機械システム工学科で、研究室が見学できるオープンラボ開催。

2017年11月27日

■ゼミ活動への第一歩。研究室や実験室をのぞいてみよう!
ゼミとは、通常の講義とは違い、少人数クラスの中で、自ら課題を見つけて実験や分析を入念に行い、卒業研究をまとめていく大学ならではの学びの場。機械システム工学科では3年次の後期からゼミ活動がスタートします。今回のオープンラボでは学生たちが、自分の興味ある研究室や実験室を見学しました。機械システム工学科の14のゼミの中から3つの研究室を3回にわたりご紹介します。

■澤井ゼミ
「暖める」と「冷やす」の両方ができる「ヒートポンプ」のすごさ。
寒い冬に使う暖房器具、たとえば灯油やガスのファンヒーターは、燃焼の熱で空気を暖めています。ガスコンロで調理ができるのもガスが燃焼した熱ですね。では、暖房も冷房もできるエアコンは、どういうしくみなのでしょうか? 「暖める」「冷やす」の両方を1台でできるのが、気化熱と凝縮熱を利用する「ヒートポンプ」という機械。澤井先生は、家電メーカーの研究所在籍中から長年にわたりこの研究開発を続けている、「ヒートポンプのエキスパート」です。

ヒートポンプの中は、「冷媒」と呼ばれるフロンガスや二酸化炭素が循環しています。冷媒は圧縮して液化させると熱(凝縮熱)を放出し、逆に減圧して気化させると周りから熱(気化熱)を奪うという性質があります。加圧・減圧によって冷媒の温度を調整し、周囲の空気と熱のやりとりをすることで冷暖房を行っているのです。冷蔵庫や冷凍庫もヒートポンプの働き。また、スイッチを切り替えて、冷媒の流れ方向を替えることにより、暖める・冷やすの両方ができるのは、ヒートポンプの大きな特長です。

もうひとつ大きな特長があります。冒頭の例に出したファンヒーターは燃焼の熱で直接空気を暖めますが、ヒートポンプはもともと空気が持っている熱エネルギーを利用します。圧縮するために電気エネルギーを使うだけなのでエネルギー消費が少なく、省エネ性能にとても優れているのです。

澤井ゼミでは、ヒートポンプの心臓部ともいえる圧縮機の性能を高める研究や、新しい構造の圧縮機の基礎研究などを進めています。「エアコンは、国内の家庭に何台あるでしょう? およそ1億台が稼働しています。もし1台あたり1Wの省エネができたとすると、1000台稼働すれば1kW、1千万台稼働すれば1万kWの省エネになるんです。これって小さな発電所1つくらいの電気量なんですよ」と澤井先生。ゼミでの実験データは、空調メーカーと連携して活用され、製品開発・改良に役立っています。

エンジンの設計から組み立てまでを、全て自分の手でやる。
もう一つ、澤井ゼミの学生が取り組むテーマがあります。スターリングエンジンの製作です。エンジンは、ヒートポンプの圧縮機と同じしくみを利用した逆の働きなのです。冷媒に圧力をかけて熱を発生させるのがヒートポンプ、一方、燃料の燃焼で生まれた圧力を動力に変換するのがエンジンです。澤井ゼミでは、学生自身がスターリングエンジンの設計をし、部品を組み立て、製作までを行います。4年生の藤後君(広島県立祇園北高校出身)は、「設計から製作までのモノづくりができるのが澤井ゼミの魅力です。部品一つひとつの設計から取り組むのは思った以上に根気のいる作業でしたが、微調整を繰り返し、スターリングエンジンができあがったときは感動しました」つくったエンジンは、改良を続けている最中です。

部品も、設計図をもとに学内の工作センターで独自に製作。

部品も、設計図をもとに学内の工作センターで独自に製作。

自分たちでつくったスターリングエンジンのテストを実施。細かな改良を重ね、クオリティを上げる。

自分たちでつくったスターリングエンジンのテストを実施。細かな改良を重ね、クオリティを上げる。