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大学の学びを一般市民の皆さまにわかりやすく解説 2017年度「公開講座」を開催しました。

2017.06.06

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広島工業大学では毎年、大学の学びや研究内容を一般の方々に紹介する公開講座を開催しています。2017年度は、「安全で快適な建物造りと街づくりを目指して-健康的で利便性が高く、災害に強い建物・街づくりとは-」をテーマに、5月20日・27日、6月3日の3日間開催しました。
ここでは、工学部建築工学科准教授の向山徹先生が担当した第3・4回の講座の様子をお伝えします。「木造建築の歴史」「現在そしてこれからの木造建築」と題して、参加者の皆さまにわかりやすく解説しました。

会場となったのは、広島県民文化センター5階にある「サテライトキャンパスひろしま」大講義室です。

会場となったのは、広島県民文化センター5階にある「サテライトキャンパスひろしま」大講義室です。

高校生から一般の方まで多くの方が参加。メモを取りながら、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

高校生から一般の方まで多くの方が参加。メモを取りながら、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

木造建築と自然環境の関係性を見つめて
最初の講座では、竪穴式住居から始まる原初の木造建築が、さまざまな外的影響を受けながら日本独自の建築形態を作り出すまでの「木造建築の歴史」を解説。自然や気候風土などの環境が、建築にもたらす関係性についても言及しました。続いての講座「現在そしてこれからの木造建築」では、広島県の自然環境を3つのエリアに分け、それぞれの地域に適した家の実例を紹介。伝統技術に根差しながらも将来を見据えて建てられている現在の木造住宅を説明し、これからの木造建築技術の展望を解説しました。

厳島神社の社殿配置図を説明する向山先生。写真や図版を数多く用いるなど、理解しやすい工夫がされていました。

厳島神社の社殿配置図を説明する向山先生。写真や図版を数多く用いるなど、理解しやすい工夫がされていました。

「傾斜した敷地を有効活用した家は、金物を一切使わない伝統構法です」と先生自らが設計した家を紹介。

「傾斜した敷地を有効活用した家は、金物を一切使わない伝統構法です」と先生自らが設計した家を紹介。

建築への興味が高まる講座
この日の参加者はのべ192名。出席者の皆さまはとても熱心に聴講され、途中で質問も出るなど、あっという間に過ぎた3時間でした。聴講していた高校生に、参加の動機や感想を聞きしました。

3人で参加していた五日市高校3年の皆さん
「学校に掲示されていた案内を見て、建築系の大学を目指している友人を誘って参加しました。普通科なのでこういった専門的な話を聞く機会はほとんどなかったため、とても面白くて、建築学にますます興味がわきました

徳山商工高校(環境土木コース)3年の高重さん
「高校の先生に勧められて、JRで2時間かけて来ました。すべての話が興味深かったのですが、中でも法隆寺や正倉院などの伝統的な技法の話が一番楽しかったです。大学に入ってもっと深く勉強したいと思いました

五日市高校3年の仲良し3人組「今日の講義で興味が深まり、建築の道に進みたいと実感しました」

五日市高校3年の仲良し3人組「今日の講義で興味が深まり、建築の道に進みたいと実感しました」

徳山商工高校3年の高重さん「高校では土木施工管理について学んでいますが、大学では建築設計の勉強をしてみたいと思っています」

徳山商工高校3年の高重さん「高校では土木施工管理について学んでいますが、大学では建築設計の勉強をしてみたいと思っています」

そして、講義を終えた向山徹先生にもお話を聞きました。
「今日の講義でお伝えしたかったのは、建築の考え方はシンプルで、その基本的な考え方は昔から変わらないということです。私も、歴史を振り返ることによって、意匠(建築デザイン)のインスピレーションを受けています。木造建築の面白さは、木という弱い材料を使って、いかに強い家を建てるか。それは、大工、職人、構造設計者、設計士などがコラボレーションしてこそ出来上がるものです。皆さんも建物を見て、作った人々の想いを感じてほしいですね」

「一番好きな木造建築は錦帯橋。向こうが見えないように設計されたアーチ橋は、本当に素晴らしい」と向山先生。

「一番好きな木造建築は錦帯橋。向こうが見えないように設計されたアーチ橋は、本当に素晴らしい」と向山先生。

今年度の公開講座にご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。今後も、広島工業大学は暮らしに役立つ大学の学びを一般の皆さまに公開する講座を開催してまいります。来年もご参加をお待ちしています。

公開講座