患者さんからも、医療スタッフからも信頼される臨床工学技士を目指して 生体医工学科で病院実習の報告会を実施しました。

2016年09月30日

今後に活かすための病院実習
血液透析装置、人工心肺装置、人工呼吸器、輸液ポンプ、電気メスなど、さまざまな医療機器が導入されている現代の医療現場。医療機器を安全に操作する臨床工学技士は、チーム医療の一員として、医療の現場になくてはならない存在になっています。
そんな臨床工学技士を目指すのが、生命学部 生体医工学科の学生たち。4年次には医療機関での病院実習も経験し、国家試験に向けて専門知識を確実に自分のものにすることに加え、医療職を志す人間としての経験を積み上げていきます。
今年度は、中国・四国地区の30か所の医療機関にご協力いただき、約1カ月間の病院実習を実施し、その報告会を行いました。病院実習を経験した4年生が、後輩たちに実習内容や反省点などを報告し、経験を共有することで、今後に生かしていきます。

実習内容だけでなく、実習中に注意を受けたことや、自分に足りないと感じたことなど、反省点を交えて報告。後輩にアドバイスすると同時に、実習で学んだことを、あらためて胸に刻みます。

実習内容だけでなく、実習中に注意を受けたことや、自分に足りないと感じたことなど、反省点を交えて報告。後輩にアドバイスすると同時に、実習で学んだことを、あらためて胸に刻みます。

3年生は、来年の病院実習をよりよいものにするために、先輩の経験談とアドバイスをしっかりと受け取ります。メモを取りながら、先輩の報告に真剣に耳を傾けました。

3年生は、来年の病院実習をよいものにするために、先輩の経験談とアドバイスをしっかりと受け取ります。

授業ではわからない大切なことに気付いた学生たち
報告会では、広島大学病院での実習報告を皮切りに、実習先の医療機関ごとにグループで報告しました。血液透析を中心とした血液浄化業務、人工心肺の操作を中心とした手術室業務、医療機器の保守・点検を行う機器管理業務など、実際の業務に触れて感じたことや、医療スタッフとの連携や患者さんとのコミュニケーションを通じて気付いたことなどをわかりやすく報告しました。

広島大学病院は8名の学生が実習に参加。実習中は、質問しやすい雰囲気の中でご指導いただき、積極的にコミュニケーションを取ることの大切さ、質問をするために予習・復習して臨むことの重要性を痛感しました。

広島大学病院は8名の学生が実習に参加。実習中は、質問しやすい雰囲気の中でご指導いただき、積極的にコミュニケーションを取ることの大切さ、質問をするために予習・復習して臨むことの重要性を痛感しました。

主に血液浄化業務の実習をした原田病院では、シャント手術や腹膜透析チューブ抜去手術を見学。人工透析を受けている患者さんと接する機会も多く、あいさつや声かけの大切さを実感しました。

主に血液浄化業務の実習をした原田病院では、シャント手術(※)や腹膜透析チューブ抜去手術(※)を見学。血液透析を受けている患者さんと接する機会も多く、信頼をしてもらうためのあいさつや声かけの大切さを実感しました。

※シャント手術・・・血液透析を行うための血管形成術で、静脈を動脈に縫い合わせて繋ぐことにより、動脈血を直接静脈に流せるようにするもの。

※腹膜透析チューブ抜去手術・・・腹腔に透析液を出し入れすることで体の余分の水分や老廃物を取り除く「腹膜透析」をするため、腹部に埋め込んだカテーテルと呼ばれるプラスチック製の管を抜去するための手術。

県立広島病院の報告では、体重が1kgに満たない新生児が人工呼吸器につながれて、小さな体で必死に呼吸している姿に驚き、臨床工学技士の役割の重要性を再認識しました。

県立広島病院の報告では、体重が1kgに満たない新生児が人工呼吸器につながれて、小さな体で必死に呼吸している姿から、「この子は今、この装置があるから生きられているんだ」と実感し、臨床工学技士の役割の重要性を再認識しました。

山口県済生会下関総合病院で実習を行った増山浩太郎君(山口県立豊浦高校出身)は、医療機器メーカー主催の勉強会にも参加。勉強会で増山君が新人の看護師さんに教える機会があり、それもいい勉強になったそうです。

山口県済生会下関総合病院で実習を行った増山浩太郎君(山口県立豊浦高校出身)は、新人の看護師さんに輸液ポンプなどの機器の操作方法を教える機会があり、人に教えるためには、自分の知識をより確実なものにすべきことに気づき、いい勉強になったそうです。

必要なのは専門知識と社会人としてのマナー
学生は、各医療機関で、それぞれとても貴重な体験をさせていただきました。その中で、全員が共通して抱いた思いがあります。それは、専門知識をもっと身につけなくてはならないという思いと、専門知識だけでなくあいさつや言葉づかいなど、社会人としてのマナーをきちんと身につけなくてはならないという思い。患者さんや医療スタッフの皆さんなど、多くの人と接する中で、大切なことに気付くことができました。

