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自作の電気自動車で念願の勝利をつかむ Team HIT-EV「2018Ene-1GP SUZUKA」部門優勝

2018.09.26

このニュースは、クローズされました

40本の充電式単三電池を動力源とする電気自動車を自作し、数々のレースに参戦している学生団体Team HIT-EV。今年度の学生自主企画プログラム「HITチャレンジ※」にも採択され、精力的に活動しています。
8月5日、Team HIT-EVは鈴鹿サーキット(三重県)で開催された「2018Ene-1GP SUZUKA」に参戦し、総合11位、大学・高専・専門学校部門では見事優勝を果たしました。メンバーは、リーダーの立花侑矢さん(機械システム工学科3年)、大西宏樹さん(知能機械工学科4年)、木村晃大さん(電気システム工学科4年)、髙田幹太さん(電気システム工学科1年)の4人。当日のレースとマシン製作について振り返ってもらいました。

※HITチャレンジとは...大学生活で「こんなことをやってみたい」「新しいことに挑戦してみたい」という思いを実現できる制度です。学生が自主的に企画を立て、審査の結果、プログラムが採択されれば最高50万円が支給されます。

左から大西さん、立花さん、木村さん、髙田さん。

左から大西さん、立花さん、木村さん、髙田さん。

大学・高専・専門学校部門の優勝トロフィー。鈴鹿にかけた、鈴をつけた鹿のオブジェが印象的です。

大学・高専・専門学校部門の優勝トロフィー。鈴鹿にかけた、鈴をつけた鹿のオブジェが印象的です。

電池消費量を抑えた、優位なレース運び
レースは1周5.8kmのコースでタイムアタックを3回行い、その合計タイムを競います。3回のタイムアタック中、電池の充電はできません。序盤で電力を消費しすぎると2回目、3回目のタイムアタックでエネルギー不足になってしまうため、エネルギーマネジメントも勝敗を左右します。Team HIT-EVは1回目のタイムアタックで、目標にしていた6分50秒より早い6分46秒を記録。レース中はなるべくブレーキを使わないなど、効率よくエネルギーを使用したことで、電池消費量も予想より抑えることができました。この好結果に「他チームとタイム差ができたことで、その後の作戦に余裕ができた」と立花さん。残り2回は、スピンやタイヤの破損によるリタイヤのリスクを避けるため、7分前半台のタイムで確実に走りきる作戦に変更。安定したレース展開で部門優勝を成し遂げました。

レース走行時の様子。最高速度は時速80kmにも達するそうです。

レース走行時の様子。最高速度は時速80kmにも達するそうです。

動力源となるパナソニック製の充電式単三電池40本。

動力源となるパナソニック製の充電式単三電池40本。

2年の歳月を費やした、悲願の勝利
Team HIT-EVの「Ene-1GP SUZUKA」参戦は3回目。2015年は部門4位、2016年は部門2位と着実に順位を上げてきました。しかし2016年、2位でありながらも優勝チームとのタイム差は1周で約3分、トータルでは約10分近くの大きな開きがありました。そのためマシン改良だけでは部門優勝できないと、一からマシンを製作することを決意。「急いで完成させて中途半端なマシンで参戦するより、自分たちが納得できるマシンで参戦したかった」と大西さん。製作に注力するため2017年度の大会は参戦を見送りました。新マシンはその年の11月に完成。11月25日、ツインリンクもてぎで行われた「Ene-1GP MOTEGI」で部門優勝を飾り、さっそく結果を残します。そして今回の「Ene-1GP SUZUKA」に向け、さらにモーターを改良し、カウル(車体を覆う部品)を軽量化。6月の走行会にも参加し万全の準備で臨みました。「他の大会よりもSUZUKAにかける想いはみんな強かった」と立花さん。2年越しの努力がついに実を結びました。

強度を保ったまま軽量化したカウル(車体を覆う部品)。視界性能も向上させ運転しやすくなっています。

強度を保ったまま軽量化したカウル(車体を覆う部品)。視界性能も向上させ運転しやすくなっています。

レース後、表彰される立花さん(中央)

レース後、表彰される立花さん(中央)

限られた条件の中で、最高のマシンを追求
他のチームは、企業と共同開発している学校や整った開発設備を持つ学校、複数台のマシンでエントリーする学校など強豪ぞろい。そんな中でもTeam HIT-EVは強い想いを持って活動してきました。「予算、時間、設備、技術、人員。他チームと比べると私たちは充実しているわけではありません。しかし限られた条件の中で『どうしたら優勝できるのか』アイデアと工夫で乗り越えてきました。決して簡単ではないからこそ結果が出たときのやりがいも大きいです」と立花さん。どんな環境でも、限界を決めず、最高のマシンを追い求める彼らの姿勢に、モノづくりの真髄を感じます。

「壁にぶつかる度にみんなで乗り越えようと考え続けてきたので、解決能力がつきました」と立花さん。

「壁にぶつかる度にみんなで乗り越えようと考え続けてきたので、解決能力がつきました」と立花さん。

「少ない予算で最高の結果を追い求めてきた自信があります。コストパフォーマンスならTeam HIT-EVはどのチームにも負けていません」と大西さん。

「少ない予算で最高の結果を追い求めてきた自信があります。コストパフォーマンスならTeam HIT-EVはどのチームにも負けていません」と大西さん。

「メンバー同士で意見がぶつかることもあるけれど、だからこそ生まれてきたアイデアや工夫があります」と木村さん。

「メンバー同士で意見がぶつかることもあるけれど、だからこそ生まれてきたアイデアや工夫があります」と木村さん。

「初めての参加で戸惑いがたくさんありました。先輩から学びながら、一つひとつ経験を積み重ねていきます」と髙田さん。

「初めての参加で戸惑いがたくさんありました。先輩から学びながら、一つひとつ経験を積み重ねていきます」と髙田さん。

クルマづくりをゼロから体感できることが魅力
Team HIT-EVには車づくりに係る多くのことが詰まっています。企画から設計、解析、製作、レース、予算管理...これらを通じて知識や技術はもちろん、計画力やコミュニケーション能力など、社会で必要とされるスキルも磨かれます。「はじめはゼロからのスタート。失敗と反省を繰り返しながら多くのことを学びました」と大西さん。新しい仲間も絶賛募集中です。初心者も大歓迎、少しでも興味を持った方はぜひチャレンジしてみてください。ここにしかない学びや成長がきっとあります。

さらに上をめざすためには新メンバーの力が必要です!

さらに上をめざすためには新メンバーの力が必要です!

Team HIT-EVの功績は学内だけでなく地域にも広まっています。今年度から広島市モノづくり支援課が企画する地元中小企業の電気エコラン活動のモデルにもなり、基本構造のノウハウを提供しています。今後は、11月の「エコ電気自動車レースinみやざき」「Ene-1GP MOTEGI」に参戦予定です。現在、マシンの改良を行い磨きをかけているとのこと。さらなる高みをめざして、Team HIT-EVの挑戦はこれからも続きます。