にしもと きよし
西本 澄 Kiyoshi Nishimoto
工学部 知能機械工学科
教授
出身:広島県
k.nishimoto.yd@it-hiroshima.ac.jp
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ロボット研究は、日々進化を続けています。現在では、「自分で状況を判断し、自ら動作する」知能ロボットへの期待が高まってきました。
私たちが開発している「移動ロボット」は、ただ車輪で移動するだけではありません。今どこにいて、どちらに進むべきか...を自分で決定し、行動できるロボットを造ろうとしているんです。もちろん、途中に障害物があれば、自分でよけないといけない。そのためにはさまざまなセンサーが必要。こういった機器の開発も重要な課題です。
それだけじゃありません。もう一歩進み、「自分でドアを開ける」ロボットを開発中。ドアノブを見付け、取りつけたアームでノブを回し、ドアを開ける...。ここまでやろうと思うと、さらにいろんな機器を組み込み、制御プログラムも増やしてやらないといけません。が、かなりイイ線まで来ています。3階の実験室からエレベータにのって6階のゼミ室へ、そしてドアをノックして・・・というのが目標です。
私は以前、風力発電システムの研究に関わっていました。南極基地用の風力発電装置を造ったり、セールウイング風車と呼ばれる垂直軸の風車の開発していたんです。その時磨いたコンピュータ制御技術などは、ロボット研究でも大いに役立っていますね。
ロボット開発には、あらゆる知識が必要です。センサーやモーターなどの機器に関する知識、部品や素材に関する知識、それに設計技術や制御技術、プログラム構築...。テクノロジーの結晶と言ってもいいでしょう。だから難しい。だけど面白いんです。
最近、取り組んでいるのが「人間の関節のような指を3本持つロボットハンド」。3本の指があると、人間のような繊細で確実な動作が行えます。これまで難しかった、水の入ったペットボトルも、3本指ならしっかり持てます。
さらに5本指として人間の動きに近いロボットが実用化できれば、例えば介護分野などで大いに活躍するでしょう。「人間と共存し、人間の暮らしを快適にしてくれるよう支援する」ロボット。それが私の目指すロボット像です。
ゼミには20名くらいの学生が出入りしています。私は1年生・2年生を対象とした「自主デザイン工学」という授業を受け持っているのですが、この講座でロボットの面白さに目覚め、ゼミに入ってきた者も大勢いますよ。
学生には、自主的にテーマを決めさせ、好きなロボットや夢のあるモノ作りに取り組んでもらっています。もちろんアドバイスはしますが、私はあくまでフォロー役。主役は学生です。
自作のロボットでコンテストに参加する学生もたくさんいます。私も積極的に参加を勧めているんです。自ら設計・製作したロボットを思い通り制御できた時は、最高に楽しいですよ。展示会などで、自分の作ったロボットを食い入るように見つめる子供たちに出会うと、学生たちもハッとするようですね。自分たちが「夢のあるモノ作りをしているんだ」と実感するのでしょう。
ゼミ取材 こぼれ話
「夫子の道は忠恕のみ」
西本先生に座右の銘をお聞きしたところ、返ってきたのは、曾子の言葉「夫子(ふうし)の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ」。
「先生の道は忠恕、つまりまごころと思いやりとにほかならないのだ」という意味です。この論語の前文には、孔子は弟子たちの質問に対し、その性格・才能などに応じ、その長所を伸ばし、短所を矯ためるように、それぞれ違う答えをしているという箇所があります。西本先生の教育研究は、時代の要求、学生の要望に応じて、さまざまな変遷をたどってきたのは、まさしく、この「夫子の道は忠恕のみ」からだったのかも知れません。