広島工業大学

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広島工業大学

電気システム工学科

細谷 健一

教員紹介

細谷 健一HOSOYA Kenichi

工学部 電気システム工学科 教授

研究者情報

プロフィール

【専門分野】
○マイクロ波・ミリ波工学
【担当科目】
電気数学 、 基礎電気回路I 、 基礎電気回路演習 、 電気回路理論A/B 、 電子回路I/II 、 無線通信工学 、 信号処理回路 、 電気基礎実験B(PBL) 、 電気応用実験B(PBL) 、 電気システム実験C 、 プログラム実践基礎 、 プログラム実践応用 、 社会実践応用 、 専門ゼミナールA/B
【研究テーマ】
1.高速無線通信用マイクロ波・ミリ波半導体集積回路及びサブシステムの高性能化
2.マイクロ波・ミリ波半導体集積回路のマルチフィジックスシミュレーション
3.マイクロ波・ミリ波非線型回路の大域的安定性解析
【ひとこと】

心からわくわく出来ることを見つけ、やり続けてください。

研究紹介

細谷 健一HOSOYA Kenichi

工学部 電気システム工学科 教授

手つかずの「ミリ波」開拓で、
無線データ通信の大容量化・高速化が可能に!
PROLOGUE

スマートフォンなどのモバイル端末で通信を行う際、多くの人が「Wi-Fi」を利用しているでしょう。Wi-Fiはマイクロ波と呼ばれる周波数の電磁波を利用していますが、このマイクロ波は多彩なアプリケーションによって使用されているため、あまり余裕がありません。多くの車で渋滞した高速道路のような状態で、これ以上の大容量・高速通信に対応できそうにもないのです。そこで着目されているのが「ミリ波」。ほとんど手つかずの周波数帯なので、大容量・高速のデータ通信にも活用できる余地があります。そうしたミリ波開拓の研究を続けているのが、細谷先生です。

電磁波制御の技術進化に伴って、ミリ波活用の環境が整ってきた

スマートフォンによる無線通信が年々、大容量化・高速化しています。無線通信システムは、周波数1~30GHzの「マイクロ波帯」と呼ばれる電磁波を使っており、Wi-Fiでは、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数が利用されています。
すべてのモノがインターネットとつながるIoTや、ビッグデータ活用の本格化に伴い、無線データ通信は、より大容量化・高速化しています。しかし、マイクロ波帯はすでに多くのアプリケーションが使っているため、ほとんど空きがありません。
そこで注目されるのが、「ミリ波帯」と呼ばれる30~300GHzの帯域です。ミリ波帯の研究は1990年代から盛んに行われてきましたが、電磁波を制御する高周波集積回路の技術が追いつかず、ほとんど実用化できていません。一部、自動車の衝突回避システムなどには「ミリ波レーダ」という名で76GHzのミリ波がすでに登場していますが、大半の帯域は手付かずのままでした。しかし制御技術が進化し、ミリ波帯の利用が現実味を帯びてきました。

Wi-Fiの次の無線LAN規格は、10倍以上高速になる

Wi-Fiの次の主流になると予測される無線LAN規格に、WiGig(ワイギグ)があります。これは60GHzを使ったもので、数年のうちに市場に登場するでしょう。従来広く使われてきたWi-Fi規格(IEEE802.11a/b/g/n)だと、通信速度は最大600Mbps程度でした。しかしWiGigだと理論上、6.9Gbpsが可能。スピードが10倍以上になるため、さらなる大容量化・高速化の要求にも耐えられます。
ゼミでは、70~80GHz帯を利用した「大容量モバイルバックホール」向けの集積回路の研究も行っています。スマートフォンなどのモバイル端末から発信されたデータは、無線基地局を経由して交換局に送られます。この末端のアクセス回線と、中心部の基幹通信網を結ぶネットワークが「モバイルバックホール」。日本ではモバイルバックホールを光ファイバで構成しますが、光ファイバのない新興国や、歴史建造物が多く光ファイバ敷設の困難な欧州では、無線で構成したいというニーズがあります。こうした要望にうってつけなのが、ミリ波なのです。この研究は、名古屋工業大学、福井大学と共同で進めています。

メタマテリアルを用いると、今までになかったデバイスが実現する

今、電磁波の利用法に新たな動きが起こっています。それがメタマテリアル技術です。メタマテリアルとは、電磁波に対して自然界の物質ではあり得ない振る舞いをする人工物のこと。最も象徴的な例が「クローキング(透明マント)」です。メタマテリアルを媒質として用いると、光(光も電磁波の一種)の屈折率が負になり「透明になってしまう」のです。
私は、メタマテリアルを発振器や移相器に用いた今までと異なるデバイスについて研究しています。一般に、周波数が低くなると、デバイスのサイズは大きくなります。しかしメタマテリアルを用いると、自然と逆転するため、低い周波数でもデバイスのサイズを小さくできる可能性があります。また、さまざまな周波数に対応する効率的なマルチバンド化なども期待されています。
電波には(1)通信(2)センシング(3)加熱・乾燥(4)無線電力伝送、といった多様な利用形態が考えられます。(2)は空港の保安検査などに利用されていますし(イメージング)、レーダなどもここに含まれます。(3)は電子レンジでおなじみ。(4)はこれからですが、社会から大きな期待が寄せられています。各分野で研究を進め、電磁波の有効活用を実現したいですね。
電磁波利用の研究を進める上では、基盤となる設計技術の開発も重要。半導体集積回路の特性を統合的に予測するマルチフィジックスシミュレーション技術や、非線形回路の不安定現象を解析する大域的安定性解析技術など、基盤技術の整備にも力を入れます。