機械システム工学科で、研究室が見学できるオープンラボ開催(3)

2017年12月08日

■ゼミ活動への第一歩。研究室や実験室をのぞいてみよう!
最終回は、吉田ゼミを紹介します。

燃やして新しい価値を生む「燃焼」を考える。
自動車での活用を前提に、燃焼や熱流体の動きについて研究をしているのが吉田ゼミ。「燃焼」は分かるけど「熱流体」って...と思われていませんか?自動車のエンジンは、燃料が燃焼し、熱により膨張したガス(作動流体)を、運動エネルギーに変換する機械です。吉田先生いわく「燃焼で生まれるのは、熱と流れです。燃焼でつくる熱エネルギーを流体で伝えるのがエンジンですね」

「燃焼」とは、光や熱を発する化学反応ですが、吉田先生は、燃焼を加熱に使うだけでなく、化学反応を制御するしくみについても考えを進めています。つまり、燃焼から、熱そのものを利用するだけでなく、制御することで別の価値をつくりだすのです。自動車でも現在主流のエンジンは、排気ガスを触媒やフィルターを使ってクリーンにしていますが、吉田ゼミでは、排気ガスが発生する前の段階(=燃焼時)に、有害物質を生まないような燃焼方式についても研究しています。
卒業研究に次世代エンジンの新燃焼方式をテーマに解析している仲君(広島なぎさ高校出身)はエンジンの奥深さに魅せられた一人。「ガソリンと空気の混合気をピストンで圧縮した後で、火花点火により着火し燃焼させるのが従来エンジンの燃焼ですが、混合気の状態によって、圧縮だけで自己着火することがあります。新燃焼方式では、この現象をうまく制御し利用します。エンジン内燃焼は化学反応を伴う熱流動現象で非常に複雑。知れば知るほど、知らないことが増える(笑)。もっと深めたくなりました」と、大学院への進学を決めています。

液体と気体が一緒に流れると、何が起きるのだろう?
ドリンクをストローで飲むと、どんなに勢いよく吸っても最後にストローの内側に液体が残りますね。ストローの太さや、ドリンクの種類によっては、液体がストローの途中に栓をするように残ります。このときストローの中は気体と液体が流れていて、この状態を「気液二相流」と呼び、吉田先生の流体研究のテーマです。

気液二相流の実験は、燃料電池への活用を想定し、極細の配管で行われる。

気液二相流の実験は、燃料電池への活用を想定し、極細の配管で行われる。

細い管に水と空気を同時に流して気液二相流を実現し、流量を測定したり、流れる映像を記録し解析する。

細い管に水と空気を同時に流して気液二相流を実現し、流量を測定したり、流れる映像を記録し解析する。

応用には、自動車に使う燃料電池の開発があります。実用化が進む燃焼電池は、水素と酸素の化学反応で発電するときに、水が生成されますが、その過程は気液二相流の状態。発電するたびに流れてくる水が、配管の中で滞ると効率的な発電ができません。気液二相流を制することで、より高性能な燃料電池ができるのです。

気液二相流は、気体と液体が触れあうさまざまな場所で起きている身近な状態。例えば、沸騰したお湯は、お湯と水蒸気が接触しながら流れ、接触面(界面)ではいろいろな現象が起きています。「気液二相流の研究は、水蒸気を利用する発電所や、液化と気化を繰り返すエアコンなどの機器の高度化や安全化に欠かせません。現在のゼミでの研究を通じて、自動車や環境エネルギー機器を陰で支える縁の下の力持ちになりたいですね」と吉田先生は言われます。

ゼミでの学びが、社会で活きる。
3回にわたり紹介してきました。ゼミは、特定の分野をより深く研究し専門性を高めていくと同時に、問題解決能力やプレゼンテーション能力など、社会で活躍するために必要な力を身につけ成長していく場所です。自分の興味ある分野で、人間力を磨いてください。