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電気システム工学科

久保川 淳司

教員紹介

久保川 淳司KUBOKAWA Junji

工学部 電気システム工学科 教授

研究者情報

プロフィール

【専門分野】
○エネルギーシステム最適化
【担当科目】
情報学入門 、 プログラミング1/2 、 Webプログラミング
【研究テーマ】
1.電力システムの最適化
【ひとこと】

広島工業大学出身です。

研究紹介

久保川 淳司KUBOKAWA Junji

工学部 電気システム工学科 教授

大きな変革が到来する中、
電力がインフラとしての役割を果たし続けるには?
PROLOGUE

電力は、生活にも産業にも欠かせない重要なインフラ。パソコンやスマートフォン、テレビやエアコンが安心して使えるのも、電力が安定供給されるからです。最近はEV(電気自動車)へのシフトも進み、電力の重要性がさらに増しています。その電力は「大きな変革の時代を迎えている」と語るのが久保川先生。従来になかった変革が進む中、電力がインフラとしての役割を適切に果たすためには、これまで以上に電力の「最適化」を進めていかなければならない、と先生は語ります。

電力の将来像を、最適化の手法で見出す

2016年の「電力の小売自由化」を皮切りに、電力は大きな変革の時代に入っています。今や電力は電力会社以外にも、通信系やエネルギー系などいろんな会社から購入できます。小売自由化に向けた適正な競争環境を形成するため、従来の電力会社は発電・給配電・電力販売の3つに分割しました。
発電会社は自力での生き残りを図り、コスト削減のため稼働率の低い発電所を廃止するようになりました。企業論理に照らせばこうした動きは当然なのですが、発電所を減らし過ぎ、供給が不十分になってしまうと元も子もありません。
そこで「容量市場」が形成されました。容量市場とは「現在の電力量」ではなく「将来の供給量」を取引する市場です。発電会社は、自社の供給力を容量市場に出しておけば、発電しなくても収入が得られ、発電設備の維持管理に使えます。そして電力が不足しそうになったら、発電所を稼働させるわけです。
しかし容量市場はまだスタートしたばかりで、どういう利用の仕方が発電会社のメリットになり、同時に社会の電力安定供給につながるか、将来像がはっきり見えません。その点を、社会情勢や経済状況も踏まえた上で、最適化の手法を用いて研究しようとしています。

最適化を使って、
電力の将来のあり方を考えます

「容量市場」「需給調整市場」など、新たな電力市場がどんどん生まれている

私は、自然災害など不測の事態があっても、数秒~数時間で電力を復旧させる最適化プログラムについて長く研究してきました。最適潮流計算法という手法で、日常的な電力供給の安定化を考えるのです。これと比べ容量市場は、5年、10年という時間スケールのテーマですが、最適化の視点は応用できます。
もう一つ、電力の変革という点で無視できないのが、再生可能エネルギーです。太陽光や風力は、不確実要素が多い変動電源です。この電力をどう調達し、電力の需給バランスを考慮しながら活用するか、というのは難しい問題です。
そこで「需給調整市場」が誕生しています。これは各発電所が持つ、需要と供給のバランスを一致させるための「調整力」を取引する市場です。発電会社が現在どれだけ発電しており、どれほどの発電余力があるか、というのは発電所によって異なります。そんな中、電力を調整市場に出した方がいいのか、あるいは通常の電力市場に出すべきか、発電所は考えなければなりません。会社にとって利益が最大化でき、かつ電力の安定供給という社会的役割を果たすことのできるモデルは、まだどこにもありません。そこで「最適化」の発想を活用して考えていきます。

多数のファクター(要因)が
複雑に絡み合う電力をモデル化するのは、
簡単ではありません

IoTシステムのハード・ソフト開発も進める

ゼミでは、IoTに関わるシステム開発も行っています。今、進めているのは、地震振動の加速度計測というもので、建築デザイン学科の先生と協働で進めています。従来の測定計は高額なので、計測装置とボード型の簡易コンピュータを組み合わせ、原価1万円程度で作れないか、と挑戦しています。ハード設計もソフトのプログラミングも学生たちにやってもらっているのですが、結構精度のいいシステムができそうです。
また、コンクリート製造装置の制御システムにも取り組んでいます。何百mも先からセメントの粉と石、水を、圧縮空気でパイプを使って送り、パイプの出口付近で吹き付けてコンクリートを製造する、という装置があります。しかし高圧で送られるセメントと石と水をほどよく混合するには熟練の技が必要です。これをコンピュータで自動制御できるようにならないか、と考えています。そうすれば品質のばらつきを抑えられるはずです。
電力とIoTシステムは、親和性の高い領域です。電力会社に就職しても、メーカーで働くにしても、この両者がわかっていれば、生産性の向上に貢献できます。そういった、多面的な人材を育てる意味でも、IoTへの取り組みは価値があると思います。

学科を超えたIoTシステムの
開発にも取り組んでいます