2012年01月27日
広島工業大学では、就職活動が本格化する前に、学生・保護者・教員の三者が進路について話し合う「就職・進学懇談会」を毎年開催しています。この懇談会は保護者の皆様に就職の現況や本学の支援体制をご理解いただくとともに、三者間の意思疎通を図ることで、学生の希望する進路を実現するためのバックアップ体制を、より強固なものにしようと行っているものです。
今年の就職・進学懇談会は12/10に行われました。今回は、環境学部環境デザイン学科の杉田ゼミの懇談会の様子をお伝えします。杉田ゼミでは、三者懇談に加え、学生のインターンシップ体験を保護者に報告するという企画を実施しています。「親子のコミュニケーションが増えて、就活に向けて協調し合ってほしい」と杉田先生。保護者の皆さんは、お子さんの成長に驚きの連続のようでした。
杉田ゼミでは3年生6名が、自身の親に向け、発表形式で報告を行いました。
石橋孝則君は、以前から施工管理の仕事に興味を持っており、夏休みを利用して建設会社でインターンシップを体験した模様を報告。RC(鉄筋コンクリート)構造の建設現場や、耐震改修工事など、さまざまな現場で実務に携わりました。社員同等の業務以外にも、工事金額の試算なども行いました。当初は、施工管理の仕事は、マニュアルに沿い、設計図通りに工事を進めると思っていた石橋君。しかし、実際の現場ではマニュアル通りとはいかず、工程ごとに気配りが重要で、応用力が求められることに気付いたのが大きな収穫でした。さらに「建築の知識に加え、安全の知識も必要です。たとえ資格を取得しても、常に勉強し続けないといけない」とまとめました。
この報告をうなずきながら聞いていたお父さんの義美さん。「しっかりと、やってきたんですね」と目を細め、息子の成長を実感した様子でした。その後の三者懇談会でも、杉田先生から「将来のビジョンがしっかりと固まっています」とお墨付きをいただきました。
ゼネコンとはどんな仕事を行うのかを説明する石橋君。
「わかりにくいと言われる大学での学びを、理解していただくきっかけになれば」と杉田先生。
「勉強内容がよくわかりました。このような機会を設けていただき、ありがとうございます」と義美さん。
小林和貴君は、マンションやビルなどの総合管理会社でのインターンシップ体験をお母さんの栄子さんに報告しました。
小林君は東京で行われたインターンシップに広島から1人で参加、大規模マンションの管理や、修繕工事現場の見学、さらにグループディスカッションなど多くのカリキュラムにチャレンジしました。マンションなどの建物を診断した後、工事箇所や時期を決めて修繕工事計画を立てますが、管理の仕事には「人間性」がとても大事だと実感した小林君。「工事の内容が決まると、理事会や総会で住民側に説明します。ただ、住民側には弁護士や建築の専門家など、知識の豊富な方もおられます。その方々に知識で応戦するのではなく、謙虚さや人柄などで対応することが大切」と気付いたからです。
こうした経験を通じて、身につけるべきスキルを実感した小林君。「建築の知識だけでなく、建物の劣化原因を探求する力や、修繕工事の企画力、修繕積立金を活用する金銭的センスが必要」とまとめました。この報告に、お母さんの栄子さんも感心することしきりでした。
「マンション管理の現場では、生きた言葉で説明することが大事です」と小林君。
「立派になったなあと感じました」と栄子さん。
この日は、本学キャリアアドバイザーの篠原功治先生による保護者対象セミナーも開催されていました。テーマは「企業が学生に求める力と進路のために家族のできること」。依然厳しい近年の就活状況の分析や、そんな中でも理工系が有利になっており技術職が求められていることなどが、わかりやすく解説されていました。採用試験のポイントである面接では、主体的に語れる学生が内定しているとのこと。「昨年、広工大から、50名という狭い採用枠の航空会社に、技術職で内定した学生がいます。彼は面接時に、専門に勉強した流体力学の観点から飛行機の安全性を語ったそうです」自ら語れる学生になるためには、家庭では「傾聴」を心がけるといいとアドバイス。「会話はなるべく聞く側に徹して、思いを共有してください」。
講演後には篠原先生による個別相談コ-ナーが設けられました。「就職の流れと現状を、より詳しく聞くことができ安心しました」と保護者の林義人さん。じっくりと話し合うことができるこのコーナーも、好評を博していました。
「企業が学生に求めるものは、コミュニケーション能力や人間性です」と篠原先生。
「自分のためにも企業のためにもなる、両者の接点を見つけるのが就職活動です」とアドバイス。
教員や学生が保護者に学びの内容を伝える、保護者が就職活動の現状を知る、それぞれの思い・知識を共有し、納得のいく進路選択に大きく近付いたようでした。