学会発表で総合的にスキルアップ 3名の受賞学生を紹介します。

2016年11月04日

学会発表は学生が大きく成長する場
自らを大きく成長させる機会、それが学会発表です。日々取り組んでいる研究の内容を人前で発表できるレベルにまでブラッシュアップし、インプットした研究成果を、多数の研究者が集う場でアウトプットすることで、表現力やコミュニケーション力を身に付けることが可能です。アカデミックな雰囲気の中に身を置き、そこで身に付けた力は、将来、社会に羽ばたいたときに、必ず役に立つはずです。
今年も多くの学生・大学院生が学会で発表を行いました。その中で、発表が表彰された学生をご紹介します。

1 宮本康太郎君(工学部電子情報工学科3年 香川県立高松工芸高校出身)
研究テーマ:IoT時代の情報システムへのFail-Safe論理の適用
学会名:日本知能情報ファジィ学会 第32回ファジィ・システム・シンポジウム
学会で、情報システムの安全性を証明するために、Fail-Safe論理(※)を適用することを提案した宮本君は、2年生の時から研究活動に関わってきました。電子情報工学科では、通常3年生からゼミに配属されますが、宮本君はそれ以前からゼミのミーティングに参加し、研究室内に机も持つほど、「研究」に親しんできました。
この夏、初めて参加した学会のポスターセッションに挑戦。周囲は国立大学の大学院生ばかりで、最初は緊張しましたが「自分の研究も決して見劣りはしない」と自信を持ち臨み、見事優秀賞を受賞することができました。
「学会の場でいただいた数多くの質問は、全て成長の糧になったと感じています」一部の質問に答えることができず悔しい思いもしましたが、そこを乗り越えて優秀賞を受賞したことが自信となり、今後の研究に向けたモチベーションとなりました。
※Fail-Safe...安全性を保障する技術のひとつ。人間が作った機械である以上、誤操作や誤作動を起こす可能性があるが、その際に常に安全側に導くためのシステムの仕組みのこと。

ハードウェアで用いられている「Fail-Safe論理」をコンピュータの世界にも応用しようというのが宮本君の研究です。

ハードウェアで用いられている「Fail-Safe論理」をコンピュータの世界にも応用しようというのが宮本君の研究です。

学会では、宮本君の研究内容に興味を持った参加者たちから矢継ぎ早に質問され、指導教員である荒木先生と共に、対応に追われました。

学会では、宮本君の研究内容に興味を持った参加者から矢継ぎ早に質問されました。中には、長時間に渡ってその場で研究について議論をされた方も。「研究内容について鋭い指摘を受けながらも、その中でたくさんのことを教えられ、とても勉強になりました」と宮本君。

表彰式の様子。今後は、海外の学会での発表を視野に入れ、さらなる研究を進めていきます。

表彰式の様子。今後は、海外の学会での発表を視野に入れ、さらなる研究を進めていきます。

2 長岡あゆみさん(工学部都市デザイン工学科4年 広島県立広島国泰寺高校出身)
研究テーマ:橋脚・港湾構造物利用式潮流発電技術の研究
学会名:第67回中国地方技術研究会
都市デザイン工学科(※)石垣ゼミの長岡さんは、橋脚などを利用した潮流発電に関する研究を行い、ポスターセッションに参加しました。長岡さん以外の発表者はすべて社会人という状況の中で優秀賞を受賞しました。「詰まらずに説明でき、質問にもほとんど答えられたので手ごたえを感じていましたが、受賞の知らせを聞いたときは本当にうれしかったですね」
長岡さんが研究している「潮流発電」は、再生可能エネルギーの中でも安定したエネルギーが供給できる点で大きな期待を集めています。また、研究のための施設の設置に際し、既存の橋脚を利用することにより大きなコスト削減も期待できます。長岡さんは、入手したデータをもとに、取得可能なエネルギー量の算出などをシミュレーションしました。「研究は、企業や自治体、地元の漁業協同組合などと連携しながら進めています。研究規模の大きさに興味を持ったことも、この研究と関わるようになったきっかけのひとつです」
長岡さんは、環境コンサルタントの道へ進むことが決まっています。「将来は日本だけでなく世界で通用する技術者になりたいですね」
※2016年4月、「都市デザイン工学科」は「環境土木工学科」に改編しました。

