建物の省エネのカギは「空調」が握っている 建築デザイン学科 宋ゼミの研究。

2016年04月19日

企業の前で調査結果を報告
建物や設備機器等にどれほどのエネルギーが消費されているのでしょうか。2016年1月8日、環境学部環境デザイン学科(※)宋ゼミの学生が、オフィスビルにリノベーションの一環として導入された新しく開発された空調システムの性能とエネルギー消費について調査し、実測結果について企業の皆さまの前で報告を行いました。報告会に参加されたのは、実際に計測を行ったビル所有者の銀泉(株)様、空調機の製造元である昭和鉄工(株)様、空調機の設備工事を行ったダイダン(株)様の3社。報告することで得られたものや今後への期待などについて、宋ゼミの研究内容とともにお伝えします。
※2016年度から「環境デザイン学科」は「建築デザイン学科」に改編しました。

空調の性能に関する実測結果について、企業の皆さまの前で報告を行いました。

空調の性能に関する実測結果について、企業の皆さまの前で報告を行いました。

現状を解析するフィールドワークや、研究発表の場を大切にしている宋先生。

現状を解析するフィールドワークや、研究発表の場を大切にしている宋先生。

自分の思いを伝える技術を磨く
宋先生の所属する「建築デザイン学科」では、快適で暮らしやすい住宅や建築、街づくりなどを学ぶことができます。中でも、宋ゼミでは、人の快適さを実現するための建物や設備、そこに使われるエネルギー消費のあり方を研究しています。例えば、大学キャンパスや高齢者施設などでエネルギー消費や省エネ度について計測・調査を行い、学生一人ひとりが着目したテーマで「快適さ」を追究しています。さらに、学外での発表を積極的に行うなど、自分の考えを表現することを大切にしているのも宋ゼミの特長。今回の報告で得られたものについて、2人の学生にインタビューしました。

インタビューに応えてくれた山之内喜一君(左)と和田幸大君(右)。(ともに環境学部環境デザイン学科/2016年3月卒業)

インタビューに応えてくれた山之内喜一君(左)と和田幸大君(右)。(ともに環境学部環境デザイン学科/2016年3月卒業)

―どのような報告を行ったのですか?
和田君「オフィスビルのエネルギー消費量の約40%が空調関連だといわれています。そこで、私たちが注目したのは"空調システムの省エネルギー"。湿度コントロールが得意なデシカント空調機について研究しました。実は、空調でいちばんエネルギーを消費するのが湿度の調整。そのため、湿度調整に優れている空調機が省エネルギーにつながるのです」
山之内君「実際にオフィスビルで使用されているデシカント空調機の外気、還気、給気、空調機内部数カ所、それぞれの温度・湿度、そして全体の消費電力量を計測して記録。実測データを解析し、夏季の冷却・除湿性能と冬季の加熱・加湿性能を調べ、その結果を報告しました。夏季は和田君が、冬季は私が担当しました」

―このたびの報告を行ったことで、何が得られましたか?
山之内君「専門的な計測・解析はもちろん、企業の方々の前で報告すること、それ自体がとてもいい経験になったと感じています。場に慣れるということが、社会に出た時に役立つのではないでしょうか」
和田君「私も同じです。もともと人前で話すのは苦手だったのですが、こうした機会を通じて克服できました。また、わかりやすく伝えるために、聞き手の立場に立って考えたこともいい経験になりました」
山之内君「"宋先生の指導のもと詳しく解析できている"と評価されたことも、自信につながりました。有効なデータ収集や解析ができたのではないかと思います」
和田君「自分たちの研究に対して、プロの目から見た指摘やアドバイスをいただきました。研究を客観的に見ていただくことができてよかったです

―二人が卒業した後、この研究はどうなるのですか。
和田君「3年生の2人が、私たちの研究を引き継いでくれることが決まっています。どのような研究を行っているのか、研究内容を3年生に説明するのは私たち4年生の役目。自分の研究を後輩に説明することが、研究を改めて見直す機会にもなりました」
山之内君「企業の皆さまに実測結果を報告したとき、3年生も同席していました。そこで感じたことや得られたものをしっかり受け止め、今後の研究に生かしてくれると思います」

「卒業後は、建設会社で建築施工管理の仕事に就くことになりました」と山之内君。

「卒業後は、建設会社で建築施工管理の仕事に就くことになりました」と山之内君。

「卒業後に就く仕事は、空調などの設備施工管理です。研究をきっかけに、この仕事に興味をもちました」と和田君。

「卒業後に就く仕事は、空調などの設備施工管理です。研究をきっかけに、この仕事に興味をもちました」と和田君。

大学の学びを社会で生かす
現状を理解し解析することの大切さ、考えを伝えることの大切さなど、研究を通じてたくさんの大切なことを学んだ山之内君と和田君。卒業後は大学での学びをしっかりと財産に変えて、もっともっと輝かせてください。
新しく誕生した建築デザイン学科においても、山之内君や和田君のように社会と接点を持ちながら積極的に発表を行っていく学生を育てていきます。どうぞご期待ください。

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