本学学生がコミュニティ施設の利用案や地域活性化案を提案

2017年02月28日

コミュニティ施設の利用法について学生が発表
広島工業大学から車で20分ほどの場所にある、コミュニティ施設「石内ペノン」。環境学部環境デザイン学科(※)平田ゼミの学生・大学院生は、その利用方法や地域の活性化についての提案を行うため、準備・調査を重ねてきました。(現地調査の様子 第一弾 第二弾
平田ゼミではインテリア計画や商業店舗を核とした地域活性化の研究に取り組む傍らで、地元商店街のまちづくり支援など、幅広い活動を行っています。石内ペノンを建設した住宅メーカーである株式会社イワキから、「学生ならではの視点で、ハード面、ソフト面の両方について提案してほしい」と依頼を受け、店舗や周辺地域の調査、来場者へのアンケートなどを実施。1月20日、その結果を踏まえて多彩な提案を発表しました。
※ 2016年4月、「環境デザイン学科」は「建築デザイン学科」に改組しました。

自然豊かなエリアの中で、黒い外観が印象的な石内ペノン。5つの棟には、飲食店、雑貨店等の商業施設や地域の人々が集えるサロンなどのコミュニティ施設があります。

自然豊かなエリアの中で、黒い外観が印象的な石内ペノン。5つの棟には、飲食店、雑貨店等の商業施設や地域の人々が集えるサロンなどのコミュニティ施設があります。

「この場所を、地域の方々により集まっていただける場所にするために、学生の皆さんの意見やアイデアをいただきたいと思っています」と発表会の冒頭で挨拶される株式会社イワキの河内社長。

「この場所を、地域の方々により集まっていただける場所にするために、学生の皆さんの意見やアイデアをいただきたいと思っています」と発表会の冒頭で挨拶される株式会社イワキの河内社長。

発表会には、地域町内会の方々や佐伯区役所の地域起こし推進課など多数の関係者にお越しいただき、地域住民や行政の視点から、提案の実現性などについて幅広いご意見を伺うことができました。

発表会には、地域町内会の方々や佐伯区役所の地域起こし推進課など多数の関係者にお越しいただき、地域住民や行政の視点から、提案の実現性などについて幅広いご意見を伺うことができました。

発表に先立ち、2016年10月に来場者に対して行ったアンケート結果を公表。平日、休日それぞれ100名ずつにアンケートを行い、利用者の年齢や利用目的、利用回数などを明らかにしました。

発表に先立ち、2016年10月に来場者に対して行ったアンケート結果を公表。平日、休日それぞれ100名ずつにアンケートを行い、利用者の年齢や利用目的、利用回数などを明らかにしました。

学生が利用者に対して行ったアンケートでは、地元である佐伯区民の利用が約4割と思ったほど多くはなかったこと、約半数の人の滞在時間が30分以内であること、平日は夕方からの利用が多いことなど、利用状況の実態が明らかとなりました。購入したパンやお菓子などを気軽に食べられる場所が欲しい、季節ごとのイベントを開催してほしいなどの要望も多数挙がりました。

イベントの拠点として活用
平田ゼミの3年生3グループによる提案の中で、Aグループ(※)は、ウォーキング、サイクリング、ランニングなど、年4回のイベント開催を軸とした石内ペノンの利用法に関するプランを提案しました。桜や新緑など周辺の四季を感じられるようなコースを設定することで、発着点となる石内ペノンに1年を通じたにぎわいを創出します。他にも、子どもたちが自由に絵を描けるようなシートの設置や、全商業店舗共通のポイントカードを作ることなど、幅広い提案を行いました。
※ 永井昌太君(愛媛県立今治南高校出身)、宮果歩さん(広島県立高陽高校出身)、伊藤謙君(島根県立浜田高校出身)、橋本皓介君(岡山県 関西高校出身)