岩国医療センターでは、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術が行われており、その手術を見学することができました。また、ドクターヘリの離着陸や内装・設備も見学することができたそうです。

岩国医療センターでは、手術支援ロボット「ダヴィンチ(※)」を用いた手術が行われており、その手術を見学することができました。

島根大学医学部附属病院のグループは「ダヴィンチなど普段見ることができない医療機器が見られるとても有意義な実習です。より有意義なものにするために、翌日の実習内容を確認し予習することが大切です」と後輩にアドバイス。

島根大学医学部附属病院のグループは「ダヴィンチなど普段見ることができない医療機器が見られるとても有意義な実習です。より有意義なものにするために、翌日の実習内容を確認し予習することが大切です」と後輩にアドバイス。

※ダヴィンチ・・・手術支援ロボット。医師が患部の立体画像を見ながら遠隔操作でアームを動かす。心臓手術などの際は、一般的な手術方法に比べ、傷口が小さく、出血量が少ないなど、患者にかかる負担が減るというメリットがある。

愛媛大学医学部附属病院のグループは、医療の現場で飛び交っている医療用語の略語を覚えていなかったこと、レポートを作成した際、患者さんの情報収集が十分でなかったこと、各医療機器が正常に動作しているかどうかを判断する数値を正確に把握していなかったことなど、あえて反省点を挙げて後輩に勉強の重要性を訴えました。

愛媛大学医学部附属病院のグループは、医療の現場で飛び交っている医療用語の略語を覚えていなかったこと、レポートを作成した際、患者さんの情報収集が十分でなかったこと、各医療機器が正常に動作しているかどうかを判断する数値を正確に把握していなかったことなど、あえて反省点を挙げて後輩に勉強の重要性を訴えました。

各医療機関の特徴や臨床工学技士の人数、実習の時間割、実習内容をはじめ、やっておくべき予習、注意された内容、実習中の生活環境など、先輩たちの報告をしっかり書きとめ、来年の病院実習を具体的にイメージしていきます。

各医療機関の特徴や臨床工学技士の人数、実習の時間割、実習内容をはじめ、やっておくべき予習、注意された内容、実習中の生活環境など、先輩たちの報告をしっかり書きとめ、来年の病院実習を具体的にイメージしていきます。

学びへの決意を新たに
発表した4年生も、それを聞いた3年生も、臨床工学技士として働く将来への決意を新たにし、今まで以上に学びへのモチベーションが向上しました。
県立広島病院で実習を行った男座香恋さん(広島県 清水ヶ丘高校出身)は、「教科書の中身について勉強するだけではわからないことをたくさん知ることができました。手術室で動いている心臓を見たときや、患者さんが救急車で運ばれてくる場面に立ち会ったとき、人の命に関わる仕事なのだと実感しました」
と話してくれました。

「実習先で、臨床工学技士は医師や看護師から頼りにされる存在だと感じました。聞かれたことに的確に答え、頼りにされている臨床工学技士の姿を見て、知識の必要性を痛感し、もっと勉強したいと思いました」と4年生の男座香恋さん。

「実習先で、臨床工学技士は医師や看護師から頼りにされる存在だと感じました。聞かれたことに的確に答え、頼りにされている臨床工学技士の姿を見て、知識の必要性を痛感し、もっと勉強したいと思いました」と4年生の男座香恋さん。

「どんな施設があるのかを知ることで、来年の病院実習について具体的に考えることができました。医療用語の略語を覚えるのはもちろん、医療機器についてももっと勉強して、病院実習を有意義なものにしたいと思います」と3年生の山本優葉さん(山口県立光高校出身)

「どんな施設があるのかを知ることで、来年の病院実習について具体的に考えることができました。医療用語の略語を覚えるのはもちろん、医療機器についてももっと勉強して、病院実習を有意義なものにしたいと思います」と3年生の山本優葉さん(山口県立光高校出身)

「知識不足だけでなく、社会人としてのマナーが大切だということに気付けたことが大きな収穫だと感じています。やはり、現場に出て体感することがいちばん効果的ですね。普段から意識して基本的なマナーをしっかり身につけてほしいと思います」と生体医工学科の戸梶先生。

「知識不足だけでなく、社会人としてのマナーが大切だということに気付けたことが大きな収穫だと感じています。やはり、現場に出て体感することがいちばん効果的ですね。普段から意識して基本的なマナーをしっかり身につけてほしいと思います」と生体医工学科の戸梶先生。

学生の皆さん、これからも将来の夢に向かってがんばってください!

〇病院実習でお世話になった医療機関(報告会の発表順)