現場の経験から、自分の将来像を描く 産学連携実習最終報告会で10名が発表

2017年12月12日

学生が夏休み期間中に企業で就業体験を行うプログラム「産学連携実習」。通常のインターンシップと違い実習期間がおよそ1か月と長く、仕事内容の理解を深め、自分の適性を発見できるなど、学生が自らの将来を考えるうえで貴重な体験となります。今年度は建築工学科の3年生10名が15社の企業様のご協力のもと、実習を行いました。10月19日に開催した最終報告会では、学生たちが自身の体験を発表しました。

期待を込め、学長も耳を傾ける
開会にあたり鶴衛学長があいさつ。「どんな経験をして何を学んできたか、じっくりと聞きたい」と、発表への期待を述べました。

「青い空に手を伸ばし、歩み続ける『青雲の志』を忘れないでください」と鶴学長

「青い空に手を伸ばし、歩み続ける『青雲の志』を忘れないでください」と鶴学長

プロ意識に触れ、建築への思いさらに強く
福田研究室の中田陽和(ひより)さんの実習先は、株式会社綜企画設計広島支店。保育所の模型製作や、間仕切りメーカーの講習会参加、大学の学生寮建設のコンクリート打設現場見学などを行いました。発注者への企画提案用の模型製作では、高低差の激しい敷地を発泡スチロールで表現することに苦戦。製作中に感じた疑問点は遠慮なく社員の方に質問し、敷地の高低差を模型で再現することに努め、こまめに相談することの重要性を実習の中で学びました。また、「良いものを作ろう」という社員の方の建築への熱い思いにも触れ、自分も建築の世界で働きたいとの気持ちを再認識したそうです。

現場の経験から、施工管理の面白さに気付く
栗崎研究室の八若恵太さんは、住友林業株式会社、パナホーム株式会社、山陽工業株式会社、高松建設株式会社の4社で実習。最も関心を持ったのはパナホーム(株)本社で経験したフリーハンドプランニング。手描きで案を考えることで多くの案が生まれ、お客様とのイメージの共有がしやすいことから、その重要性を再認識しました。山陽工業(株)ではマンション建設現場での配筋検査とコンクリート打設を体験。やり直しがきかない緊張した作業であることを実感しました。これまでは設計分野への関心が強かった八若さんですが、この実習に参加したことで施工管理への興味が増してきたそうです。職業選択の幅が広がる、貴重な体験でした。

「コミュニケーション力の向上にもつながりました」と中田さん

「コミュニケーション力の向上にもつながりました」と中田さん

「住宅設計におけるプランニングからプレゼンテーションまでの流れも学びました」と八若さん

「住宅設計におけるプランニングからプレゼンテーションまでの流れも学びました」と八若さん

施工管理の基本、安全チェックを実体験
岸田研究室の原田泰樹さんは株式会社大林組広島支店、東亜建設工業株式会社中国支店の2社で実習。(株)大林組では各種仕上げ工事や監査など施工管理者の仕事を、東亜建設工業(株)では型枠建込から配筋、コンクリート打設、各種仕上げ工事など、ワンフロア完成までの流れを体験しました。朝礼や就業状況の確認、報告の中で、「限られた時間の中でも安全な通路確保や危険個所の確認などを行い、安全な現場づくりに努めている」と感じました。仮設点検パトロールでは、高所作業車に設置してある「挟まれ防止単管」が、下げられたままで機能していないという改善点が見つかりました。実際の業務を経験することで、漠然とイメージしていた施工管理者の業務内容が明確になると同時に、やりがいや苦労も知りました。

現場で使える知識を求め、さらなる学びを決意
清水研究室の山下拳さんの実習先企業は株式会社熊谷組中四国支店、大成建設株式会社、株式会社砂原組の3社。配筋検査や文化財補修などを経験しました。配筋検査では施工図の情報量が多く、読み取りに苦労。当初は梁(はり)の表記が理解できませんでしたが、構造体の仕様と詳細を示すリストを確認することで読み取れるようになりました。(株)砂原組では、龍山神社のこけら葺き技術を用いた屋根の補修現場の見学を行いました。文化財補修という貴重な現場に立ち会い、過去の技法は、施工性よりも意匠を重視したものであると感じたそうです。実習の中で知識不足を感じた山下さん。大学での学びが現場で役立つことも知り、講義の重要性にも気付きました。

「実際に現場に立つと、用語や知識が不足していることに気付きました」と原田さん

「実際に現場に立つと、用語や知識が不足していることに気付きました」と原田さん

「現場に出て仕事をするだけでなく、デスクワークもあり、施工管理者の仕事の幅広さを知りました」と山下さん

「現場に出て仕事をするだけでなく、デスクワークもあり、施工管理者の仕事の幅広さを知りました」と山下さん

大学と企業が一体となった人材育成 これからも
閉会にあたり、宋相載工学部長は「学生は学外に出ることが挑戦。経験からの学びは今後に大きく響きます。学生生活を力強く過ごしてください」と学生たちを激励。学生を受け入れていただいた企業各社さまには「地域が必要とする人材を企業の皆さまと連携して育て、広い意味での人材育成を目指しています。今後もご支援ご協力を賜りますよう、お願いいたします。学生たちにとって貴重な就業体験の機会を与えていただきありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくりました。

「自分を見つめ直し、振り返り、自分と対話を」と学生へメッセージを送る宋工学部長

「自分を見つめ直し、振り返り、自分と対話を」と学生へメッセージを送る宋工学部長

和やかに談笑 懇親会で実習を振り返る
報告会の後、学内レストランのリーフガーデンに会場を移して懇親会が行われました。河内浩志副学長が「実習経験を生かして、企業の期待に応えられる人材に育ってほしい」と報告会を振り返り、乾杯。学生たちは企業の方々とともに実習を振り返りながら、和やかな歓談の時間を過ごしました。

「学生時代に企業で実習できるというのはとても貴重な経験。この経験を次のステップにつなげてほしい」と河内副学長

「学生時代に企業で実習できるというのはとても貴重な経験。この経験を次のステップにつなげてほしい」と河内副学長

企業の方々に感想を伺いました。

実習生の漆原さん(左)と談笑する(株)フジタの富澤様「積極的に学ぼうという意欲を感じました」

実習生の漆原さん(左)と談笑する(株)フジタの富澤様「積極的に学ぼうという意欲を感じました」

三野さん(左)、濵崎さん(右)と実習を振り返る(株)大林組の杉田様(中)「知識と現場とのギャップを実感することで、得るものがあったと思います」

三野さん(左)、濵崎さん(右)と実習を振り返る(株)大林組の杉田様(中)「知識と現場とのギャップを実感することで、得るものがあったと思います」

「実習生は志が高く、意欲も感じます」と語る(株)共立の安田様

「実習生は志が高く、意欲も感じます」と語る(株)共立の安田様

今年度も多くの企業様のご理解とご支援により、産学連携実習を終えることができました。学生にとっては、講義では得られない経験と、その経験に基づいた深い学びを得ると同時に、業界を研究する上でも貴重な機会となっています。引き続きのご理解、ご支援をお願いいたしますとともに、今年度のご協力に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

インターンシップ・産学連携実習