学部長メッセージ

高度医療を推進する「臨床工学技士」を育む『生体医工学科』

2012年に生まれた生命学部には、『生体医工学科』『食品生命科学科』の2学科が設置されています。 『生体医工学科』の目的は、優秀な「臨床工学技士」を養成することです。現在の医療を進める上では、人工心肺装置や人工透析装置などの医療機器が欠かせません。今後は人間に代わって手術を執刀するロボットの登場も予測されるなど、医療技術はどんどん進化するでしょう。そこで、医学・工学の両方の知識で高度な医療機器を適切に扱えるスペシャリストが必要とされるわけです。 特にこだわっているのが「実社会とのつながり」です。例えば本学科には、現役医師が指導教員として数多く在籍しています。月に1度、現場で活躍する臨床工学技士を招いた講演会の実施にも力を入れています。また学科内には、手術室やICU(集中治療室)さながらの設備を用意。加えて、カリキュラムには病院実習を導入しています。医療現場をリアルに感じられるからこそ、生きた知識を習得できるのです。 今日の医療は、役割を分担し、それぞれが協力して行う「チーム医療」が主流。そこで活躍するための専門性が身に付きます。

生命学部長 土屋 義信

「科学の目」をもった食品・バイオのプロを養成する『食品生命科学科』

『食品生命科学科』の目的は、食品やバイオの領域で幅広く活躍できる知識をもった人材の輩出です。「食」は健康の基本であり、栄養的にバランスのとれた日本食は世界中でブームを巻き起こしています。一方、バイオテクノロジーは、日本が世界の先頭を走る分野です。ともに世界のトップクラスにある食品・バイオという分野の双方を学べるのは、本学科の大きな特徴と言えるでしょう。「食品衛生管理者」や「高校理科一級」など、目指せる資格も多彩です。 ここ広島には、全国ブランドの食品メーカーがたくさんあります。それらの食品メーカーが求めるのは、安定生産のため、あるいは確かな品質管理・衛生管理を行うための「科学的知見」や「技術」です。もともと工業大学であり、「科学的知見・技術にのっとる」という工学の基本姿勢が根付いている本学科こそ、食品メーカーの要請に応えられるのではないでしょうか。 「実社会とのつながり」にこだわる点では、『食品生命科学科』も『生体医工学科』と同様。地元企業との共同研究に前向きな教員が多いため、学生は企業現場を体験するチャンスに恵まれているわけです。その過程で得られた知識や意欲が将来、大いに役立つはずです。

「倫理観」をもつ本物のスペシャリストが、世界の課題を克服する

世界では、多くの国が様々な問題を抱えています。日本をはじめアジアやヨーロッパの先進国では、どんどん「少子高齢化」が進みます。反面、発展途上国は爆発的な「人口増」に直面しています。これらの課題解決に向けカギを握るのが「医療」と「食」です。この両分野における研究が進むことで、人類は新たな進歩のステージに立てるでしょう。そんな未来に貢献するため、生命学部は誕生したのです。 両学科とも重視しているのが「倫理観」の醸成です。「生命」に直結する研究・技術は、決していい加減な姿勢では進められません。一つ間違えば、医療過誤や食品偽装などの問題を引き起こし、人々の健やかな暮らしを脅かしかねないのですから。本学部が「実社会とのつながり」に積極的なのも、実際の現場で働く人々がどれほど高い倫理観をもって自らの使命・責任を果たしているか、しっかりと学んでほしいからです。 ゼミや学科の枠を超えた交流も盛んで、それらの交流から画期的研究も生まれつつあります。医療・食品・バイオなどの現場で活躍できる本物のプロを、着実に育てたいと思います。

"Stay hungry, Stay foolish."

世界で最も著名な経営者の1人であるスティーブ・ジョブズ氏。"Stay hungry, Stay foolish."とは、アップル創業者として世界に多大な影響を与え続けたジョブズ氏が、2005年、スタンフォード大学の卒業式で卒業生に送ったスピーチの締めくくりの言葉です。ここでの"Stay hungry"とは恐らく「現状に満足するな。常に自らを向上させよ」であり、また"Stay foolish"とは「常識にとらわれるな。誰かのマネではなく、自らの信じる道を行け」といったニュアンスでしょう。まさに21世紀を生きる技術者・研究者が肝に銘じるべきメッセージだと思います。