最先端の学びに触れる。地球の未来に貢献するテクノロジーを知る。~7.14オープンキャンパス

2019年10月04日

学生たちが研究する“最先端の技術”を体感できる。

ロボット技術。
エコな発電システム。
自然災害のメカニズム解明。
ITによるスポーツ科学。
フリーズドライ体験。

...広島工業大学の学生たちは、様々なテーマに取り組み、研究・実験・製作を重ねています。
学生たちの成果に触れることができる。好奇心にあふれる研究の日々を体感できる。そして最先端の技術をのぞくことができる。そんな広島工業大学のオープンキャンパスが、今年も7月14日の日曜日に開催されました。高校生やその保護者の方々など、2000人以上の参加者が来場して賑わったイベントの一部をご紹介します。

開場前からもう多くの高校生・保護者の方々が集まり、扉が開くのを今や遅しと待ちわびていました。

開場前から多くの高校生・保護者の方々が集まり、扉が開くのを今や遅しと待ちわびていました。

キャンパス内はとても広く、各学科へ移動するための循環バスが用意されていました。

キャンパス内はとても広く、各学科へ移動するための循環バスが用意されていました。

女子学生キャリアデザインセンター(JCDセンター)が用意したコーナーでは、女子高生にものづくりを体験してもらいながら、先輩の女子学生がいろんな相談に乗っていました。今回、女子高生がトライしたのは、アロマスプレーづくりです。

女子学生キャリアデザインセンター(JCDセンター)が用意したコーナーでは、女子高生にものづくりを体験してもらいながら、先輩の女子学生がいろんな相談に乗っていました。今回、女子高生がトライしたのは、アロマスプレーづくりです。

学食ランチ体験では、オムレツカレーやパスタ、ロコモコ丼などを無料で提供。快適な環境の中で食事を楽しみながら、学食の雰囲気を味わいました。

学食ランチ体験では、オムレツカレーやパスタ、ロコモコ丼などを無料で提供。快適な環境の中で食事を楽しみながら、学食の雰囲気を味わいました。

全方面からの風に対応できる、サボニウス型風力発電~電気システム工学科

写真右側にある、銀色の長い円筒。これ、風力発電装置です。一般に風力発電と言えば、巨大な羽根を持つ「プロペラ型」が知られていますが、この円筒は「サボニウス型」と呼ばれています。特徴は、どの方向から風が吹いても発電機を回せること。プロペラ型は、プロペラに向かって風が吹いてこないと回転しませんが、サボニウス型は東西南北、どの方角から吹いた風も円筒内に取り込み、羽根を回転させることができます。構造がシンプルなため機械的強度も高く、暴風など過酷な環境に強いのも長所の一つ。そんなサボニウス型風力発電の可能性を追求しています。

最大の課題は、発電効率の向上。発電効率を高める研究を日々続けています。

最大の課題は、発電効率の向上。発電効率を高める研究を日々続けています。

定番から最新まで。機械加工で活躍する設備が揃う~機械システム工学科

金属を切ったり削るのに使う旋盤・スライス盤、金属をつなげる溶接機...。広島工業大学の工作センターには、現実の工場で稼働する工作機械が備えられています。中には、数値制御で加工するマシニングセンタやCNC旋盤、ガスレーザ加工機など、最新の設備も。学生たちは、自ら設計図面をここに持ち込み、各種工作機械を自らの手で制御・操作して、部品・機械を造り出しています。ちなみに、写真左にあるのはワイヤーカット式放電加工機。ワイヤーと金属の間に放電し切断などの加工を行う工作機械で、ステンレス程度の金属ならあっという間に加工が終わるそうです。

企画・設計から、加工機を操作して自分の考えた製品を創り出す...そんな、ものづくりのプロセスを一貫して学べる環境が、広島工業大学にはあるのです。

企画・設計から、加工機を操作して自分の考えた製品を創り出す...そんな、ものづくりのプロセスを一貫して学べる環境が、広島工業大学にはあるのです。

海中を自律的に探査するロボットの開発~知能機械工学科

黒いステンレスの骨組みに支えられた、アクリルの円筒。その両脇にバッテリが外付けされ、さらに外側にスラスター(スクリュー)が設置されています。これは、知能機械工学科のゼミで作成された、自律型の「海中探査ロボット」。内部には、自律動作のためのプログラムを組み込んだ電子基板をはじめ、海中撮影用のカメラや通信用ソナー、方位・加速度・深度を計測する各種のセンサが装着されています。そして対象とする海中を、与えられたプログラム通りに移動します。このロボットの組み立てや自律プログラムの設計を、ゼミの先生の指導のもと、学生たちが行っています。

