ゼミ配属に向けて研究室を公開 機械システム工学科の特徴的なゼミ活動を紹介します。

2016年10月25日

自分に合ったゼミはどこ
9月27日、工学部機械システム工学科で、3年生を対象にしたゼミ配属のための説明会「第1回ゼミガイダンス」が行われました。
ゼミ(ゼミナール)とは、特定の先生の下で学生が自主的に研究を行い、専門性を高めながら総合力を身につけていく少人数授業。配属されたゼミの研究分野をベースに、卒業研究をまとめていきます。「第1回ゼミガイダンス」では、どのような進路を選択するかを見据え、配属を希望するゼミについて考えることの重要性や、配属までの流れについて説明され、ガイダンス終了後は、各ゼミの研究室が公開されました。3年生は、研究室を訪問し、どのような研究に取り組めるかを知ることで、自分に合ったゼミを選択していきます。

「必ず自分の目で見て、よく考えて希望するゼミを選択してください。研究開発職を目指している人は、大学院への進学も積極的に考えて配属を希望するゼミを検討してください」と機械システム工学科の日野先生。

「研究開発職を目指している人は、大学院への進学も積極的に考えて配属を希望するゼミを検討してください」と機械システム工学科の日野先生。

機械システム工学科では、3年次の後期からゼミに所属し、研究に取り組んでいきます。所属したいゼミの希望を出すタイミングは、学生が大学院への進学を本格的に検討し始める機会にもなっています。

機械システム工学科では、3年次の後期からゼミに所属し、研究に取り組んでいきます。所属したいゼミの希望を出すタイミングは、学生が大学院への進学を本格的に検討し始める機会になっています。

4年生が研究を紹介
先生の研究分野ごとに、14のゼミがある機械システム工学科。学生たちはどのような研究を行っているのでしょうか。3つのゼミを訪ねてみました。

日野ゼミ
研究分野:材料力学、表面工学、レーザー応用技術
マグネシウム合金やアルミニウム合金といった軽くて強い材料の開発、異種材料の接合、表面処理技術の開発など、先端材料に関する研究を行っている日野ゼミ。4年生は、①マグネシウム合金にカーボンを添加し、その影響を調べる研究、②軽量化のためにアルミニウム合金と樹脂を接合させる研究、③環境に配慮した耐食性の高いめっき処理技術の研究の3つのテーマに分かれて取り組んでいます。マグネシウム合金の研究に取り組んでいる三村君、山中君、山田君は、「いま疲労強度を計測しているマグネシウム合金は、その軽さと強さから、新幹線にも使われている先端材料。新しい素材が世の中に役立つことを実感できます」と研究の魅力を話してくれました。

「負荷をかけて回転させ、マグネシウム合金の疲労強度を調べています。素材の配合による強度の違いがおもしろいですね」と、三村正樹君(右・広島県立高陽高校出身)、山中勇人君(中・香川県立多度津高校出身)、山田眞太郎君(左・広島県立高陽高校出身)

「負荷をかけて回転させ、マグネシウム合金の疲労強度を調べています。素材の配合による強度の違いがおもしろいですね」と、三村正樹君(右・広島県立高陽高校出身)、山中勇人君(中・香川県立多度津高校出身)、山田眞太郎君(左・広島県立高陽高校出身)

材料を引っ張って強度を調べる実験など、コアとなる実験はみんなで行います。「みんなが協力的で、アットホームな楽しいゼミです」と学生たち。

材料を引っ張って強度を調べる実験など、コアとなる実験はみんなで行います。

長谷川ゼミ
研究分野:光応用計測、回折光学、ホログラフィ
光を用いた物体形状の測定技術に関する研究を行っている長谷川ゼミ。その代表的な研究テーマが、微粒子の立体的な分布をデジタルカメラによる撮影で計測するデジタルホログラフィ。レーザビームを使い、微粒子の動的な3次元の位置と形状を1回の撮影でとらえる技術です。例えば、自動車エンジンの中のガソリン噴霧の状態をデジタルホログラフィで計測し、微粒子がどのように分布しているのかを明らかにして、より燃焼効率のいいエンジンの開発に役立てることなどが期待されます。
4年生の山沢君は、これから行うデジタルホログラフィの計測に向けて、欲しい部品を自ら作って実験装置を改良しました。「実験装置は学生の手作り。微粒子を滴下させるための水槽や、微粒子の滴下装置はCADを用いて設計し、手動だった微粒子の滴下も自動的にプログラム制御で行えるように改良しています。また、レンズ、ミラーなどの光学部品を実験する光学系に設置するために『治具(じぐ)』と呼ばれる部品なども設計し、すべて学内の工作センターで加工しました。工夫しながら正確な計測を追求していくのは楽しいですよ」と、研究を楽しんでいるようです。

