「新入生に贈る言葉」(2006年4月)

広報紙「広島工大」vol.197 (2006年5月)掲載

「1期生に期待すること」

皆さんは1期生

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員、在校生ともども皆さんの入学を心から歓迎します。
本年2月、本学の設置母体である鶴学園の創立50周年を迎えました。したがって今年度は学園の第2半世紀の最初の年にあたります。そして、皆さんは学園第2半世紀の1期生になります。
広島工業大学では、第2半世紀を迎えるこの時期に「教育は愛なり」という建学の精神に改めて立ち返り、教育の充実を図ろうということで、2年近くかけて教育の充実について準備してきました。「教育改革18」と称していますが、今年度はその教育改革18がいよいよスタートします。したがって、皆さんは、3学部・12学科での新しい教育内容・方法による教育の1期生でもあります。

教育改革18

「教育改革18」では、多様な学習歴と自学自習の精神を前提とし、「基礎知識とそれを応用する力」をつけることを学習教育目標として掲げています。将来どんな仕事をするにしろ、基礎学力は非常に大切です。英語や数学、物理の復習をしたい人のために教育学習支援センターがあります。是非一度訪れてみてください。
皆さんの中には、基礎的なことだけでなく、専門的なことをもっと勉強したいと思っている人もおられることでしょう。「教育改革18」の新しいカリキュラムでは、通常の「基本学習トラック」のほかに「発展学習トラック」が設けられています。そこでは、大学院の授業を先行履修することができます。さらに飛び級制度があります。この制度は、がんばれば3年で卒業できるというものです。1年早く就職してもかまいませんし、大学院を受験することもできます。あるいは短縮した1年は海外の協定校で勉強してもいいですし、企業研修をしてもよいわけです。また教養科目をもっと勉強したいという人には放送大学の提供する科目の単位も取れるようになっております。
とかく1期生には初めてのことが多いため不便をかけるかも知れません。しかし、皆さんと一緒に展開する新しい教育は、10年後に必ずや「工大(HIT)教育」といわれるようなブランドになると確信しております。新しい教育の創造の一翼を担うという誇りを持って力になってくれることを期待しています。

資格

ところで、このたびの「教育改革18」の議論の中でしばしば出てきたことは「資格」ということでした。新しい学科について高等学校の先生方に説明すると、決まって問い返されることは「その学科を出るとどんな資格が取れるのですか」ということでした。皆さんも同じ思いをお持ちのことでしょう。このたびの「教育改革18」ではそれぞれの学科で資格を取れるカリキュラムにしたつもりです。目標を定めてがんばって欲しいと思っています。卒業後取得した場合の表彰制度もスタートします。
ただ、資格取得の議論に加わりながら、私は「○○技術士」といった資格は、将来の仕事に役立つであろうが、もっと大切な資格があるのではないかと考えさせられました。それは、「人間としての資格、社会人としての資格」とでもいえるものです。もっと具体的に言えば、社会にあって何をしてよいのか、何をしなければならないか、何をしてはいけないか、またどこまで我慢すべきかなどを判断する力をもっているという資格です。このことの重要性については、昨今の社会の出来事から皆さんも賛同してくれることでしょう。それはひとり学生の皆さんだけでなく、私も含めて教職員も取得する必要があります。在学中に是非とって欲しいと思っている資格はむしろこの資格です。

環境・倫理・社会

広島工業大学の教育方針は「常に神と共に歩み、社会に奉仕する」です。「常に神とともに歩む」には、人それぞれにとって深い意味がある言葉だと思います。教育改革18では、「自然を畏敬し、環境と倫理を重んずること」と理解して教育の中で具現化しようとしております。そして「社会に奉仕する」は人とのかかわりを大切にするということです。つまり専門も含めてあらゆる学びの中で、環境と倫理そして社会を重視するということです。これらは、どのような分野の専門家や職業人になろうとも大切なことで、「社会人としての資格」であり「人間としての資格」となるものです。つまり、広島工業大学の学びの中にそのような資格を取得するためのものが準備されているということです。ですから教室での新しい知見の学びによって取得してください。また、多くの友人や先生方との出会いをとおして取得することも可能です。在学中のあらゆる機会を生かして、「環境・倫理・社会」を大切にする理解とそのために実行する力をつけてください。

1期生に期待すること

本学教育の新しい歴史づくりに参加してくれること、そして「基礎知識と応用の力」に加えて「人間としての資格」を取得してくれること、この二つが学園第2半世紀の1期生であり、「教育改革18」の1期生でもある皆さんに期待することです。