組み込みシステムが社会を変える「業界研究セミナー:マイクロソフト編」

2011年04月08日

10月に行われた「業界研究セミナー」では、さまざまな業界の第一線で働く方々から、仕事内容や業界情報、採用状況など就職活動に向けて有益な情報を伺うことができました。さらにその特別版として、マイクロソフト(株)組み込み部門のシニアマーケティングマネージャとしてご活躍されている松岡正人さんをお招きしたセミナーが、12月に開かれました。

情報学部の学生を中心に、多数の学生がセミナーを受講しました。

情報学部の学生を中心に、多数の学生がセミナーを受講しました。

「現代はいかに効率よくものを動かし、収益を上げていくかというビジネスモデルを中心に動いている。そのためには組み込みシステムは不可欠です」と松岡さん。

「現代はいかに効率よくものを動かし、収益を上げていくかというビジネスモデルを中心に動いている。そのためには組み込みシステムは不可欠です」と松岡さん。

テーマは「組み込みOSの市場とその重要性」。組み込みOSとは、家電製品や産業機器などに組み込まれているコンピュータを制御するためのOSのこと。例えば、銀行のATMやスーパー・コンビニで使われているPOSシステムの大半には、Windowsが組み込まれています。駅の券売機ならば、あらかじめアプリケーションが立ち上がっておりタッチパネルなどで簡単に操作ができるようになっています。組み込みシステムにより顧客は簡単な操作で商品やサービスを手にし、企業も利益を得る、ただその際、欧米と日本ではニーズが異なることなどを、豊富な事例のもとわかりやすく解説していただきました。

講演の中で流されたマイクロソフトが製作したプロモーション用の映像が、興味深いものでした。例えば、小売店向けのシステム導入を提案するイメージビデオ。ショッピングセンターを舞台に、お客さんに携帯端末でその日の夕食のメニューをナビゲートしたり、店舗が値段の変更や倉庫からの品出しを一括して管理したり、顧客と企業の双方に利益をもたらす情報システムがスタイリッシュに描かれていました。松岡さんによると、コストの問題はありますが、その大半はすでに運用可能だそうです。情報システムは情報産業だけでなく、小売業や製造業などあらゆる業種と密接にかかわっていることが理解できるビデオでした。
また、マイクロソフトが開催する世界規模の学生ITコンテスト「イマジンカップ」についてもお話しいただきました。日本代表は昨年、独創的な提案を行ったのですが、諸外国に受け入れられず優勝を逃したそうです。世界を相手にするときは、文化の違い、生活環境の違いを意識することが大切。工大生も参加してみてはいかがでしょうか。

レストラン、駅、図書館、工場、病院、生活のあらゆる場面で組み込み機器は役立っています。

レストラン、駅、図書館、工場、病院、生活のあらゆる場面で組み込み機器は役立っています。

学生も、今後の研究や仕事に向けて、大いに刺激を受けたようでした。

学生も、今後の研究や仕事に向けて、大いに刺激を受けたようでした。

セミナーを受講した石部紀子さん(情報学部情報工学科・3年)は「印象に残ったのは情報格差の問題。普段ITに接していない人が使ってもいいようなインターフェイスを考え提案することが、技術者として大切だとあらためて感じました」また、柳橋寛人君(情報学部情報工学科・4年)は「今後、IT技術が社会のあらゆる分野に進出していく中で、自分が就職する製造業ではどんな展開が考えられるのか、専門家の意見が知りたくて質問をしました。効率を追求しながらも面白さ、楽しさを大事にしたものを作っていきたいですね」とのことでした。

最後に松岡さんより、これからの時代を担う若者に向けて非常に有益なメッセージをいただきました。
1. 違いを意識する
外資系の会社で仕事をしてきて感じるのは、個々が持っているカルチャーのギャップはなかなか埋まらないということ。同じアジアの中でも中国と日本では全く考え方が違います。自分たちが持っている目線だけでビジネスを組み立てようとすると、どうしても破たんしてしまいます。別の目線を持つ人たちと上手に仕事をすることが、よりいいものをつくるためには必要です。アップルがかつて言った「Think different」はすべてに当てはまる話です。だから、グローバルに物事を考える組織が成功します。それはITであれ、小売業であれ、製造業であれ変わりません。
2. 常に考えること
常に考え、より良い答えを探すことこそエンジニアにとって一番大切なこと。現代は、それほど考えなくてもある程度のものが手に入るので、突き詰めて考えることをしない人たちが増えてきています。ただ、より良いもの、より便利なものを作り出すためには、若い世代が問題意識を持って常に考えながら現状を把握し、結論を自分なりに考えて出していかなければなりません。それをさせてあげるのが、僕らの世代の責務だと思っています。

「普段聞くことのできない話が聞けたので、これからの就職活動にも役立つと思います」と石部さん。

「普段聞くことのできない話が聞けたので、これからの就職活動にも役立つと思います」と石部さん。

「社会の中で情報システムが果たす役割をもう一度確認することができました」と柳橋君。

「社会の中で情報システムが果たす役割をもう一度確認することができました」と柳橋君。

「私自身、さまざまな国の人と働くなかでさまざまカルチャーギャップを経験しました。こういった場でその経験をフィードバックしていきたいですね」と松岡さん。

「私自身、さまざまな国の人と働くなかでさまざまカルチャーギャップを経験しました。こういった場でその経験をフィードバックしていきたいですね」と松岡さん。

非常に多種多様な事例を基にした、とても刺激的なお話でした。学生の皆さんは、この日の経験を、ぜひ今後の就職活動や仕事に役立ててください。

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