気象予報からリサイクルまで幅広いテーマで研究を進める4年生が、卒業研究の中間報告を実施。

2015年12月28日

気象から自然環境、人工衛星データまで地球環境を幅広く研究
豪雨予報、ガラスリサイクル、航空レーザー測量。これって何だと思いますか? 実は、これ、すべて環境学部地球環境学科の学生の卒業研究の対象なんです。地球環境学科では「自然と人間が共生」を大きなテーマに、4年生になると教員の指導のもと、さまざまな研究を行っていきます。
11月7日、4年生28名が、卒業研究の中間発表を行いました。どんな研究が進行中なのか、たくさんの研究の中から豪雨予報とガラスリサイクルに関する研究をご紹介します。

大幡由季さんは豪雨災害の発生予報を研究中
2014年8月に発生した「広島豪雨」は、広島市に大規模な土砂崩れをもたらしました。大幡さんは、この豪雨の発生予報についての研究を行っています。
注目したのは、海上面近くの水蒸気量のデータ。災害を予測するための「気象数値予報モデル」を用いて、湿度を変更しながら再現計算を行い、豪雨の予測可能性を検討しました。その結果、基準湿度が1%下がると、雨量が25%減少することが分かり、湿度が雨量に及ぼす影響が明確になったことが発表されました。

※気象数値予報モデル...物理方程式により、風や気温などの時間変化をコンピュータで計算して将来の大気の状態を予測する方法。

「肝心なのは、雨の降り始め。もっと天気予報が詳しく早くわかれば、災害は防げるはずだと思ったのが研究のきっかけです」と大幡さん。

「肝心なのは、雨の降り始め。もっと天気予報が詳しく早くわかれば、災害は防げるはずだと思ったのが研究のきっかけです」と大幡さん。

「研究の進捗としては7割ぐらいです。今後は、他の県での事例も調べ、豪雨を予測する際に役立つデータを導き出せたらと思っています」

「研究の進捗としては7割ぐらいです。今後は、他の県での事例も調べ、豪雨を予測する際に役立つデータを導き出せたらと思っています」

卒業研究って何?
大幡さんのように、自ら選んだテーマについて、調査・分析を行い、得られた結果をまとめることが大学の卒業研究と言えます。特に、研究が及んでいない分野、まだ解明されていない内容を含む分野に研究の「モト」は転がっています。もちろん、人のマネではダメ。たとえわずかだとしても、世の中に新しい価値を提供するような内容が求められます。

岡走君は色ガラスのリサイクルを研究中
透明なガラスに比べ、色のついたガラスをリサイクルするには高いコストがかかり、再生利用が難しいことを知っていますか? 岡君は、色つきガラスを超高温で燃やして軽石のような小石状にした「発泡ガラス」に注目、現在は、埋め立て材やタイルなどに利用されている発泡ガラスを、水質保全に用いることができないか研究を進めています。雨水の中に発泡ガラスを入れ、その水質がどのように変化するのか、水素イオン濃度や生物化学的酸素要求量などのデータを取りながら実験を行いました。その結果、水質の悪化が抑えられることが判明しました。

 「色のついたガラスは、ほとんどが埋め立て地に持ち込まれ捨てられるだけ。きっと何かに使えるはずだと思い、研究を続けています」と岡君。

「色のついたガラスは、ほとんどが埋め立て地に持ち込まれ捨てられるだけ。きっと何かに使えるはずだと思い、研究を続けています」と岡君。

「建設コンサルタントの企業から内定をいただいていますが、水道水や下水処理と関わりがあり、研究との関連性を感じています。卒業研究で学んだことを活かして頑張ります」

「建設コンサルタントの企業から内定をいただいていますが、水道水や下水処理と関わりがあり、研究との関連性を感じています。卒業研究で学んだことを活かして頑張ります」

地球環境学科の今岡先生「挑戦しがいのあるテーマに挑む」
「学科では、地球や環境をテーマに幅広く学べるため、挑戦しがいのある研究にチャレンジすることができます。今日の発表では、研究の進み具合に差はありましたが、仲間の発表からいい刺激を受けたのではないでしょうか。この中間発表でスタートラインに立った気持ちで、結論までのシナリオを描きながら、頑張ってほしいですね。来年2月の最終報告が楽しみです」

今岡先生。「環境への取り組みは、今やあらゆる企業で必須の課題であり、今後ますます重要になっていきます。卒業研究では、いい結果が出せるよう、我々も全力でサポートしていきます」

今岡先生。「環境への取り組みは、今やあらゆる企業で必須の課題であり、今後ますます重要になっていきます。卒業研究では、いい結果が出せるよう、我々も全力でサポートしていきます」

社会に出た時に役立つ卒業研究
大学生活の集大成ともいえる卒業研究。それぞれの学生が、興味を持った対象に対して、自ら考え、実験を行い、データ解析を行うなど、主体的に取り組んでいます。学生はあと半年で社会人となりますが、社会で難題に遭遇したときに立ち向かっていける力が備わりつつあることを、確認できた報告会でした。

地球環境学科