情報」は現代社会を支える、重要な基盤になっている。

「情報」は、今やあらゆる産業で欠かすことのできない基盤となっています。例えば、自動車を見ても、内部では多様な情報がやり取りされています。スピードやエンジン回転数、あるいは現在位置や車内温度など、さまざまな情報が収集され、それらを基に適切な制御が施されることで、快適で安全な車の走行が実現しているわけです。現代社会を支えるインフラとも言える情報の重要性は、今後ますます高まるでしょう。
そうした情報を取り扱う技術に関する基礎を学び、社会に貢献できる能力を養うのが、情報学部の目的です。本学部には「情報工学科」と「知的情報システム学科」という2つの学科があります。情報工学科では、情報に関する基盤技術やハードウェアを伴うシステムについての理解を深めます。一方、知的情報システム学科では、ビジネスなどに代表される人間の業務・営みに焦点をあて、その活動を促進、また、サポートする情報システムを取り扱います。
情報工学科・知的情報システム学科という大きな2つの入口があり、それらはさらに専門によって多彩なルートに分かれているため、いろんな切り口から「情報」を学ぶことができます。皆さんの興味・関心に応じた道も、必ず見つかると思います。

"仮想"と"現実"の融合には、高い専門性とモラルを持った技術者が必要。

これまで情報技術が創り出してきたものは、「仮想空間」です。みなさんのよく知る通販サイトは、ネットワーク上に生まれた仮想のショップに過ぎません。SNSなども同様で、多くの仲間と出会っているように感じますが、現実に会っているわけではありません。情報技術はこうした仮想空間を生み出すことで、必要な情報を求める人に届けたり、人同士を結びつけたりする役割を果たしてきたわけです。
最近は、この仮想空間と現実社会との距離がどんどん近くなっています。通販サイトの購入履歴情報やSNSのフォロワー情報を応用して、あるいは日々使用する検索システムの機能を使って...。さまざまな場面で、蓄積された情報を有効に活用し、仮想と現実を近づけようと試みられています。この傾向は、もっともっと強まっていくでしょう。
しかし、まだ、仮想と現実の融合という段階にまでは達していないのが現状です。私たちが新たなフェーズに足を踏み入れるには、情報技術のさらなる進化が欠かせません。情報をどう取り扱い、情報技術をどのように活用すれば、社会の発展に役立てるか。そんな視点とモラルを持った技術者が、これからの時代にますます必要とされるのです。

明確な夢・目的意識を持ち、社会の発展に貢献するスペシャリストを育成する。

情報理論、プログラミング言語、ネットワーク工学、ソフトウェア工学などの情報基礎技術については、カリキュラムの中でしっかりと学んでもらいます。しかし、これらはあくまで基本に過ぎません。大切なのは、こういった知識をいかに社会の課題解決に役立てるか、です。
そのためには、広く社会を知らなければなりません。本学部では学外との接点を増やそうと、学部・学科・ゼミ単位でいろいろな工夫をしています。例えば、企業の最前線で腕を奮う技術者を招いた講演会を開催したり、企業や他大学との共同研究を積極的に進めたり。また、民間企業で活躍していた先生も少なくありません。このように、社会がどんな「情報」を望んでいるのかというナマの声を知ることを常に意識しています。こうした環境の中で学ぶことにより、学生の視野が広がるわけです。
本学部の学生には「夢を持ちなさい」といつも言っています。「情報」によって、何を実現したいか。スペシャリストとして、社会の発展にどう貢献したいか。それを早い段階で意識しなさい、と。自分のやりたいことが明確になれば、歩むべき道や日々の過ごし方が見えてきます。本学部では、明確な夢・目的意識を持ち、自ら努力できる情報技術のスペシャリストを育てます。

「人とのつながりを大切に」

研究者・技術者として新たな技術を追い求める上でも、また一人の社会人として充実した人生を送るためにも、最も大事なのが「人とのつながり」ではないかと思います。新たなひらめきや発見はたいてい、人同士の触れ合いの中から生まれるものです。また私の専門は情報通信ネットワークですが、この分野の技術が高度化してきたのは「より多くの人とつながりたい」という社会の要請があったからです。人とのつながりを絶やさず、広げることで、技術や社会の可能性も大きくなるのではないでしょうか。