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情報工学科の十字さんが日本オペレーションズ・リサーチ学会中国四国支部長賞を受賞

2023.04.25

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情報学部情報工学科 十字優輔さん(広島県立安古市高等学校出身/広島県)(2023年3月本学卒業)が、日本オペレーションズ・リサーチ学会の中国・四国支部長賞を受賞しました。オペレーションズ・リサーチとは、会社や学校といった組織や社会において、意思決定がどう行われるか、また集団内で発生するさまざまな問題を効率的に解決する手法とは何か、数理モデルを活用して解析する研究のことです。
十字さんの研究「マルチエージェントシステムに基づく性差別による偏見を考慮した社会的差別のシミュレーション」は、成果や研究姿勢が高く評価され、同賞受賞につながりました。

そして、日本経営システム学会「イノベーション指向データ分析」研究会の主催する2022年度研究発表会で、十字さんの研究が発表されました。

支部長賞表彰状を手にした十字さん

支部長賞表彰状を手にした十字さん

対面・オンライン併用の発表会で研究内容をプレゼン

対面・オンライン併用の発表会で研究内容をプレゼン

現実社会の差別はどのような状況で発生するのか、マルチエージェントシステムを用いて解明するのが、十字さんらの研究です。中でも十字さんは、男女間で発生する「性差別」に着目しました。
「マルチエージェントにプロパティを持たせ、二次元平面上に展開します。エージェントが隣接した時、差異が一定以上大きければ"嫌悪度が高い"と判定し、隣接エージェントへ攻撃を開始するモデルがあります。
私はこのモデルに、男女を示すプロパティを採り入れました。隣接エージェントが女性だった場合、嫌悪度が小さくても、男性エージェントから見て女性のプロパティが低ければ攻撃し、逆に高ければ支援をするという条件でシミュレーションしたのです」

社会に存在する差別の発生要因や状況を解析

社会に存在する差別の発生要因や状況を解析

"嫌悪度"が差別を生み出すとした先行研究を紹介

"嫌悪度"が差別を生み出すとした先行研究を紹介

先行研究モデルに"性差"という要素を加えた結果、どうなったか。
「男性エージェントのプロパティの方が、女性より有意に高くなりました。また、男性エージェントは連続的に攻撃しやすく、逆に女性エージェントは連続的に攻撃を受けやすいという傾向もわかりました。"性差による偏見"を加えたことで、私たちの研究モデルが、実社会の有り様に一歩近づいたと言えます」
と十字さんは結論づけました。

エージェントに性差を持たせ、シミュレーションを実施

エージェントに性差を持たせ、シミュレーションを実施

男性による女性差別の様相が表出

男性による女性差別の様相が表出

こうした研究の積み重ねが、不当な偏見や差別をなくすのに貢献するでしょう。
十字さんの受賞に対し、改めてお祝い申し上げます。