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電気システム工学科

西村 和則

教員紹介

西村 和則NISHIMURA Kazunori

工学部 電気システム工学科 教授

研究者情報

プロフィール

【専門分野】
○電力系統を考慮した電力変換装置の高効率化・高力率化に関する研究
【担当科目】
パワーエレクトロニクス 、 エネルギー変換工学 、 電気工学実験
【研究テーマ】
1.電力変換回路が電力系統に与える影響に関する研究: 電力系統の高調波含有率、ひずみ率、電力線搬送環境、高電圧電磁環境保全、地球環境保護、エネルギー資源の技術ソリューションに関する研究。
2.電力変換用回路トポロジー技術を用いた高効率化に関する研究: 負荷主共振、補助部分共振トランス漏れインダクタ共振、複合(多重)共振、2次側共振、電力回生・回収共振スナバ、時分割共振マルチフェーズ、3レベル共振回路、など、共振回生現象・特性利用高周波ソフトスイッチング電力変換回路技術を用いた高効率な電力変換方式に関する研究。
3.高周波対応受動回路コンポーネントの材料・構造関連技術に関する研究: 高周波パワープレナートランス、高周波パワープレナーインダクタ、高周波パワー可飽和インダクタ、高周波パワーキャパシタ、ACフィルタ、DCフィルタ、電力回生無損スナバ回路部品、EMIフィルタの高効率化に関する研究。
4.分散型電源用エネルギー変換デバイス技術の適正化に関する研究: 太陽電池アレイ、燃料電池スタックEDLC、新型電池(Li-Ion)、高効率高出力LED、永久磁石モータ/ジェネレータ、誘導加熱コイル、パワー圧電デバイス、放電ランプなど回路適正化、また、分散型電源の広域運転に関する研究。
【ひとこと】

イマジネーションを形にして欲しいと思います。
それは、世の中に役立つ技術になるかもしれません。

研究紹介

西村 和則NISHIMURA Kazunori

工学部 電気システム工学科 教授

私たちは日々、電力を無駄に使っている
PROLOGUE

地球環境のことを考えると、日ごろからの省エネが大事...と、ルームライトをこまめにオフにしたり、長く使わない家電製品はコンセントを抜いたりしている人も多いのでは? でも実は、私たちは日々節約する以上の大きな電力を、無駄にしてしまっているのです。それが『電力損失』という問題。無駄になった電力を全国からかき集めると、原子力発電所数基分にもなるというから、バカになりません。この問題を解決するため、西村先生は研究を続けています。

インバータが、エアコンや新幹線を便利にした

数年前から家電には、インバータが搭載されることが多くなりました。エアコンはもとよりLED照明、洗濯機、冷蔵庫、運輸部門は新幹線にも使われています。このインバータというのは、電気的には直流を交流に変換するものです。
インバータを使っている家電では、商用電源の交流を直流に変換し、さらに交流に戻します。戻すといっても、元の交流とは違う周波数に変換させるわけです。どうしてこんな面倒な作業をするのかと言えば、周波数を変えることでモータの出力を調整できるからです。
最近のエアコンは、部屋の温度に合せて冷風の強さを自動調節します。設定温度に近づくと自動的に運転を弱めたりするわけです。これは、インバータの働きによって、交流の電圧と周波数を変え、モータの強さを自由に調節しているからなのです。インバータが電気を直流から交流へと変換する際、電力損失、つまり電気の無駄が発生するわけです。この電力損失を少なくするというのが、私の研究テーマです。

電力変換時に生じる
「電圧ひずみ」の波形イメージ。
電力消費にどのように影響を及ぼすか考察

インバータ技術が向上すれば、電力損失は防げる

現在のインバータの変換効率は90%程度と言われています。この効率を少しでも上げられれば、それだけ電力の無駄が防げることになります。電力損失を生じさせないようにして、電力の変換・制御を行う技術を「パワーエレクトロニクス」と言います。これからますます注目を集める技術となることでしょう。
現在、日本で発電所から生まれる電力のうち、エネルギーとして有効に使われていない電力の損失分は、原子力発電所数基分に相当していると言われています。いかに多くの電力が、無駄になっているかが分かるでしょう。
このロスを無くすだけで、エネルギーの有効利用が進み、ひいては地球環境問題の改善にも一役買うことになります。私の研究室では、「電力の環境問題」に取り組んでいるわけです。

エコに貢献したいと考える視点が大切

日本の電力システムに関する技術は、世界屈指の水準です。電力を安定的に供給できている背景には、多くの技術的蓄積があるのです。そこに、需要側の電力損失防止という新しい観点を加え、「環境技術立国日本」を完成させたいというのが、私の願いです。
私のゼミでは、そうした夢を持ち、自分で描いたイマジネーションを形にすることが可能です。それがかなった時の達成感や充実感を味わってもらいたい。卒業生の中には、大手エネルギー関連企業に就職し、在学中に学んだことを活かしている人もいます。確かなスキルを身に付け、熱意にあふれている人。そうした人材を社会は求めているのです。
現代のエネルギー消費の多くが電力を媒体として使用しています。つまり、電力損失の問題は、エコロジーの問題でもあります。「電気」と「環境」は別の次元と考えている人もいますが、実は密接な関わりがあるのです。電気エネルギー利用の観点から環境を学んでみませんか。