クラブシリーズ(その2)エスキーテニス同好会「目指すは日本一!」

2012年07月06日

広島工業大学の正門前を右に折れ、部室棟「クラブハウス」の前を進んでいくと、奥の方から元気のいい掛け声が聞こえてくる。一人や二人ではない、多くの学生の声が響いているのがわかる。もう少し近づいていき、フェンスの向こう側をのぞいてみると、そこには縦10m横4mのテニスコートを少し小さめにしたようなアスファルトのコートが3面広がっていた。50名以上の数の学生が、手には卓球のラケットを一回り大きくしたようなラケットを持ち、バドミントンの羽根が付いたようなボールを打ち合っている。テニス? 卓球? バドミントン? これはいったい・・・。

練習場はいつも元気のいい声と笑顔で満ちている。

練習場はいつも元気のいい声と笑顔で満ちている。

エスキーテニスのラケットとボール。ラケットの色や重量に特に規定はない

エスキーテニスのラケットとボール。ラケットの色や重量に特に規定はない

これはエスキーテニスというスポーツです」と爽やかな笑顔で説明してくれたのは部長の山下進也君(工学部電気システム工学科2年・香川県立坂出工業高校出身)。エスキーテニスとは、戦後の広島で考案されたスポーツで、基本的なルールはテニスに近い。ただ、ボールに付いた羽根がスピードを殺すので、狭いスペースで楽しむことができる。エスキーという名は、「教育科学文化研究所」(Education Science and Culture Institute)の頭文字(ESCI)をとって命名されたそうだ。「エスキーテニスは練習すればするほど上達を実感できるのが魅力。経験が重要なスポーツなので、僕らでも勝てないお年寄りもいます。奥の深いスポーツですね」(山下君)

「今年は1年生がたくさん入部したので、僕だけじゃなく全員で協力して部をまとめています」と山下君

「今年は1年生がたくさん入部したので、僕だけじゃなく全員で協力して部をまとめています」と山下君

緩急を使う、相手の返しにくい場所に打ち返す、などテクニックが重要なスポーツ。

緩急を使う、相手の返しにくい場所に打ち返す、などテクニックが重要なスポーツ。

今年は女子も含めて50名近い1年生が入部しました」と4年生の新川貴大君(工学部電気・デジタルシステム工学科・愛媛県立大洲高校出身)。「コートも広島工業大学の創立50周年事業の一環で新しくなり、充実した練習環境が整いましたね」とやはり4年生の三浦綾人君(工学部機械システム工学科・広島工業大学高等学校出身)。この二人は、学生リーグのダブルスで何度も優勝、中国地区の大会でも優勝するなどかなりの実力者。工大チームも、昨年社会人も含めた中国地区の大会で優勝するなど、近年の躍進が目覚ましい。
でも、ずっと同好会なので苦労も多かったです。部員数も少なく、学校からもあまり存在を認めてもらえていなかったかも(笑)。コーチもいないので、自分たちで練習を工夫し少しずつ強くなっていきました。結果を出して部員を増やしたい、周囲に認めてもらいたいという気持ちが、大きなモチベーションでしたね」(三浦君)
2つ上に伝説のカリスマ的な先輩がいて、その人が部の雰囲気を変えていきました。朝から晩までエスキーの事を考えている人で、その人に引っ張られて僕らも強くなりました」(新川君)

三浦君(左)と新川君(右)。社会人のプレーヤーとも、一緒に練習を行っている。

三浦君(左)と新川君(右)。社会人のプレーヤーとも、一緒に練習を行っている。

コートは狭いが運動量の多いスポーツだ。2カ月弱で10kgやせた学生も。

コートは狭いが運動量の多いスポーツだ。2カ月弱で10kgやせた学生も。

2年生の白石麗華さん(情報学部情報工学科・山口県立岩国高校出身)と吉村美沙紀さん(環境学部環境デザイン学科・山口県立岩国高校出身)は、昨年の学生リーグ(3位リーグ)で優勝した強豪コンビ。白石さんは新人戦のシングルで優勝も経験している。この二人が昨年入部したことで、女子部員が一気に増えたそうだ。「練習すればするほど上達するのがわかります」(吉村さん)「2年生になって教える立場になりました。相手に伝える難しさを感じると同時に、先輩の教え方の上手さをあらためて実感しています」(白石さん)コートに来たら必ず誰かがいる、それがうれしいし、これからもみんなと一緒に楽しくスキルアップしていきたいと二人は声をそろえる。

白石さん(左)と吉村さん(右)。

白石さん(左)と吉村さん(右)。

男子も女子もいっしょになって練習。

男子も女子もいっしょになって練習。

歴史を築いてきた先輩に敬意を表し、それを超えるためにも、目標は全国優勝です」と山下部長。苦労を乗り越えてきたエスキーテニス同好会。施設も新しくなり、部員も大幅に増え、今まさに飛躍の時を迎えようとしている。

エスキーテニス同好会