2011年11月15日
10月22日(土)、広島工業大学講義棟「三宅の森Nexus21」にて、「平成23年度(第62回)電気・情報関連学会中国支部連合大会」が開催されました。この大会は、日本の電気学会、電子情報通信学会、照明学会、情報処理学会、映像情報メディア学会、電気設備学会の6つの学会の中国支部が共同で開催する総合的な学術発表の場です。各界の研究者が集い、最新の研究発表や質疑応答が行われる中、本学の学生たちも参加、しっかり研究発表を行い、成果を上げていました。
医療電子・生体工学部門の会場では、大学院 工学系研究科 情報システム科学専攻の天野光君の研究発表が行われていました。研究テーマは「遠隔輸液モニタリングシステム」。現在、病院で使われている自然落下式の輸液セットに監視装置を取り付け、複数の患者の輸液状況を、ナースステーションにて一括で管理できるシステムの提案です。
発表を終えた天野君は「質疑の時間に、課題だと思っていたところを鋭く質問されました。質問されることで、研究の質を向上できると思います。今後はこのシステムを実際に病院などで使ってもらい、さらに改良していきたいですね」と今後の意気込みを語ってくれました。
さらに同じ医療電子・生体工学部門では、大学院 工学系研究科 電気電子工学専攻の堤周平君による発表「視覚障碍者支援のためのユビキタス公共マークの設計と評価」が行われていました。方向指示や非常口のサインなどにLEDを使って、携帯型可視光端末とのIT通信で音声出力を行うというシステムです。実験の結果、正しい通信が行えたことを確認できました。
昨年に引き続き二度目の発表となった天野君。落ち着いて質問に答えていました。
「大きな声ではっきりと話すこと、時間内に収まるようにペースは遅すぎず、かといって早口にならないよう心がけました」と堤くん。
画像処理の部門では、大学院 工学系研究科 情報システム科学専攻の柏原陣君が「補間処理を利用したパターン分離法の検討」についての研究発表を行いました。パターン分離法を使って、物質(ヘモグロビン)の濃度を測定する方法についての発表でした。「多くの実験データを集めるのが大変でしたが、発表資料をわかりやすく作るためがんばりました。今後はさまざまな補間法を用いて、研究を充実させていきたいです」
続いて同じく画像処理部門において、情報学部知的情報システム学科の日野悠平君による「Lab空間における顕著性マップを考慮したシームカービング」という発表が行われました。シームカービングとは画像データの中の物体のスケールを変化させずに、画像のサイズだけを変更する技術です。パワーポイントを使ってサンプル画像で変更例を示しながら説明をおこなっていました。
電子回路部門では、大学院 工学系研究科 電気電子工学専攻の宮川慎也君の発表「MOSジャイレータを用いた定抵抗全域通過回路」が行われました。ジャイレータという電子回路構成について、PSpiceというソフトウェアでシミュレーション結果を重ねた成果について発表を行いました。宮川くんは学部生の時に一回目の発表を経験、今回は三回目の発表です。「制限時間が10分と決まっているので、時間内に収まるようリハーサルを入念に行いました。先生に見てもらいながら、直前には一日に3~4回練習していましたね」その甲斐あって、見ていてもスムーズな発表でした。
今回が初めての発表で緊張したという柏原くん「満足度は50%。話し方、図やグラフなど、もっとわかりやすく示す方法を考えていきたいです」
「今後はLab空間のみでなく、その他の顕著性マップについても研究していきたい」と日野くん。
実験の誤差の理由について、即座に明確に答える宮川くん。研究の堅実さがうかがわれます。
最後に本学会の特別講演として、本学環境学部地球環境学科の内藤望先生による「ヒマラヤにおける氷河変動と氷河湖決壊洪水」と題した講演が行われました。内藤先生自ら、フィールドワークでヒマラヤや南極で実地調査された時の写真やデータが、多数紹介されました。多数の参加者が集まり熱心に耳を傾ける中、1時間に及ぶ充実した講演となりました。
内藤先生はこの9月に日本雪氷学会論文賞を共同受賞したばかりです。
「温暖化と言っても、今世紀中に氷河が全部融けてなくなるようなことはありません」と内藤先生。
朝から一日かけて行われた電気・情報関連学会中国支部連合大会も盛況のうちに閉会となりました。本学の学生も堂々とした態度で、しっかりと研究発表を行っていました。こうして学生のうちから学会という大きな場で発表を行うことで、実績にもなり、実力と自信にもつながります。これからもいろいろなことにどんどんチャレンジしてもらいたいですね!