途中で障害物などに出くわしても、自律的に回避運動を取るため、衝突などはありません。また潜航中にバッテリが切れると自然に浮上するよう設計されているので、海中で行方不明になったりしません。

途中で障害物などに出くわしても、自律的に回避運動を取るため、衝突などはありません。また潜航中にバッテリが切れると自然に浮上するよう設計されているので、海中で行方不明になったりしません。

豪雨災害のメカニズムを解明し、防災に貢献する~環境土木工学科

山から住宅街へと続く斜面。その斜面を流れる川に沿って、流れ落ちる岩の数々...。これは、2018年7月の豪雨災害により、広島で土石流がどのように発生したか理解するため作成した模型です。この災害では、花崗岩が真砂土化する過程で発生する「コアストーン」に注目が集まりました。重さ数トンのコアストーンは本来、長い距離を転がらないのですが、今回は粒の小さな真砂土が潤滑剤の役目を果たして長距離を移動。住宅街に甚大な被害を及ぼしました。山の中腹に砂防ダムなどコアストーンを止める仕組みがあれば、被害は少なくなったかもしれません。そんな改善点も、模型によって明らかになっています。

積乱雲が連続発生する「バックビルディング」現象によって豪雨が起こり、山を崩落させるきっかけとなりました。被害を食い止めるにも、災害のメカニズムを明らかにする必要があります。

積乱雲が連続発生する「バックビルディング」現象によって豪雨が起こり、山を崩落させるきっかけとなりました。被害を食い止めるにも、災害のメカニズムを明らかにする必要があります。

巨大な力でコンクリを破壊する二軸載荷装置~建築工学科

中央に置かれているのは、高さ1.5mにも及ぶ、巨大なコンクリートの試験体。そのコンクリ試験体に対し、「二軸載荷装置」では、縦と横の双方から同時に100~200kN(キロニュートン)という大きな力を加えることができます。それほど大きな力によって、コンクリートはどうなるか。いつ、どこにひび割れが発生し、完全に変形するまでどれほどの時間が必要か。そうしたコンクリート構造物の特性を明らかにすることで、地震などの災害にも負けない、丈夫で安全な建物の建造に貢献したいと考えています。学生たちはコンクリ試験体の製造から二軸載荷装置の操作、またひび割れや変形の評価法まで多面的に学びます。

二軸載荷装置のような大型実験装置を備える大学はほとんどありません。これらの設備を活用した研究が、地震災害などの克服につながっていくのです。

二軸載荷装置のような大型実験装置を備える大学はほとんどありません。これらの設備を活用した研究が、地震災害などの克服につながっていくのです。

声だけで自由自在に操作できるスマートカー~情報工学科

マイクを使って「右」と指示。すると車が、指示に従って右に曲がる。「スピードアップ」とマイクに声をかけると、今度は車がスピードアップしました。この車は内部に音声認識システムが組み込まれており、声を使って自由自在にコントロールできる「スマートミニカー」なのです。車の進む先に、壁などの障害物があったら? そんな時は、前方に備え付けられたカメラや赤外線センサで、障害物を自動感知。「止まれ」と言われなくても、自律的にストップします。重い荷物を運ぶのに台車やキャリーバッグが利用されますが、今後はそうした場面でスマートミニカーが活躍することになるのかもしれません。

音声認識システムを搭載した車は、1年生の実習で、超音波センサなどを学ぶのに使う予定だそう。1年生でもうスマートミニカーの基礎を修得できるわけです。

音声認識システムを搭載した車は、1年生の実習で、超音波センサなどを学ぶのに使う予定だそう。1年生でもうスマートミニカーの基礎を修得できるわけです。

スポーツのパフォーマンスを科学的に解明~情報コミュニケーション学科

左腕に巻かれた、腕時計のような真四角のデバイス。これを左右に振ってみると、ノートパソコンのモニターに映し出された折り鶴のようなグラフィックも、同じように動きます。もし腕につけたままバク転したら、グラフィックも動きに連動してバク転します。この研究は、小さく、身につけられる(=ウェアラブルな)デバイスとシステムを活用し、スポーツを科学的に解明しようというもの。アスリートは、体の動きがミリ単位で狂っても、思うようなパフォーマンスを出せなくなります。そこで、ウェアラブルデバイスを利用して動きをチェックし、好調時と比較すれば、不調の理由が解明できるわけです。

センサによって取得した動きのデータを画像の動きに転換するプログラムも、身につけるデバイスの設計・組立も、学生たちがやっています。研究を通じ、ソフト・ハード両面の知識を養っているのです。

センサによって取得した動きのデータを画像の動きに転換するプログラムも、身につけるデバイスの設計・組立も、学生たちがやっています。研究を通じ、ソフト・ハード両面の知識を養っているのです。

