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クラウドで新たなビジネスモデルを! 第8回D2CコンテストでHIT-LAB Bチームが準優勝

2018.02.26

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2チームが決勝進出。Bチームが準優勝に輝く
クラウドにつながる組み込み機器の可能性を競う第8回Device2Cloud(D2C)コンテスト決勝大会が12月9日に東京のD2C本社で行われました。本学からはHIT-LAB A、Bの2チームが予選審査を見事通過し、決勝大会に出場。Bチームの「前方の危険感知システム」が準優勝に輝きました。大会を終えたHIT-LABの皆さんに話を聞きました。

D2Cコンテストに出場したHIT-LABのメンバー

D2Cコンテストに出場したHIT-LABのメンバー

決勝大会では審査員を前にプレゼンと開発システムの実演を行いました

決勝大会では審査員を前にプレゼンと開発システムの実演を行いました

【Aチーム】文字認識と音声化 2つのプログラム開発を並行
HIT-LABは、学生のやりたいことを応援する広島工業大学オリジナルのプログラム「HITチャレンジ制度」に採択され、昨年の夏前から本格的に活動を行っています。
「文字認識を利用した自動朗読システム」を開発したAチームは、情報工学科3年の田中暁人さん、若狹正浩さんの2名。書類等の文字を撮影して文字認識を行い、音声ファイルに変換できるシステムの開発に取り組みました。認識プログラムは田中さん、文章の音声化プログラムは若狹さんが担当し、同時進行で製作を進めました。田中さんは「アプリケーションを作成するためのインターフェース"API"のマニュアルがすべて英語だったため、自分で和訳し、それでも分からないところは先輩に教わりながら作業を進めました」と回顧。若狹さんは「無機質で聞き取りにくい機械音声の修正に力を入れました」と振り返ります。

若狹さん(左)と田中さん

若狹さん(左)と田中さん

「決してあきらめない」 直前まで続くブラッシュアップ
開発途上のままのシステムで決勝大会に臨んだAチーム。決勝大会の会場には5名の審査員のほか、IT関連企業や一般の観覧者も訪れ、緊張感が漂っていました。8チームが競うプレゼンテーションで、HIT-LAB Aチームの発表順は、なんとアンカー。完成度の高い他チームとの差を埋めるために、発表直前までプレゼンテーションの練習を繰り返したそうです。制限時間内に最大限のアピールができるよう、シナリオの組み方も発表直前までブラッシュアップ。他チームにひけを取らぬ、堂々たる発表を行いました。大会を振り返って、田中さんは「文字認識プログラムを初めて作った達成感と、発表時の緊張感は忘れられません」、若狹さんは「作りこみの時間が足りなかった悔しさが残ります」と感想を話してくれました。

撮影した画像から文字を読み取り変換する装置

撮影した画像から文字を読み取り、変換する装置

文章データを音声化します

文章データを音声化します

田中暁人さん<br />「この開発を通じて、講義では得られないものをたくさん学びました。システム開発に何が必要なのか、どんな人に向けてどういったサービスを作るのか、チームでどうやって進めるのかなど、すべてが貴重な経験でした」

田中暁人さん
「この開発を通じて、講義では得られないものをたくさん学びました。システム開発に何が必要なのか、どんな人に向けてどういったサービスを作るのか、チームでどうやって進めるのかなど、すべてが貴重な経験でした」

若狹正浩さん「システムを開発するだけでも大きな自信になりますが、プレゼンテーションや実演を通して、アピール力も身に付きました。他チームのプレゼンで、柔軟な発想や着眼点の大切さも知りました。自分の視野が広がったと思います」

若狹正浩さん
「システムを開発するだけでも大きな自信になりますが、プレゼンテーションや実演を通して、アピール力も身に付きました。他チームのプレゼンで、柔軟な発想や着眼点の大切さも知りました。自分の視野が広がったと思います」

【Bチーム】HITチャレンジ採択後から開発に着手
準優勝に輝いたBチームは、情報工学科3年の吉川尚志さん、吉冨和樹さん、宮上仁旗さんの3名。今年のBチームのテーマ「前方の危険感知システム」です。歩行中や自転車走行中に前方の障害物を検知して警告音を鳴らすことで、接触事故を抑止できるシステムを開発したいと考えました。
昨年7月に開催されたHITチャレンジ選考会で採択された後、大会指定のクラウド「Azure(アジュール)」の特性や使い方などを調査。Azureにフィットする機能の開発に取り組みました。

吉川さん(左)と吉冨さん

吉川さん(左)と吉冨さん

本番に向け、開発もプレゼンも熱く!
10月の予選は、前方の障害物を検知する実演動画と、開発構想の資料で突破。その後、衝突、転倒などの衝撃を検知すると、時間と地図上の座標軸をAzureに転送し、マップ上で危険個所を分析できるよう機能を追加しました。決勝大会のプレゼンテーションに向けたリハーサルを何度も繰り返し、HIT-LABメンバーや先輩たちのチェックを受け、完成度を上げていきました。

Bチームが開発したシステムの外観

Bチームが開発したシステムの外観

3つの赤外線測距センサで、接近する物体を検知

3つの赤外線測距センサで、接近する物体を検知

衝撃を検知すると

衝撃を検知すると、

時間と座標軸のデータがAzureに転送されます

時間と座標軸のデータがAzureに転送されます

審査員の興味を引く、独自の解析システム
決勝大会のプレゼンテーションでは、トップバッターの大役を務めることになったHIT-LAB Aチーム。吉川さんは「機能を簡潔に、分かりやすく説明すること」を心掛けたそうです。プレゼンテーション中に行うシステムの実演では、装置が衝撃を検知するとデータがクラウドに送信される場面に、審査員の注目が集まりました。周辺の障害物を検知するだけでなく、クラウドの学習機能を使いデータを集計・解析することで、事故多発地帯や多発時間帯などをマップ上に記すことが可能な点が高く評価され、見事準優勝に輝きました。

大会を終えて
吉川さんは「他チームのシステムはクオリティの高いと感じるものが多かったのですが、その中で結果を出せてうれしいです」、吉冨さんは「紆余曲折あり、苦労が多かったです。でも今は、やり遂げた達成感と、無事に終えられたという安堵の気持ちでいっぱいです」と感想を語ってくれました。共に「自分たちの力を全て出し切った」と胸を張りました。

吉川尚志さん「計画して、調べて、実行し、発表する。一つのプロジェクトを最後までやり遂げることができました。卒業研究や、就職後の仕事にも役立つと思います。無理なことなどない、やればできるのだと、自信がつきました」

吉川尚志さん
「計画して、調べて、実行し、発表する。一つのプロジェクトを最後までやり遂げることができました。卒業研究や、就職後の仕事にも役立つと思います。無理なことなどない、やればできるのだと、自信がつきました」

吉冨和樹さん「システム開発を一から順序立てて作り上げる経験は貴重でした。このプロジェクトに関わっていたからこそ、クラウドサービスやIoTといった最新技術の一端に触れることができたのだと思います」

吉冨和樹さん
「システム開発を一から順序立てて作り上げる経験は貴重でした。このプロジェクトに関わっていたからこそ、クラウドサービスやIoTといった最新技術の一端に触れることができたのだと思います」

システム開発からプレゼンテーションまで、一つのプロジェクトをチーム一丸でやり遂げたHIT-LABのメンバーたちは、大会を通じて成長を実感したことと思います。彼らの今後の活躍にも期待しています。

学生自主企画プログラム「HITチャレンジ」制度