| − 学園 − 新年ご挨拶 |
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明けましておめでとうございます。 皆様、よい新年をお迎えになったことと存じます。 昨年の日本では、猛暑、集中豪雨、台風そして新潟県中越地震と多くの自然災害が発生し、全国各地でたくさんの方が亡くなられました。また、幼い子どもを対象にした悪質な犯罪もあり、悲しい年となりました。しかし一方で、凶悪犯罪の低年齢化という現象も見られ、家庭教育、学校教育、情報過多な社会のあり方などについて考えさせられる一年でした。 世界に目を向けて見ますと、残念ながらテロリストの活動が依然として続いています。特に、ロシアの北オセチア共和国で起きた学校占拠の事件では、多くの子供たちの尊い命が犠牲になりました。何の罪もない子供たちを人質にし、凄惨な光景を迎えた最後に強い憤りを覚えました。 そのような中、アテネオリンピックでの日本選手の大活躍は、我々に興奮と感動を与えてくれました。史上最多の37個ものメダルを獲得してくれた選手だけでなく、世界の強豪に対して歯を食いしばりながら、正々堂々と全力で戦ってこられた全選手に、心から拍手を送りたいと思います。 さて、今年の我が国の私立学校を取り巻く経営環境は、昨年以上に厳しい状況になることが予想されます。 まず、私立学校政策全般では、理事・監事・評議員会の権限や役割分担を明確にすること、そして財務情報を公開することなどが改正の主旨となっている「私立学校法」が本年4月から施行されます。併せて「学校法人会計基準」も今年度中に改正される予定となっています。 次に、いわゆる「国・地方財政の三位一体改革」による義務教育費国庫負担制度廃止の論議に伴い、「私立学校振興助成法」に基づく私立高等学校に対する国庫補助制度が、来年度については継続される方向であるものの、廃止の対象として遡上にあがる可能性が高くなっています。 さらに「構造改革特別区域法」に基づき、教育分野における規制の特例措置が行われ、学校設置会社(株式会社)や学校設置非営利法人(NPO)による学校設置、校地・校舎の自己所有を要しない大学設置が認められるようになったという新しい動きもあります。 高等教育においては、進学率が49.9%(過年度高卒者を含む大学・短期大学進学率)と過去最高の数値となっており、マーチン・トロウ(Martin Trow)の高等教育体制の段階移行モデルで見ると、日本の高等教育はすでにユニバーサル化に達していると言えます。 また、18才人口が平成4年度の205万人をピークとして減少し続ける少子化はいよいよ激減期に入り、平成16年度の141万人が平成17年度は137万人となり、当面は120万人から110万人で推移するとの予測になっています。その影響はすでに表れており、日本私立学校振興・共済事業団の私学経営相談センターの発表によると、調査対象の私立大学533校中155校(29.1%)が「定員割れ」を起こしており、ブロック別では中四国地方が最も厳しい定員割れとなっています。誰でもが入学できる大学の数は、今後も増え続けます。 初等中等教育においては、学力低下への批判を受けて「ゆとり教育」からの転換を図るために、一昨年の12月に「学習指導要領」の一部改訂が実施されました。この「学習指導要領」には、二つの大きな方針があります。教育内容について基礎・基本の理解を徹底し、学ぶ意欲や自分で課題を見つけるといった「確かな学力」と豊かな人間性、健康や体力を育むことを目的とした「生きる力」です。特に、「確かな学力」の向上を図るために、個に応じた指導の充実、学習意欲や学力の質の向上などを主眼とした取り組みが行われています。 しかし、昨年12月に公表された我が国の高校1年生を対象にしたOECD(経済協力開発機構)の国際学習到達度調査においては、平成13年に実施された同調査と比較して、調査に参加した41カ国・地域のなかで「読解力」が8位からから14位に、「数学的リテラシー」が1位から6位に下落し、「科学的リテラシー」は前回と同様の2位を維持するという結果でした。 その結果を受けて文部科学省は、日本の学力は上位にあるとしながらも世界のトップレベルにあるとは言えないとの認識を持ち、特に結果が著しく悪かった「読解力」については「読解力向上プログラム」などの新たな施策を検討するとの方針が示されました。「学習指導要領」を一部改訂したとはいえ、この学力低下の傾向は、そう簡単には修正できないように思います。 このような状況のなかで、本学園においては、一人ひとりの児童・生徒・学生のニーズや資質に応じた教育、つまり一人ひとりを活かす教育を実践し、教育の質を向上させることが強く求められます。 とりわけ、本学の小学校、中学校および高等学校においては「独創的な教育プログラムの実践」と「教育力の向上」、専門学校では「専門的職業能力の育成」とともに「職業人意識を培うこと」、大学においては「教育改革18」に基づく「学生の多様な資質とニーズに応じた教育の実現」が不可欠となっています。 その基本となるのは、本学の建学の精神『教育は愛なり』と教育方針『常に神と共に歩み社会に奉仕する』であることは言うまでもありません。これら二つの教育理念に則って、小学校から大学に至る全ての学校で、私学らしい特色のある学校づくりに取り組まなければなりません。 さらに、21世紀に入り急激に変化する社会の中において学校教育は、消費者である児童・生徒・学生や保護者、そして社会からの要請により、自己の在り様を変えていかなくてはなりません。 それは、消費者、言い換えるならば顧客の学校教育に対するニーズが常に変化し続けているからにほかなりません。そのためには、新しい発想に基づき、絶えず自己革新・自己変革を図ることが不可欠となります。短刀直入に言うならば、消費者のニーズの変化に対応できない会社の商品は売れませんし、お客の来ない店は閉店を余儀なくされるのです。 そのような視点を踏まえて、我々教育に携わる教職員がそれぞれの学校や組織において教育改革や教育改善に携わる際、必要となる基本的な姿勢や態度について考えて見たいと思います。 まず、「主体的な取り組み」が必要となります。それは、学校において新たな事柄を始める時には自分との関わりで物事を考え、自ら率先して行うという事であり、自分なりの主体的な対応が不可欠になります。つまり、新たな試みは、一人ひとりの主体的な行動によって実現されるのであり、その結果が変化や発展に繋がって行くと考えられます。 次に、「計画的な取り組み」が不可欠となります。それは、学校において新しい方法や制度などを創り出すためには、自らがどのように課題に取り組むかという発想に立ち、計画的・長期的に取り組まなければならないものと、直ぐに対応できるものと対応すべきものとを弁別することにより、時間を要する課題には見通しを立て、段階的に解決を図っていかなければならないと考えられます。 また、「変化への取り組み」が必要となります。それは、変化の激しい社会において学校に対するニーズも常に変化しており、それに応えるためにも新しい発想や柔軟な考え方を用いて、学校の活性化と教育内容の革新を図っていくことが求められ、そこでは前例の踏襲のみに終始せずに絶えず自己革新、自己変革を図っていくことが必要であると考えられます。 来年2月に創立50周年を迎える鶴学園は、これを本学園の新たな出発点としてさらなる発展を目指します。そのためには、上述した三つの取り組みを忘れず、私学らしい明確な「個性と特色」を持った独自の教育を作り上げなければなりません。それは、理事会と教職員が一体となってはじめて達成されます。教職員の皆様の更なるご理解とご協力をお願いいたします。 ↑ このページのトップへ |