デジタルデザインを基にした、ユニークな椅子~建築デザイン学科

建築デザイン学科では、建築におけるデジタルデザイン活用の研究が進んでいます。これは造る物の形状や構造に関して人間が前提条件を与えると、システムが自動で、条件を満足させる“理想形”を描くという、全く新しい建築の手法です。そんな学科で学ぶ学生が設計・制作するものは、椅子であっても一味違います。ここに登場しているのは、2年生が考え、自分たちで木工加工して制作した椅子。どれもユニークな形状ですが、あらかじめ、同じデザインの椅子は積み重ねられるよう設計されたことにより、収納スペースを取りません。もちろん、座り心地も快適。ユニークかつ機能性も高い製品づくりに、2年生の段階でもう取り組めることがわかります。

建築におけるデジタルデザイン活用に、世界では大きな注目が集まっています。この概念や知識を学べる大学は、国内に数えるほどしかありません。本学のデジタルファブリケーションラボがその一つです。

建築におけるデジタルデザイン活用に、世界では大きな注目が集まっています。この概念や知識を学べる大学は、国内に数えるほどしかありません。本学のデジタルファブリケーションラボがその一つです。

ミールワームの成長が養殖を変える~地球環境学科

ミールワームという虫を知っていますか? 観賞魚や釣りの餌として使われることの多いミールワームは、タンパク質が豊富でカロリーも高い一方、価格が安く、サイズ感も手頃なため、飼料として最適と言われます。しかし、課題もあります。体長が大きくなるまで、生まれてから4~5ヶ月ほどかかってしまうのです。そこで学生たちは、ミールワームの成長を促進する研究に取り組んでいます。食事そのものや食事を与える時間を変えたり、生育環境を見直すなど、工夫できる点は多々あります。現在よりも早く体長を大きくさせることができれば、例えば効率的で生産性の高い養殖の実現に貢献できるかもしれません。

人口増加による食料不足の解決手段の一つが「昆虫食」と言われています。高タンパクなミールワームは昆虫食の有力な候補。ミールワームの研究が、いずれは昆虫食にも発展するかもしれません。

人口増加による食料不足の解決手段の一つが「昆虫食」と言われています。高タンパクなミールワームは昆虫食の有力な候補。ミールワームの研究が、いずれは昆虫食にも発展するかもしれません。

脈波計を自分の手で組み立ててみる~生体医工学科

高校生たちがハンダこてを手に、脇目もふらず何かを組み立てています。小指の先ほどのサイズしかない素子をつまんでは、学生の「それ、ここだよ」といったアドバイスに従い、緑の基板にくっつけていく...。彼らが組み立てているのは「脈波計」。その名の通り脈拍測定に使う医療機器で、完成品のセンサの上に指先を置くと、脈動に合わせて赤いランプが点滅します。指先に光をあて、その部分の赤血球の透過量を測ることで脈拍が測定し、ランプの点滅として表示しているのです。このように医療機器の組み立てまで行えるのは、工科系大学に設置された、工学に関する蓄積の厚い本学科ならではと言えるでしょう。

「次はこの素子を、その部分につけて」という先輩学生のアドバイスを聞きながら、スムーズに手を動かす参加者たち。約30分程度で脈波計を完成させていました。

「次はこの素子を、その部分につけて」という先輩学生のアドバイスを聞きながら、スムーズに手を動かす参加者たち。約30分程度で脈波計を完成させていました。

アイスクリームをフリーズドライすると?~食品生命科学科

多くの参加者の目が、中央にある機械に釘付けとなっています。この機械は、本学科に最近導入されたばかりの「フリーズドライ食品試作機」なのです。食品をマイナス30~マイナス35℃の超低温で凍結。その後真空状態の中で乾燥して、水分を一瞬で昇華させる。こういったフリーズドライ製法の一連の流れを、この機械で実現できるわけです。テーブルの上には、この機械でフリーズドライした様々な食品が並んでいます。イチゴやアイスとどれもおなじみの食品ですが、その味は果たして...。と、食べてみると、そっくり元のイチゴやアイスのまま、おいしい味がします。ただし水分が抜けているので、なんとも不思議な食感でした。

フリーズドライされた食品は軽く、食べてみるとサクサクとフレーク状になっています。しかし、味はもとの食品と同じ。ちなみにアイスはフリーズドライすると、水分が抜けるため溶けなくなります。

フリーズドライされた食品は軽く、食べてみるとサクサクとフレーク状になっています。しかし、味はもとの食品と同じ。ちなみにアイスはフリーズドライすると、水分が抜けるため溶けなくなります。

今回はここまで。
第2段でも、各学科が力を入れた楽しく興味深いプログラムについてレポートします。