「週刊第一経済レポート広島」1342号 (2004年10月6日) 掲載
学長就任後、大学の現状を見た時に、外部からの問い合わせに対する受け入れ体制をつくることの必要性を感じて、遅ればせながらも本学でも産学連携に取り組もうと考えたのが発端です。
技術系の本学では、外部とは今まで先生方一人ひとりのレベルで対応してきましたが、大学全体が戦列を立て直して産学連携を推進するため、十分に機能しているとは言えなかった総合研究所を発展的改組して設置しました。
前任の広島大学では、産学連携関連の立ち上げに当初から携わり、学外でもいろいろと公的な委員会に加わっていたので、総合的な窓口に据えた共同研究支援室を中心に、3センターで構成するデザインは一瞬でできました。社会からの期待や学内の気運の高まりが潜在的に皆の頭にあったことで、一気に設置にたどり着けることができました。
報道の影響などで静岡の方から反応があったり、さまざまな形で問い合わせがきています。目に見える成果としては、プロジェクト研究センターで産学官による17分野の共同研究が立ち上げられています。
後発が、先行タイプと同じでは面白くありませんから、従来の産学連携と違う路線も組み込んでいます。外部との窓口を設けただけでなく、産学連携推進センター長らが企業訪問してヒアリングの際に受けた質問を持ち帰り、関連の先生に質問したりするなど、積極的に動いています。
開学以来、40年間積み重ねてきた「誠実で真面目」な学風は大事にしながらも、昨今はやはり打って出ないといけません。きれいに咲いている花(同大)を見てもらいたいとの思いがあります。
本学が受け入れている学生の6割は県内出身者で、その多くは地元で働きたいとの希望を持っています。必然的に所在地が広島にある企業を第一に意識しながら地域の産業界に役立っていきたい。
同時に、大学の究極の任務は人材養成であり、産学連携憲章の中では「次世代の技術者を育てる機会としての産学連携」を唱え、教育との絡みを強く意識しています。どこの大学でも技術・知識の継承に苦戦していますが、閉じたキャンパスの中だけでなく、研究機構ではできるだけ学生を巻き込むなど、在学中にあらゆる方法で育てていく方針です。
経済界の人にも、産業界全体のために広い視野から教育に関わっていただき、次世代の技術者養成の力になってほしいですね。