仕事の現場を体感し、自分の将来を考える「職場研究」 part.1株式会社タカキベーカリー

2018年10月22日

一般的に就職活動をはじめるのは大学3年生からと思われていますが、広島工業大学では1・2年生の早い時期から就職について考えるプログラム「職場研究」があります。機械製造業界、IT業界、食品製造業界などさまざまな現場を見学し、働く人から直接話を聞くことで、将来の職業選択に役立ててもらうことを目的に毎年行っています。今年は7社の企業にご協力いただき実施しました。ここでは、9月6日に株式会社タカキベーカリーを訪問した学生たちの様子をお伝えします。

「安全」「安心」「おいしい」をお客様に
アンデルセングループの株式会社タカキベーカリーは、ヨーロッパの伝統的な石窯パンをはじめ、さまざまなパンを開発・製造しています。添加物をできるだけ使わない本来のおいしさを引き出すパンづくりへの取り組みや、独自の冷凍技術によって高品質でフレッシュな商品を全国に届けています。

訪問したのは、安芸区にある広島工場。食品生命科学科の1・2年生を中心に24名が参加しました。

訪問したのは、安芸区にある広島工場。食品生命科学科の1・2年生を中心に24名が参加しました。

タカキベーカリーのこだわりを知る
はじめに、広島工場 工場長の三戸隆司さんから広島工場やこだわりの製造方法について説明していただきました。広島工場は1961年に完成し、現在はイギリスパンや菓子パンなど約300種類の商品を製造しています。石窯を導入し、ヨーロッパの伝統的な職人の技を工場で再現することに挑戦されています。石窯から発せられる遠赤外線により短い時間で焼きあがるため、余分な水分が蒸発せず、外はこんがり、中はふっくらとしたパンが焼きあがります。また「コンビニエンスストアやスーパーマーケット以外に、実は皆さんの目に触れないところにも当社のパンがあります」と三戸さん。カフェやホテルに提供しているパンも作っていることを紹介してくださいました。

「石窯の導入が石窯パンを生み出し、好評いただいています。独自の技術としてタカキベーカリーの強みになっています」と三戸さん。

「石窯の導入が石窯パンを生み出し、好評いただいています。独自の技術としてタカキベーカリーの強みになっています」と三戸さん。

企業の歴史やこだわりの製法など、初めて知るエピソードに聞き入る学生たち。

企業の歴史やこだわりの製法など、初めて知るエピソードに聞き入る学生たち。

工場見学で現場の雰囲気を体感
続いては工場見学です。工場内に入ると、さっそくパンの香りが立ち込めます。学生たちはパンの材料搬入から計量、仕込み、成型、焼成、包装、出荷までパンづくりの工程を見て回りました。製造工場というと機械による作業が多いと思いきや、タカキベーカリーでは大切な工程は人の手で行っており、手作りに近いパンづくりをしていることに気づかされました。徹底した衛生管理、ミスを防ぐ食品管理システム、スピーディーかつ丁寧な成型作業など、たくさんの人が情熱を持って取り組んでいました。

工場見学から戻ってきた学生は「暑かったです!」と少し大変だった様子。しかしこれも現場の仕事を肌で感じる貴重な経験です。

工場見学から戻ってきた学生は「暑かったです!」と少し大変だった様子。しかしこれも現場の仕事を肌で感じる貴重な経験です。

工場見学後は、タカキベーカリーの商品を使ったアレンジレシピの紹介と試食会が開かれました。

工場見学後は、タカキベーカリーの商品を使ったアレンジレシピの紹介と試食会が開かれました。

活気あふれる質疑応答
最後の質疑応答では、学生たちが積極的に質問を投げかけていました。「添加物を少なくして開発・製造する秘訣は何ですか?」「開発部門の就職を目指しているのですが、採用はどうなっていますか?」と質問はさまざま。三戸さんをはじめ工場スタッフの方は、どんな質問にも丁寧に答えてくれます。今、勉強していることが現場ではどう活かされ、これからどう学べば将来の進路に役立つのか、大学では聞けないリアルな声を聞くことができ、学生にとって一番の収穫となりました。

質疑応答は、予定時間をオーバーしてしまうほど活発に行われました。

質疑応答は、予定時間をオーバーしてしまうほど活発に行われました。

ひとつでも多くのことを吸収しようと、熱心にメモを取る姿も見られ、意識の高さが伝わってきます。

ひとつでも多くのことを吸収しようと、熱心にメモを取る姿も見られ、意識の高さが伝わってきます。

広島工場 工場長の三戸隆司さんに話を伺いました。
コミュニケーション能力を磨き、充実した学生生活を
「お伝えしたかったのは、食のものづくりには面白さがある一方で大変さもあるということ。工場で働く人の姿を通して少しでも感じていただけたら幸いです。学生生活ではぜひコミュニケーション能力を身につけてください。仕事は人との関わりなくして成り立ちません。今から意識して話す力を磨いておけば、将来必ず役立ちます」

「人との対話が苦手な人もいると思いますが、なるべく人と接する機会を増やし、努力することが大切です」と三戸さん。

「人との対話が苦手な人もいると思いますが、なるべく人と接する機会を増やし、努力することが大切です」と三戸さん。

参加学生に感想を聞きました
小西広起さん(食品生命科学科1年)
「授業で栄養のことを学んでいるのですが、仕事にどう役立つのか想像できない部分がありました。しかし今日、お話を聞く中でつながりを感じ、改めてしっかり勉強していきたいと思いました。専門分野はもちろん、他分野にも興味を持って幅広く知識や経験を増やし、進路選択に役立てていきたいです」

村田栞さん(食品生命科学科2年)
「昨年の『職場研究』でも食品関係の工場を見学しましたが、そちらは機械作業が多かったのに対し、タカキベーカリーは手作業が多く、同じ食品製造工場でもこんなにも違いがあるのだと実感しました。また開発に進みたい人は、大学院進学をしなければいけないと思っていましたが『大卒でも働きながら開発部門を目指せる』と聞き、進路選択の幅が広がりました」

「人事の方など、影で企業を支える人のことも知ることができ、自分の視野が広がりました」と小西さん。

「人事の方など、影で企業を支える人のことも知ることができ、自分の視野が広がりました」と小西さん。

「『職場研究』には、現場に行くからこそ気づけることがたくさんあります」と村田さん。

「『職場研究』には、現場に行くからこそ気づけることがたくさんあります」と村田さん。

働くことを身近に感じたことで、学生たちは授業の取り組み方やこれからのキャリアを考える大きなきっかけになったと思います。株式会社タカキベーカリーの皆さま、お忙しい中ご協力を賜りありがとうございました。