人力飛行同好会発足以来の悲願達成!初の「鳥人間コンテスト」出場に向けて準備は着々と進んでいます。

2017年05月19日

「鳥人間コンテスト」での飛行をめざす人力飛行同好会
4月にお伝えしたとおり、広島工業大学人力飛行機同好会「HIT SKY Project」が読売テレビ主催の「第40回鳥人間コンテスト2017」(※)滑空機部門の書類選考を通過しました。追加書類を提出し、安全審査に問題がなければ、正式に出場が決定する予定です。そこで今回は、本番に向けて準備に取り組むメンバーの様子をお伝えします。

人力飛行機同好会「HIT SKY Project」は、「鳥人間コンテスト」への参加を目標として結成されました。人力飛行機あるいは飛行機や空に興味のある人たちが集まっています。未経験者ばかりのため、広島大学や九州大学などの他チームと技術交流を重ねながら、これまで技術を蓄積。いろいろな交流会に参加してきた先輩から後輩へと、技術が伝えられてきました。顧問の宇都宮浩司先生(知能機械工学科)は流体力学の専門家。知能機械工学科の学生も多く在籍していますが、4年生の川邊さんによれば、「学生の自主性を大切にして見守ってくれている」とのこと。メンバーの皆さんも自分たちのペースで活動を楽しんでいるようです。

※「鳥人間コンテスト」とは
滋賀県琵琶湖東岸を舞台に、自作の人力飛行機による飛行距離および飛行時間を競う大会。「滑空機部門」「人力プロペラ機ディスタンス部門」の2部門から成ります。「HIT SKY Project」が参加する「滑空機部門」は、プラットフォームの先端から着水した機体の最後尾までの飛行距離を競います。広島県からの参加は今回で3団体目という難関の大会です。

この日は活動場所である6号館208教室でお話を聞きました。壁には、同好会の歴史を物語る貴重な資料も見られます。

この日は活動場所である6号館208教室でお話を聞きました。壁には、同好会の歴史を物語る貴重な資料も見られます。

翼のパーツのひとつ、リブの型をフリーハンドで写し取っていきます。「全部手作業なので時間がかかります」

翼のパーツのひとつ、リブの型をフリーハンドで写し取っていきます。「全部手作業なので時間がかかります」

全体をずれないように重ねて、少しずつ熱線カッターでカットしていきます。ズレ防止の要は、2本の木の棒。

全体をずれないように重ねて、少しずつ熱線カッターでカットしていきます。ズレ防止の要は、2本の木の棒。

「曲線を切っていくのは何度やっても難しい」。これをキレイに仕上げないとうまく飛ばないので責任重大です。

「曲線を切っていくのは何度やっても難しい」。これをキレイに仕上げないとうまく飛ばないので責任重大です。

あちらを少し、こちらを少しと切っていくことで失敗が少なくなるそう。このような地道な作業を続けていきます。

あちらを少し、こちらを少しと切っていくことで失敗が少なくなるそう。このような地道な作業を続けていきます。

「まあまあの出来ですね」。最後にヤスリをかけて、さらになめらかなラインに整えます。

「まあまあの出来ですね」。最後にヤスリをかけて、さらになめらかなラインに整えます。

同好会の歴史に新たなる一歩を刻む
<今回お話を伺った皆さん>
上野雅史さん(知能機械工学科 2年)、井上友貴さん(知能機械工学科 2年)、川邊大輝さん(電子情報工学科 4年)、石飛想也さん(知能機械工学科 4年)

―部員数と普段の活動の様子を教えてください。
4月現在で、4年生が2名、3年生1名、2年生4名、1年生1名の計8名。もう少し1年生が増えそうです。普段は設計をするのが中心で、設計図や模型を作りながら、作り方を議論して詰めています。

―これまでの活動で大変だったことは何ですか。
最初は材料も予算も少なく、部としてのまとまりもいまひとつで、一時は活動を休止していたこともありました。その後、何もわからないところから再出発して、知識を吸収するために、いろいろなチームと交流するようになりました。特に、前の部長がとても熱心に動いて、実際に大会に足を運んだり、他のチームとの関係を作ったりしてくれました。材料費がかかることなので、制作には無駄が出ないよう、丁寧な作業を心がけるようにしています。

―どんなところが楽しいですか。
自分で作ったもので、自分が飛べるところですね。人力飛行機というと動力があるものと勘違いされがちですが、私たちは滑空するグライダーを作って飛んでいます。そうした飛行への憧れや、ものづくりのおもしろさを味わえるのが魅力だと思います。

―今回、書類選考を通過できたのは、何が勝因だったと思いますか。
昨年設計したものの安全性を上げたことと、他チームがどのように取り組んでいるかを調べて参考にしたことが大きかったと思います。応募書類にはチームをアピールするところもあるので、いろいろ工夫して応募しました。飛行機も昨年より改良が進んでいます。

―今後はどういったスケジュールになるのでしょうか。
機体の制作はすでに始まっています。4月中には150ほどのリブを全部仕上げて、5月にはコックピット周辺を作り、6月上旬には組み立てに入ります。そして、6月下旬にはグラウンドでテスト飛行をやりたいですね。機体を調整して、本番に向けて万全の体制を整えていきたいです。

―今回の参加をOBの皆さんも喜ばれているでしょうね。
悲願でしたから、皆さん喜んでくださっていると思います。何より今回初出場できるのは、OBの皆さんがこれまで活動を支えてきてくださったおかげです。休みの日に訪ねてきて、助言をくださる先輩もいるので、とても心強いですね。

部室のすぐそばにある作業スペースで、翼の制作を進めています。

部室のすぐそばにある作業スペースで、翼の制作を進めています。

実物の機体を作る前に、模型を制作しました。「この白い部分で機体を分割してから会場まで運搬し、現地でつなぐつもりです」と川邊さん。

この白い部分で機体を分割してから会場まで運搬し、現地でつなぐつもりです」と川邊さん。

5月の大型連休期間中にはOBが訪ねてきてくれました。OBの皆さんも初出場をとても喜んでいます。

「私が活動していた時は書類審査に通らず、悔しい思いや挫折感を味わってきたので、今回の書類審査合格は大変うれしく思います。私の設計したものがベースになった機体が琵琶湖で飛んでる姿をぜひ見たいです」OBの寺岡 優治さん(最前列の左、2017年3月 知能機械工学科卒)

「私が活動していた時は書類審査に通らず、悔しい思いや挫折感を味わってきたので、今回の書類審査合格は大変うれしく思います。私の設計したものがベースになった機体が琵琶湖で飛んでる姿をぜひ見たいです」OBの寺岡 優治さん(最前列の左、2017年3月 知能機械工学科卒)

まずはスタート地点に立つこと
―最後に、大会での目標を教えてください。
最低でも300mは超えたいという思いはありますが、その前に、大会当日、車検のような機体チェックがあって、それに合格しないと飛び立つことができません。だからまずは、それに合格してスタート地点に立つこと。そして、みんな怪我することなく無事に帰ってくること。それが私たちの目標です。頑張ってきます!

「第40回鳥人間コンテスト2017」は7月29日(土)・30日(日)の両日、滋賀県彦根市の琵琶湖東岸で開催されます。「HIT SKY Project」の皆さん、初フライトを目指して頑張ってください!