福田 由美子

ふくだ ゆみこ

福田 由美子 Yumiko Fukuda

工学部 建築工学科 教授
出身:佐賀県 (佐賀県立唐津東高校)
y.fukuda.bv@it-hiroshima.ac.jp
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住む人が知恵を出し合うと、連帯感が生まれる

京都洛西ニュータウンに「ユーコート」という集合住宅があります。大学生の時から現在まで20年にわたり、私はユーコートを対象とした研究を続けています。
ユーコートは、日本ではあまり一般的ではないコーポラティブ住宅です。コーポラティブ住宅とは、集合住宅でありながらも、住む人が設計段階から関わることで、自らの求める生活スタイルを実現させようというものです。とはいえ、自分勝手では済まされません。隣人や地域への配慮も必要になってきます。そのなかで、住民たちに連帯感が生まれ、地域コミュニティが誕生するのです。
ユーコートでは、住み始めの頃は30歳代の子育て世代が中心になって、自分たちにとって居心地の良いコミュニティを作ろうと奮闘されました。自分たちで学童保育の先生を雇ったりもしていました。
その結果、ユーコートはそこで育った子どもたちにとっては、立派な「ふるさと」になっています。今でもユーコートには、親が移転しても「好きだから」住み続ける子供世代がいます。ユーコート自体は高齢化が進んでいきますが、これからもどうやって「ふるさと」として集合住宅を守り育てていくのか、観察を続けるつもりです。

様々な機会を通じ、地域の人々と触れ合う学生たち

私のゼミでは、地域のいろいろな活動に学生たちを参加させています。そうした活動を通して、1人ひとりの学生に自らのテーマを探していってもらいたいと考えているからです。
活動の1つに、「海老(かいろう)山と遊ぼう会」があります。毎月第2土曜日に、地域の子供たちを集めて、昔ながらの遊びを教えるというものです。行政から「なにか海老山を活用するようなことができないか」と相談されたことが、きっかけでした。この活動を始めて既に10年が経っています。
地元の住民の方と打ち合わせを行い、小学校などにポスターを貼らせてもらったりして、歴代のゼミの学生たちがたくさんの子供と遊んでいます。
学外での活動は、地域の中でさまざまな人と接する機会を与えてくれます。それによって、学生は多くの社会勉強ができます。ゼミの学生は「人と話すのが苦手な人には辛いかも」と言ったりもしますが、活動を通して解消されていくでしょう。実際、「引っ込み思案な性格を直したい」と、ゼミに参加してくる学生もいるくらいです。

被爆前の、住民の思い出がつまった広島をCGで再現

私はここ数年、原爆投下前の広島の街並みをコンピュータ・グラフィックで再現させる作業に関わっています。当時の住民たちを訪ねて、昔そこに何があったのか、その頃の暮らしぶりはどんなものだったのか、聞かせてもらいます。彼らの話を元に、街並みを再現させようという試みです。
「原爆に関した話を聞くのはとても辛いことではないか、特に私のように他県の出身者にとっては」と最初は心配でした。ところが、住民の方々は、非常に楽しそうに、生き生きと当時の暮らしぶりを語ってくれました。
改めて、自分が暮らしたまちを失ったことの悲惨さと、小さい時の街の記憶、家の記憶というものの大切さを痛感しました。そして、私たちがこれから作る街も、そこに育った子供たちが将来笑いながら話せるものにしなければならない、と強く感じています。