瀬戸内海は潮流の激しいところが多いため、長岡さんの研究をもとに、そのエネルギーの有効活用が期待されます。

瀬戸内海は潮流の激しいところが多いため、長岡さんの研究をもとに、そのエネルギーの有効活用が期待されます。

学会では、『ポスターセッション』という、大型のポスターに研究内容をまとめ、掲示する形態で発表を行いました。発表者が、参加者からの質問に対し適宜回答をすることで、両者の間で研究内容について議論を深めることができます。

学会では、「ポスターセッション」という、大型のポスターに研究内容をまとめ、掲示する形態で発表を行いました。発表者が、参加者からの質問に対し適宜回答をすることで、両者の間で研究内容について理解を深めることができます。

賞状を手に。「発表では、どうしたら相手に伝わるのかを意識しました。そこが評価されたのだと思います」と長岡さん。石垣ゼミでは、普段から、プレゼンをより効果的なものにするため、パワーポイントの構成や話し方などについて、先生から指導を受ける機会が多く、自ずと力が付いたとのことです。

賞状を手に。「発表では、どうしたら相手に伝わるのかを意識しました。そこが評価されたのだと思います」と長岡さん。石垣ゼミでは、普段から、プレゼンをより効果的なものにするため、パワーポイントの構成や話し方などについて、先生から指導を受ける機会が多く、自ずと力が付いたとのことです。

3 松尾浩司君(工学部電子情報工学科4年 長崎県 佐世保工業高等専門学校出身)
研究テーマ:刃物の威力評価手法の検討
学会名:平成28年電気学会 電子・情報・システム部門大会
神戸で行われた学会のポスターセッションに参加した松尾君は、発表内容が認められ優秀ポスター賞を受賞しました。
松尾君の研究は、刃物を突き刺した時の深さや断面積、対象物の変形具合を計測し、その威力を評価するもので、科学警察研究所と共同で実施しています。「洋包丁や三徳包丁など刃物の種類や姿勢を変え、ポリエチレン樹脂でできた被験物に刃物を刺す実験を行いました。撮影した画像を処理するプログラムも作成したのですが、そこも大変でした」研究や発表を通じて、論理的思考の重要性を学んだという松尾君。社会に出てからも、この経験は大きく活きてくるはずです。

「繰り返し行う実験は大変な部分もありましたが、受賞を聞いて大きな達成感を感じました」と松尾君。手元の、実験で使用したウレタン製の被験物の刺し跡からは、データ収集のために何度も繰り返し実験が行われたことがうかがえます。

「繰り返し行う実験は大変な部分もありましたが、受賞を聞いて大きな達成感を感じました」と松尾君。手元の、実験で使用したウレタン製の被験物の刺し跡からは、データ収集のために何度も実験を繰り返したことがうかがえます。

いただいた賞状を手に。「学会で他の学生の発表の仕方を見ることも、とても参考になりました。11月にも他の学会での発表を予定しているので、回を重ねる毎にプレゼンを上達させられるといいですね」

いただいた賞状を手に。「学会で他の学生の発表の仕方を見ることは、とても参考になりました。11月にも他の学会での発表を予定しているので、回を重ねる毎にプレゼンを上達させられるといいですね」

学会発表でさらなる飛躍を
表現力や説明力、コミュニケーション力を磨き、自らの研究成果を世の中に問う学会発表。緊張は伴うものの、発表という経験は、今後の人生における大きな財産となることは間違いありません。3人とも、研究内容や受賞当時の様子をわかりやすく説明する姿から、大きな成長と自信が感じられました。今後のさらなる活躍が期待されます。

電子情報工学科 荒木ゼミ・研究室

環境土木工学科 石垣ゼミ・研究室

電子情報工学科 前田ゼミ・研究室