「はやぶさの軌跡」から技術者の心得を学ぶ 的川泰宣先生を迎え、高校生・保護者対象の教育講演会を開催しました。

2014年02月07日

2010年、小さな人工衛星が約7年に渡る旅を終え、地球に帰還しました。その名は「はやぶさ」
数々の試練や困難を乗り越えた裏側には、プロジェクトに関わった一人ひとりの技術者が抱いたさまざまな「心」がありました。

12月22日、高校生・保護者対象の教育講演会が福岡会場・広島会場の2会場で開催されました。今回の講演会では、JAXAで宇宙科学研究本部対外協力室長・教授としてはやぶさプロジェクトを支えた的川泰宣先生をお迎えし、「はやぶさの軌跡 ~21世紀を担う技術者の夢~」と題して、技術者を目指す意義や喜びについてご講演いただきました。

会場となった広島国際会議場。

会場となった広島国際会議場。

広島県内外より多くの高校生や保護者の皆さまにご参加いただきました。

広島県内外より多くの高校生や保護者の皆さまにご参加いただきました。

的川先生の講演に先立ち、大学院生による研究紹介が行われました。

人工衛星および地上からの情報をもとにした広島市周辺の3次元画像を示す大学院 工学系研究科博士前期課程 環境学専攻2年の松村隆一君。

人工衛星および地上からの情報をもとにした広島市周辺の3次元画像を示す大学院 工学系研究科博士前期課程 環境学専攻2年の松村隆一君。

松村君の所属する菅研究室では、人工衛星から送られてくる画像をもとに、東日本大震災の被災状況の詳細な解析を行いました。

松村君の所属する菅研究室では、人工衛星から送られてくる画像をもとに、東日本大震災の被災状況の詳細な解析を行いました。

的川先生による講演は、近年話題となっている宇宙に関するトピックスの紹介から始まりました。太陽に接近し消滅したといわれるアイソン彗星、現在国際宇宙ステーションに滞在している若田光一さん、昨年打ち上げに成功したイプシロンロケット。これらに関わる人々は、どのような心で何を感じているのか、そこに「心の色」の違いがあるのではないか。そう先生は語りかけます。
続いて、はやぶさプロジェクトの軌跡を振り返りながら、そこから学んだことのエッセンスがわかりやすい言葉で提示されました。「想定外のことが起きることはあらかじめ覚悟していた」「大好きになることは、あきらめないことにつながる」「高いレベルで目標を共有している集団は強い」技術者としてだけではなく、これからの時代を生き抜いていく「生き方のヒント」をいただきました。

講演のはじめに土星からとらえた地球の写真を披露する的川先生。宇宙の美しさや素晴らしさをソフトな語り口でお話しいただきました。

講演のはじめに土星からとらえた地球の写真を披露する的川先生。宇宙の美しさや素晴らしさをソフトな語り口でお話しいただきました。

「"適度な貧乏"が新しい工夫やアイデアを生み出し、プロジェクトの成功を導いた」的川先生ははやぶさ成功の原動力を、そう語りました。

「"適度な貧乏"が新しい工夫やアイデアを生み出し、プロジェクトの成功を導いた」的川先生ははやぶさ成功の原動力を、そう語りました。

最後に高校生に向けて、将来の進路を選ぶ時に「自分の心に火を付けること」の大切さを強調されました。太陽系の起源を知りたいと思う心、自由に探査機を操りたいと思う心、探査機の部品をつくってみたいと思う心。これらは知りたい心(好奇心)、行きたい心(冒険心)、創りたい心(匠の心)と言うこともでき、冒頭の若田さんやイプシロンロケットなどに関わる人々の心ともつながります。「広島工業大学では、最後の"創りたい心"を育てていますね」と的川さん。「自分にあった心を見つけてほしい、それが生きていく動機づけになります」と力強いエールをいただき講演は終了しました。

的川先生は地元広島県呉市のご出身。NPO法人「子ども・宇宙・未来の会」の会長も務められるなど「宇宙教育の父」としても知られています。

的川先生は地元広島県呉市のご出身。NPO法人「子ども・宇宙・未来の会」の会長も務められるなど「宇宙教育の父」としても知られています。

2010年の興奮がよみがえってくるような臨場感あふれるお話に、聴講された方々は聞き入っていました。

2010年の興奮がよみがえってくるような臨場感あふれるお話に、聴講された方々は聞き入っていました。

講演会に参加した広島国泰寺高校の上原君(左)と柳川君(右)「プロジェクトチームの内部の様子を細かく教えていただき、とても感動しました。研究者が持つ技術や心構えから、さまざまなインスピレーションをいただきました」

講演会に参加した広島国泰寺高校の上原君(左)と柳川君(右)「プロジェクトチームの内部の様子を細かく教えていただき、とても感動しました。研究者が持つ技術や心構えから、さまざまなインスピレーションをいただきました」

発表を行った松村君。「これまでの研究活動を通じて、高校生にもぜひものづくりの面白さを広島工業大学に入学して体験してほしいと感じました」

発表を行った松村君。「これまでの研究活動を通じて、高校生にもぜひものづくりの面白さを広島工業大学に入学して体験してほしいと感じました」

今年は、同じJAXAによって「はやぶさ2」の打ち上げが計画されています。再び、注目を集める小惑星探査プロジェクト、次世代の宇宙開発を担うような技術力を、ぜひ広島工業大学で磨いてみませんか。

的川先生よりメッセージをいただきました。

的川先生よりメッセージをいただきました。

地球環境学科

地球環境学科 ;菅ゼミ・研究室