「医療機器のプロ」が挑む難関試験に、生体医工学科の学生3名が合格。

2017年12月21日

医療機器に関する高度な知識が問われるME技術実力検定試験

今や医療の現場で、人工心肺装置や人工呼吸器などの医療機器は、正確な診断・治療に欠かせない存在となっています。こうした医療機器について、安全に操作・管理するための技術や知識をはかるのが「ME技術実力検定試験」です。
試験には第一種と第二種があります。第二種は医療機器に関わるすべての人・学生を対象とするもので、国家資格である臨床工学技士試験の登竜門的な存在です。これに対し、第一種は臨床工学技士の資格取得者か第二種合格者だけが受験できるもので、医療機器に関する技能だけでなく、他の医療従事者に対し、医療機器についての適切な指導・教育ができるかどうかまで問われる、難関の試験です。
生体医工学科では、このME技術実力検定試験の合格をめざします。そして河戸俊樹君、山本亜依さん、伊東尚輝君の3名(いずれも4年生)は第二種に合格後、さらに第一種に挑戦。見事合格を果たしました。

達成感に満ちた笑顔で合格証を手にする伊東君(写真左)、河戸君(写真中央)、山本さん(写真右)の3人。「全員同じゼミで、

達成感に満ちた笑顔で合格証を手にする伊東君(写真左)、河戸君(写真中央)、山本さん(写真右)の3人。「全員同じゼミで、"みんなが頑張っているから、自分も"と思えました。試験会場でもそばにいたからリラックスできた。一緒に受験できて良かったです」

上っ面の知識では解けない、実践的な問題が多い

ME技術実力検定試験第一種の合格率は例年20%台の難関。
「第二種はすべての問題が選択式ですが、第一種は記述式の問題が多くなります。その分、難解な問題が多く、上っ面な知識では解けない、と感じました」(伊東君)
「実務経験がないと答えられないかも、と感じるような問題もいくつかありましたね」(河戸君)
「試験と実習が重なっていたので、現場で必要になる、実践的な問題が多かったと感じます。教科書に載っていないような、最先端の技術やシステムに関する問題もありました」(山本さん)

伊東君は高校時代に臨床工学技士の存在を知り、大分県から広島工業大学へ進学しました。

伊東君は高校時代に臨床工学技士の存在を知り、大分県から広島工業大学へ進学しました。

勉強のかたわら、課外プロジェクトにも積極的に参加しているという伊東君。学生自主企画プログラム「HITチャレンジ」でも、団体のメンバーとして活動を続けています。

勉強のかたわら、課外プロジェクトにも積極的に参加しているという伊東君。学生自主企画プログラム「HITチャレンジ」でも、団体のメンバーとして活動を続けています。

主に臨床系の先生方に、納得がいくまで指導を受けた

「図書館に置いてある過去問題集を使いました。問題を解く、解説を読む、を繰り返し、解説を読んだだけでは理解できないことも多いので、そんなときは伊藤君や河戸君に教えてもらったりしました」(山本さん)
「僕も過去問題集を2~3周繰り返し解いて、覚えるようにしました」(伊東君)
「試験日と臨床実習の期間が重なっていたので、実習で得た知識もずいぶん役に立ちました。また、先生方の丁寧な指導も合格の秘訣だったと思います」(河戸君)

医療従事者として働く家族の姿を見て、自分も医療の分野に進みたいと思った、と話す河戸君。

医療従事者として働く家族の姿を見て、自分も医療の分野に進みたいと思った、と話す河戸君。

勉強と実習に追われる中、河戸君は長期の休みがあると貯めたバイト代を使って旅行に出かけます。行き先は主に国内。最近では大分へ行き、温泉などを楽しんだそう。

勉強と実習に追われる中、河戸君は長期の休みがあると貯めたバイト代を使って旅行に出かけます。行き先は主に国内。最近では大分へ行き、温泉などを楽しんだそう。

実習と試験勉強を両立

試験とほぼ同じ時期に6週間の臨床実習があり、「平日から土曜日の午前中にかけては実習
とレポートで手一杯だったので、土曜日の午後と日曜日の5~6時間を試験勉強にあてていました」(伊東君)
「私は、実習中は時間が取れないだろうと予想していたので、2~3月の春休みを活用して勉強しました」(山本さん)
「僕は2人とは実習の期間が違っていて、実習と実習の間に1カ月くらい空きがあったんです。その時間に集中して勉強しました」(河戸君)

山本さんは勉強の合間を縫って、アルバイトも。時間を上手に使って、充実した学生生活を送っています。

山本さんは勉強の合間を縫って、アルバイトも。時間を上手に使って、充実した学生生活を送っています。

高校時代は数学と物理が得意だったという山本さん。医療の世界にも興味を持っていたので、臨床工学技士という職業を知ったときは、これだ!と思ったそうです。

高校時代は数学と物理が得意だったという山本さん。医療の世界にも興味を持っていたので、臨床工学技士という職業を知ったときは、これだ!と思ったそうです。

先生方からのアドバイスが力になった

「試験の直前まで実習が組まれていたので、受験するかどうかずいぶん悩んだんです。でもゼミの先生が“迷うくらいならチャレンジしたほうがいい”とアドバイスをしてくれて。それで決心がつきました」(山本さん)
「第一種は2科目で構成されていて、その総合得点で合否を判断するのですが、それ以外にも各科目が一定基準を満たしている場合は『科目合格』を認める制度があるんです。僕は昨年も受験し、科目合格をしていて。“実習と重なるので今年はどうしようかな”と迷いましたが、先生に背中を押されて受験を決めました」(伊東君)
「先生のおかげです。臨床系はもちろんですが、試験では工学系に関する問題も出題されます。その点、広工大には電子・電気・機械・情報の専門の先生がいるので心強かった。丁寧にわかりやすく教えてもらい、本当に助かりました」(河戸君)

「勉強していてわからないことがあればお互いに教えあったりできたし、教えることでより理解も深まりました」

「勉強していてわからないことがあればお互いに教えあったりできたし、教えることでより理解も深まりました」

難関突破が大きな自信につながった

「一番の目標である臨床工学技士の国家試験が迫ってきていますが、難関と言われる第一種に合格したことが大きな自信になりました」(伊東君)
「私も同じです。国家試験に向けて、本当にいい経験になりました」(山本さん)
「ME技術実力検定試験と臨床工学技士の国家試験では出題される問題が違いますが、今回勉強した内容が生かせる部分が必ずあると思います。そういう意味でも自信になります」(河戸君)

臨床工学技士の国家試験は来年3月。3人は、今回の経験を自信に変えて、さらに勉強を深めていきたいと頼もしく話してくれました。