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企業の課題に取り組む「地域プロジェクト」で、学生たちが最終プランを発表~生体医工学科

2023.04.05

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「臨床工学技士」を志す学生が学ぶ生体医工学科では、後期のPBL(課題解決型学習)として、地元企業の協力のもと「地域プロジェクト」に取り組みました。全6回の授業で学生たちは「医学」「臨床」「工学」の3分野に分かれ、各企業から提示された課題を解決するプランを作成し、その結果を発表しました。

医学分野で協力いただいたのは広島県赤十字血液センター。若者の献血離れが進む今、このままだと将来必要な血液が確保できなくなるため、「10代~20代が献血したくなるプロジェクトを考える」という課題をいただきました。
臨床分野では中国電力株式会社中電病院から「臨床工学技士が使用する機器の問題点の改善」という課題をいただき、工学分野では藤井医療器株式会社から「世代間交流を促す環境づくり」が課題として提示されました。(初回の授業の様子はこちら

広島県赤十字血液センターの課題に取り組む医学分野の学生チーム

広島県赤十字血液センターの課題に取り組む医学分野の学生チーム

初回の授業で若年層の献血離れが深刻な問題になっていることを知った医学分野の学生たち。「その事実を多くの人に知ってもらう工夫が必要」と、「献血の様子を動画にしてSNSで発信する」「ポスターを作成し目立つところに掲示する」「献血PRを担う学生チームを結成し献血を促す活動をする」「学食の割引券を発行し学生の献血を促す」など同世代に向けたアプローチを提案しました。

発表を温かく見守る広島県赤十字血液センター所長の麻奥さんと献血推進課の杉さん

発表を温かく見守る広島県赤十字血液センター所長の麻奥さんと献血推進課の杉さん

臨床分野は、「臨床工学技士が使用する機器(生体情報モニター、麻酔器、非侵襲的陽圧換気 (NPPV)人工呼吸器、電源設備)の問題点の改善策」を考えました。

課題にあげられた問題点には、実際に中電病院で働く臨床工学技士の声が反映されている

課題にあげられた問題点には、実際に中電病院で働く臨床工学技士の声が反映されている

電源設備についての発表では、技士以外の人による誤接続の防止策が提案されました。「色分けをする」「磁石のSNが合致しないと反発する性質を利用する」「カラーセンサをつけてコンセントの色を識別する」などの案が出され、それぞれのコスト面や安全性を比較しました。ほかにも「教育が大切で、知識を定着するにはアウトプットが効果的」とし、休憩時間などに気軽に観られる短い動画を作成したり、互いに教え合う環境を作ったりするなどの案が提案されました。

「時間をかけて調べたのが伝わりました。まずは知ること、そこからアイデアが生まれます」と話す臨床工学技士の元山さん

「時間をかけて調べたのが伝わりました。まずは知ること、そこからアイデアが生まれます」と話す臨床工学技士の元山さん

工学分野の学生たちが取り組んだのは「世代間交流を促す環境づくり」。藤井医療器(株)ではコロナ禍でリモートワークが導入されるなど環境が変化する中で、社内のコミュニケーションが変わってきたと感じる場面が増えたそう。特に世代間のコミュニケーションに課題があるといい「自然に交流できる環境づくり」という課題をいただきました。

学年混成のチームに分かれて課題に取り組んだ

学年混成のチームに分かれて課題に取り組んだ

学生は「お互いを知る機会を持つ」「少人数で密に話せる仕組みを作る」などを提案。「1年生と2年生が一緒に作業をするこの授業でも、2年生は1年生の意見を否定してもいいのか、1年生は先輩に意見していいのかという気遣いがありました。『お互いが遠慮をし過ぎている』のも世代間のコミュニケーションがうまくいかない原因なのでは」という気づきも発表しました。

「今回のアイデアは何かしらの形で社内に取り入れたい」と話す藤井医療器(株)の藤井社長

「今回のアイデアは何かしらの形で社内に取り入れたい」と話す藤井医療器(株)の藤井社長

この授業は本学が力を入れている社会実践科目として行われ、企業などの協力のもと学科の学びと社会にかかわる課題をテーマに、1年次生と2年次生が共に学ぶなど多様な人と協働し課題解決する力を養うことを目的としています。

医学分野で動画やポスターを制作し、献血を促すプランを提案したグループの1年次生の新坂さん(山口県立岩国工業高等学校出身/山口県)と新田さん(広島県立安芸府中高等学校出身/広島県)は「2年生と同じチームで最初は遠慮がありました。だんだんと対等に話せるようになり、意見交換ができる関係になれたと思います」と他学年と共に学ぶ楽しさを話してくれました。

ポスター制作には見やすさや印象に残るデザインを心掛けた

ポスター制作には見やすさや印象に残るデザインを心掛けた

2年次生で動画を制作した秋月さん(広島県立宮島工業高等学校出身/広島県)は、先輩としてチームを牽引してくれました。「来年度のために途中でリーダーを1年生と交代した後も、2年生は裏方でサポートに撤するなど心掛けました」と話します。

「意見を言い合える良いチームだった」と振り返る秋月さん

「意見を言い合える良いチームだった」と振り返る秋月さん

ご協力をいただいた皆様からも「学生の皆さんが今回取り組んだことは、普段から仕事でしていることと同じ。この経験は社会に出たときに役立つと思う」「チームワークを意識して取り組んでくれたのが嬉しい」などの声をいただきました。

「プランするだけでなく、一歩踏み込んで実際に取り組むなど行動にもつなげてほしい」と新たな課題もいただき、学生たちには刺激になったようです。協力いただいた関係者の皆様、ありがとうございました。

※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。