建設現場のリアルな声に学ぶ- 土木技術業界説明会を開催

2017年12月01日

環境土木工学科1・2年生180名を対象に、一般社団法人日本建設業連合会(以下「日建連」という。)中国支部の出前講座「土木技術業界説明会」が行われました。参加した学生は建設会社の方々から、土木技術者の仕事やトンネル・ダムの施工事例などの説明を聴講。建設現場の詳細や、現場で求められるスキルなど、業界への学びを深める機会となりました。

変革の風が吹く土木業界の魅力に迫る講義
説明会は、日建連中国支部長 福留様のあいさつからスタート。「建設業界の喫緊の課題は将来を担う人材の育成。働き方改革や生産性の向上などに、国を挙げて取り組んでいます。女性エンジニアも増え、業界に新しい風が吹き始めました」と語り、業界全体の取り組みに触れました。
続いて、ゼネコンの仕事内容を紹介する30分間の映像「シビルエンジニア(土木技術者)の仕事」を視聴。市民生活を支える土木技術者の役割や手がけてきた大型プロジェクト、将来像、建設現場での職務など、業界団体ならではのリアルな情報から、土木の魅力について学びました。

「災害からの復興にも貢献する、国民の安全、安心、快適を守る業界です」と語る福留様

「災害からの復興にも貢献する、国民の安全、安心、快適を守る業界です」と語る福留様

映像を注視する参加学生たち

映像を注視する参加学生たち

業界を知り、現場を知る重要性を具体例で解説
映像の視聴に続いて、トンネル・ダムの施工事例の説明が行われました。登壇した日建連中国支部総務企画委員の紀(きの)様は、中国の故事成語「築土構木」が土木の語源とされる説に触れ、「ピラミッドや万里の長城、ローマ水道などの有名な建築物でさえも、造る過程は土木技術者しか知らないのです」と、土木技術の重要性から説明を開始。発注者、設計、施工それぞれの役割を、事業プロセスに分け、関わり方を説明。「建築よりも圧倒的に土木の資格が多いのですが、資格があって、初めて技術者を名乗れます」と設計、施工それぞれの分野の必要資格を紹介しました。
次に、建設現場の一日の流れから、安全管理、施工管理を中心とした仕事内容を説明。「入ったその日から活躍の場があるのが建設会社です」とやりがいをアピール。トンネルやダムの施工事例紹介では「出来上がったものは誰でも見られますが、施工途中の現場を見る機会はめったにありません」と強調し、11月中旬に2年生を対象に行われる錦川総合開発事業平瀬ダム建設工事現場(山口県)見学会への参加を呼びかけました。

「大学の講義と現場での経験とは大きな差があります。学びも大切だが積極的に現場を見てほしい」と紀様

「大学の講義と現場での経験とは大きな差があります。学びも大切だが積極的に現場を見てほしい」と紀様

この日配付された資料には、土木技術業界の魅力が詰まっています

この日配付された資料には、土木技術業界の魅力が詰まっています

参加学生の意識に変化 視野も広がる

説明会に参加した学生に話を聞きました。

「先輩や先生からも情報収集したい」と野村さん(左)、「インターンシップに参加してみたい」と澤村さん(中)、「業界のことをもっと深く知りたい」と西下さん(右)

「先輩や先生からも情報収集したい」と野村さん(左)、「インターンシップに参加してみたい」と澤村さん(中)、「業界のことをもっと深く知りたい」と西下さん(右)

野村美佳さん(2年)は公務員志望。これまでは自分の学びが将来どう生かされるのか、イメージできていませんでした。この説明会で、土木は建築よりも公共性が高いく、人のためになる仕事だと理解できたそうです。「社会に出てからも、今日の説明会で教えていただいた『発注者には事業すべての責任がある』ということを忘れずにいたいと思います」と自分の将来を重ねていました。

澤村早希さん(2年)は「道路やトンネルといった都市系の土木しかイメージしていなかったのですが、橋梁や海洋など、仕事のフィールドが広いことが分かりました」と振り返りました。今後は業界研究、企業研究を進めるのと同時に、必要な資格の取得に向けての準備にも取みたいと、今日の説明会をきっかけに資格取得への意欲が高まったそうです。

西下友理さん(2年)は「コンサルタントやゼネコンと発注者の関わり方を知り、事業全体の流れが把握できました。1年生のときの説明会では分からなかったことが、大学での学びを深めたことで今年は理解できました」と感想を述べてくれました。

業界の声や現場の空気からしか学べないものがある

今回の説明会の運営にあたった環境土木工学科の竹田宣典教授に話を聞きました。
「学生に早い段階から業界を知ってもらおうと、業界団体を招いて説明会を開催しています。学生にとっては自己の可能性を広げるチャンスになっており、人材育成に力を入れる建設業界との思惑も一致しています。また、広島工業大学では、なるべく現場を見てほしいと思い、授業の一環として、近くの建設現場を見学したり、卒業生を招いて生の声を聞いたりもしています。学生には、自分の目で見てさまざまな刺激を受けることで、見聞を広め、進路決定に繋げてほしいですね。」

建設業界の実情を知ることで、学生たちは卒業後の進路をイメージしやすくなったと同時に、将来に向けて今やるべきことを認識する機会にもなりました。ご協力いただきました日建連中国支部のみなさま、ありがとうございました。

環境土木工学科