提案を行った宮果歩さんは「アンケート結果をもとに、どうしたら石内ペノンがさらににぎわい地域活性化につながるのか、特に居心地のいい空間を作ることを意識しながら、グループのメンバーとともに継続的に人を集められる仕組みづくりについて試行錯誤を繰り返しました。最終的には、幅広い年齢層に着目してもらえる健康促進のためのイベントの開催という案をまとめることができました」と経緯を語ってくれました。

石内ペノン周辺には、川や田畑など、どこか懐かしい風景が残っています。事前に周辺環境を調査し、地形や建物を通じて地域の特徴を把握できたことで、環境をうまく生かした提案をすることができました。

石内ペノン周辺には、川や田畑など、どこか懐かしい風景が残っています。事前に周辺環境を調査し、地形や建物を通じて地域の特徴を把握できたことで、環境をうまく生かした提案をすることができました。

「今後は、アンケートだけでなく、地域の方の生の声を活かした提案も行っていきたいです」(左から)永井君、宮さん、伊藤君、橋本君。

「今後は、アンケートだけでなく、地域の方の生の声を活かした提案も行っていきたいです」(左から)永井君、宮さん、伊藤君、橋本君。

建築の知識を生かした改善案を発表
大学院生で構成されたグループ(※)は、アンケート結果を詳細に分析することで石内ペノンの現状の課題を明らかにし、その改善案を提案しました。家族連れでも気軽に利用できるようにするためのデッキスペースの拡張や、建物の表裏をなくし背景にある自然を見せることで開放感を演出するなど、建築を学んだからこそできるアプローチを提案しました。
※ 大学院工学系研究科 環境学専攻の三好亮君、神垣潤君、藤田謙二君、小池悠輔君。

神垣潤君は「建築や住環境を学ぶということは、多角的に物事を見ることにつながります。建築設計には、十人十色の切り口があって、その人なりの趣味や個性を生かして空間を構成することが可能です。そこが建築の面白さだと思っています」と語りました。「今回の石内ペノンに関する提案も、一つの可能性を示しましたが、実際に周辺にお住まいの方の生の意見を聞くことができて、さらに違った提案ができると感じました。メンバーそれぞれも感じたことがあると思うので、ここからブラッシュアップしていきたいですね」

石内ぺノンの平面図にデッキの拡張範囲を反映させ、視覚的にも拡張による利便性と安全性の向上をアピールしました。

石内ぺノンの平面図にデッキの拡張範囲を反映させ、視覚的にも拡張による利便性と安全性の向上をアピールしました。

「地域との一体感の重要性は感じますが、ではなぜそれが重要なのかということを考えるための俯瞰的な視点が、今後、より必要になると思います」(左から)三好君、神垣君、藤田君、小池君。

「地域との一体感の重要性は感じますが、ではなぜそれが重要なのかということを考えるための俯瞰的な視点が、今後、より必要になると思います」(左から)三好君、神垣君、藤田君、小池君。

石内地区連合町内会会長の山崎正志様。「学生が行ったアンケートを元にした重層的な分析、そして柔軟な発想による多彩なアイデアは、地域の核としての石内ペノンの利用法に対する大きな参考となるはずです。今後に期待しています」

石内地区連合町内会会長の山崎正志様。「学生が行ったアンケートを元にした重層的な分析、そして柔軟な発想による多彩なアイデアは、地域の核としての石内ペノンの利用法に対する大きな参考となるはずです。今後に期待しています」

佐伯区役所 市民部 地域起こし推進課の桜川一郎様。「地域、大学、企業それぞれがwin-winの関係になるように、これから住民や利用者の声を活かした形で案を深めていってほしいですね」

佐伯区役所 市民部 地域起こし推進課の桜川一郎様。「地域、大学、企業それぞれがwin-winの関係になるように、これから住民や利用者の声を活かした形で案を深めていってほしいですね」

アイデアを形にするために
今回の発表が、1年間の調査の区切りになりましたが、行政や地域の方の声を直接伺ったことで、新たな提案に関するヒントを多数いただくことができました。今後は、関係者で協議のうえ、採用するプランを決め、来年度中の実現に向けて準備を進めていく予定です。

建築デザイン学科

平田ゼミ・研究室