「何度も同じような実験を繰り返す根気の要る研究ですが、少しずつ正しい値になっていくことに喜びを感じます」と、石川大樹君(右・愛媛県立川之江高校出身)、伊藤彰啓君(中・愛媛県立小松高校出身)、山沢亮太君(左・広島県 崇徳高校出身)。伊藤君と石川君は、デジタルホログラフィの基礎研究となる光の位相(※)の計測に取り組んでいます。※位相...周期的な運動をする波のピークのタイミングを表すもの。

「何度も同じような実験を繰り返す根気の要る研究ですが、少しずつ正しい値になっていくことに喜びを感じます」と、石川大樹君(右・愛媛県立川之江高校出身)、伊藤彰啓君(中・愛媛県立小松高校出身)、山沢亮太君(左・広島県 崇徳高校出身)。伊藤君と石川君は、デジタルホログラフィの基礎研究となる光の位相(※)の計測に取り組んでいます。
※位相...周期的な運動をする波のピークのタイミングを表すもの。

「光の実験では、あらかじめしておいた自分の計算が正しいことを実験によって確かめることができます。それが成功体験となり、実験を楽しみながら続けられる力になります」と長谷川先生。

「光の実験では、あらかじめしておいた自分の計算が正しいことを実験によって確かめることができます。それが成功体験となり、実験を楽しみながら続けられる力になります」と長谷川先生。

池田ゼミ
研究分野:熱・流体工学、熱エネルギーシステム工学、粒子・粉体工学
熱エネルギーを有効利用する技術の研究や、コーティングによる機能性微粒子創製の研究を行っている池田ゼミ。門田君は、エアコンや自動車のラジエーターといった熱交換器の高効率化を目指して、配管内の液体をスムーズに流すための研究を行っています。流れをよくするために用いるのは界面活性剤添加溶液で濃度や温度を変えながら、それによって配管内の液体の流動抵抗低減効果がどのように変化するのかを調べ、熱交換器の高効率化に役立てようという研究です。
また、弘中君と田村君は、気体と液体の性質を併せ持つ超臨界流体を利用して、微粒子を一つひとつコーティングする技術を研究しています。コーティングによる機能性を付加した新薬の創製などに役立つ技術です。
「みんなで協力して実験を行うことで、知識も、ゼミ生の仲も、どんどん深くなっていくのを実感しています。研究室も広くて快適ですよ」と門田君。その場にいた全員が大きくうなずきました。

「実験装置に不具合が発生した時は、問題点を自分たちで考えて、改良していきます。装置の設計や製作も面白いですよ」と、門田怜治君(右・広島県立安古市高校出身)と実験を手伝う石川雅大君(左・愛媛県立川之江高校出身)

「実験装置に不具合が発生した時は、問題点を自分たちで考えて、改良していきます。装置の設計や製作も面白いですよ」と、門田怜治君(右・広島県立安古市高校出身)と実験を手伝う石川雅大君(左・愛媛県立川之江高校出身)

「目に見えないサイズの微粒子をコーティングして、その形状を電子顕微鏡で確認するときに、この研究のおもしろさを実感します」と、弘中雅俊君(手前・山口県立柳井高校出身)、田村巧基君(奥・広島城北高校出身)

「目に見えないサイズの微粒子をコーティングして、その形状を電子顕微鏡で確認するときに、この研究のおもしろさを実感します」と、弘中雅俊君(手前・山口県立柳井高校出身)、田村巧基君(奥・広島城北高校出身)

ゼミでの経験が将来の力になる
仲間との絆を深めながら、いきいきと研究に取り組んでいる4年生たち。話を聞いて、ゼミでは専門知識を深めるだけでなく、課題を発見・解決する力、仲間と知識を共有しながら研究を進めるチームワーク、研究発表でのプレゼンテーション力など、さまざまな経験を通じて力を磨いていることがよく分かりました。
3年生の皆さんも、配属されたゼミで、しっかりと総合力を磨いてください。

機械システム工学科