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機械情報工学科

鈴村 文寛

教員紹介

鈴村 文寛SUZUMURA Fumihiro

工学部 機械情報工学科 教授

研究者情報

プロフィール

【担当科目】
情報基礎実習I 、 情報処理 、 知能情報
【研究テーマ】
1.大規模システムの分散処理に関する研究
2.ニューロコンピューティングに関する研究
3.単眼視画像の次元復元に関する研究
【ひとこと】

わたしは広島工大の卒業生です。
いっしょにがんばっていきましょう。

研究紹介

鈴村 文寛SUZUMURA Fumihiro

工学部 機械情報工学科 教授

本物ソックリのCG映像は、
細かく計算された数式から生まれる
PROLOGUE

ゲームや映画ですっかりおなじみとなったCG映像。まるで本物のように動く筋肉、本当の光が差しているように形を変える影、映像の中にいる人々や動物の息づかいまで、現実とソックリです。でも、なぜこんなにリアルなの?その疑問に、鈴村先生は答えます。「根底に、精密な数式があるからです」。実際に起こる現象を細かく分析し、計算すれば、どんな出来事でもシミュレーションし、ある程度再現することが可能になる、という鈴村先生。本当にそんな力が数式にあるのでしょうか?

職人の伝統芸も、数式化により再現をめざす

全ての事象を数式化して、再現できるようにすること。大袈裟に言えば、これが私の研究課題です。「どんなに複雑に見えるものでも、細分化して数式化できれば、再現は可能だ」と、私は考えています。
機械では再現できないと言われている職人の技も、その動作を細かく、ナノレベル(ナノ=10億分の1。1nm(ナノメートル)=100万分の1mmで、原子や分子レベルの大きさを指す)まで細分化して数値化できれば、再現は可能だと思います。
職人が「勘」で行っている動作も、突き詰めればさまざまな経験値が積み重なったもの。言い換えれば、「勘」も過去のデータからの計算で組み立てられているということになります。だとしたら、細分化して数値化できるはずです。
ナノテクノロジーの発達は、細分化の作業を飛躍的に進歩させました。例えば、私はナノテクノロジーを駆使して、水滴をコンピュータ上に再現しようとしています。水滴の大きさを、幅50nm、高さ17nmなどと数値化し、その形が時間によって変わっていく様子を数式化して、立体画像での再現を試みています。

シミュレーションの高度化が、資源の無駄遣いを防ぐ

私の専攻は、機械情報です。あらゆる機械の動作を、情報=数値に置き換え、数式化し、それによって目に見えるようにするのです。機械の動作や部材を数値化、数式化しておけば、なにか不具合が起きたときにも、すぐに原因が分かります。
実際に研究室ではいろんな機械のシミュレーションを行っており、まるで「機械の臨床検査所」みたいです。ゼミは「機械の臨床検査技師養成所」といったところでしょうか。私のゼミの卒業生は、機械情報設計の仕事に関わる人が多くいます。
さらに一歩進んで、実際の機械製造や部材作成の際、あらかじめその機械の動作や部品特性を数式化しておけば、シミュレーションが可能になります。機械を作る前に、このシミュレーションによって、さまざまな不具合を予測することもできるのです。このシミュレーションが高度化すれば、新製品を開発するときに、時間と費用を大幅に減らせるようになり、資源の無駄遣いも防げます。
機械の数値化、数式化は、科学・産業の発展、ひいては私たちの生活の向上に、欠かせないのです。

数学と数式で、全て分かった気になってはいけない

私のゼミには、数字好き、数式好きの学生たちが集まってきます。私はそんな彼らに、数字と数式で全てを分かった気にならないようにと、「よく理解しろ、そして謙虚になれ」と言っています。大切なのは、「今なにが解っていて、今なにが解らないかを知ることだ」と思います。それを理解しない限り、次のステップには進めません。
学生に与えるテーマは、「濡れ性」「熱変形」「予測」「評価」といったもの。それぞれの事象を、いかに数値化するのか。どれも難しい課題ですが、あきらめずに追求していく学生は確かな手応えを掴むようになります。