石井 義裕

いしい よしひろ

石井 義裕 Yoshihiro Ishii

工学部 環境土木工学科 教授
出身:岡山県
ishii@cc.it-hiroshima.ac.jp

自然との共存を目指しながら、暮らしの安全性を探る

都市において、いかに自然や環境とバランスを取りながら共生していくかが、今後の私たちの暮らしでは重要な課題となる。石井研究室のテーマも快適な都市創造の計画を考慮して、ゼミ生それぞれが独自のテーマに取り組んでいる。中でも、自然・環境・防災などにスポットを当てた研究に実績を持つ。

自然との共存を目指しながら、暮らしの安全性を探る

都市において、いかに自然や環境とバランスを取りながら共生していくかが、今後の私たちの暮らしでは重要な課題となる。石井研究室のテーマも快適な都市創造の計画を考慮して、ゼミ生それぞれが独自のテーマに取り組んでいる。中でも、自然・環境・防災などにスポットを当てた研究に実績を持つ。

例えば、「広島地域の海陸風特性と大気汚染物質の挙動解明」では、都市化による風系の変化の解明と、数値シミュレーションを用いた大気汚染物質挙動の解明を行っている。都市の風によって汚染物質がどのように動くか、どこまでどのような経路で運ばれるか、その因果関係が解明できれば風の流れを考えた快適な都市づくりの指針にできる。それらは主に気象庁の地域気象観測システム・アメダスからのデータを基に、コンピューター上でシミュレーションする研究である。

また、風の動きが都市のヒートアイランド現象にどのように影響しているか、そして都市の緑化や河川のもたらす効果,市内10箇所で測定されている道路環境情報などを解析。GISで作成したリアルな地図とCGを用いた風や熱の輸送現象の可視化により、シミュレーションの結果を総合的に分析している。
「これは、アメダスの観測データとGISによる汚染物質の分布解析技術、数値シミュレーション結果のトライアングルによって実現するものです。この解析モデルの完成で、汚染物質の移動予測が可能になり、これによって快適な都市づくりが可能になります」と石井先生。

先生は長年「地下水・土壌汚染の浄化対策」をテーマに研究を続けてきた。それは、地下空間や地下水中に溶け込んだ有害物質を取り除き、水をどうやってきれいな状態にするかという研究である。そのために、汚染物質の地下空間での動きを測定し、そのデータをもとにガスの流速を求める数式や,ガス濃度の分布を表す方程式を組み込んだモデルを作っている。

それに関連したその他の研究テーマもある。
「広島西部の河川・湖沼の水質調査」では、広島市佐伯区の八幡川や三筋川,廿日市市内の河川の水を採取し、水質を調べることでその地域の水環境がどのように保たれているのか,私たちの生活環境とどう結びついているのかを知ることにもつながる。また、BODという、水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量やCODという水中の有機物を酸化剤によって酸化するのに消費される酸素量を測定することによって、河川や湖沼の汚れ具合をチェック。測定した値をデータベース化して水質改善への足がかりとする研究だ。

さらに、学生たちが今熱心に取り組んでいるのが「洪水解析と河川氾らんのシミュレーション」。洪水のシミュレーションでは、時系列的に動くアニメーションソフトを使って、見やすく分かりやすいモデルを構築しようとしている。「この3次元的ヴィジュアル表示は見る人にとって非常に効果的で、情報提供する場合誰が見ても分かりやすくなるよう開発している」という。

「学生たちには、自分でテーマを見つけるよう指導し、エンジニアとしてそれを説明できるよう意識しながらの開発を心がけさせている。このように自然や環境を知ることで、自然と共生できる社会をつくり、災害に備えることもできるでしょう」。より豊かな街づくりのため、石井研究室はいっそう力を入れる。