学内で生まれた日本酒「閧の鶴(ときのつる)」 ラベルデザインを学生が担当

2018年10月24日





広島工業大学では広島県酒造組合、広島県立総合技術研究所 食品工業センターと共同で清酒酵母の改良を行っています。今回、食品生命科学科で改良された清酒酵母を使った新たな日本酒「閧の鶴(ときのつる)」が誕生しました。この日本酒のラベルデザインは、学内コンペで選ばれた環境デザイン学科(※)の平田ゼミに所属する松浦直哉さん(4年)の作品です。いったいどのようにしてアイデアが生まれたのか。デザインに込められた想いを聞いてみました。

※2016年4月、「環境デザイン学科」は「建築デザイン学科」に改編しました。

完成した「閧の鶴」。リーフレットや外箱のデザインも松浦さんが担当しました。

完成した「閧の鶴」。リーフレットや外箱のデザインも松浦さんが担当しました。

「閧」に広島工大発展の願いを込めて
ラベルデザインに先がけて、まずはお酒のネーミングからはじまりました。ネーミングにあたって、大学から出された要望は「『鶴』の文字を使ってほしい」というもの。ラベルデザインの学内コンペに参加する、松浦さんを含む複数の学生で案を考え、お酒に使われている清酒酵母の改良に着手した食品生命科学科の土屋教授と、鶴学長に提案しました。その結果、選ばれたのが「鬨の鶴」です。「勝閧(かちどき)を上げる」という言葉に使われる「閧」を入れ、団結力を高める雄叫びのように、「広島工業大学が一丸となって発展してほしい」という想いが込められています。

滝の水しぶきをモチーフにした、勢いのあるデザインに
お酒の名前が決まり、松浦さんはいよいよ本格的にデザイン案を練ります。「『閧』にふさわしく、情熱や勢いを感じられるデザインにしたかった」と松浦さん。広島工大の校章に使われているえんじ色や、鶴学園の「鶴」から連想する白色、黒色を取り入れながら3つのデザインを考え、色の組み合わせ違いで計12案を提案します。選考の結果、「勝閧を上げる」の荒々しさや勢いを滝の水しぶきで表現した躍動感のあるデザインが選ばれました。

はじめに提案したデザイン。写真左上の色違いの4案が、実際に採用されたものの原案。

はじめに提案したデザイン。写真左上の色違いの4案が、実際に採用されたものの原案。

色合い調整に試行錯誤
無事デザインが決まった松浦さんですが、ここからが苦労のはじまりでした。大学から色彩変更の要望を受け、理想の色合いを追い求めて試行錯誤します。「印刷に使うラベルの紙質によって色の出方が変わったり、瓶に貼って仕上がりを確認してみると自分の想像と違っていたりして、なかなかイメージ通りにいきませんでした」と松浦さん。文字色や背景の配色を何度も調整しながらつくったバリエーションはなんと60案。その後も平田先生のアドバイスを参考に、自分のイメージする色合いを目指しました。

背景の色の濃淡を変えたり、グラデーションをかけたりと、完成の裏にたくさんの努力があったことが垣間見えます。

背景の色の濃淡を変えたり、グラデーションをかけたりと、完成の裏にたくさんの努力があったことが垣間見えます。

将来は建築の内装デザイン関係に進みたいという松浦さん。「ネーミングに『鶴』を入れることや細かな色彩調整など、要望を聞きながらデザインしていくことは実際の仕事そのもの。現場と同じ体験ができたことは、大きな自信になりました」今は、夢を叶えるべく芸術大学の大学院進学を目指して日々、勉強中とのこと。今回のラベルデザインも作品集に取り入れ、自分をアピールする武器にしていきたいと語ってくれました。

「ラベルデザインが、少しでも広島工大の発展に役立ってくれたら嬉しいですね」と松浦さん。

「ラベルデザインが、少しでも広島工大の発展に役立ってくれたら嬉しいですね」と松浦さん。

自分のアイデアをカタチにできるのが、ものづくりの"やりがい"です。広島工業大学は、これからも実践的な教育を積極的に取り入れていきます。