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全国6つの工大が連携し、理工系人材育成の活性化を目指す 第2回工大サミット開催

2018.12.05

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10月27日、全国6つの理工系大学(愛知工業大学、大阪工業大学、芝浦工業大学、東北工業大学、広島工業大学、福岡工業大学)による第2回工大サミットが芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催されました。このサミットは、各大学の取り組みを共有し、協力してグローバルな世界で活躍できる理工系人材の育成につなげることを目的として2017年3月に設立。2回目となる今回は「国際社会で活躍できる理工系イノベーション人材の育成」をテーマに、各大学が取り組む独自の教育事例を報告。また、IR(Institutional Research)データからみる理工系大学の特徴を紹介したほか、理工系大学の発展に向けたパネルディスカッションが行われました。その様子をお伝えします。

芝浦工業大学豊洲キャンパスに、約200人の来場者が集まりました。

芝浦工業大学豊洲キャンパスに、約200人の来場者が集まりました。

会場入口では、学生による二足歩行ロボット競技「ROBO-ONE」の実演が行われ、多くの来場者が対戦を見学されていました。

会場入口では、学生による二足歩行ロボット競技「ROBO-ONE」の実演が行われ、多くの来場者が対戦を見学されていました。

教育のキーワードは、人間力と専門力
はじめに、6工大の学長による教育事例の報告会が行われました。広島工業大学のプレゼンテーションでは、鶴衛学長が「本学では、人間力と専門力の2つを柱とした人材育成に取り組んでいます」と、HIT教育2016について発表。人間力向上のため、課外活動や社会貢献活動への取り組みを点数化して評価するHITポイント制度の導入。専門力育成については、「発展トラック」「基本トラック」と、学生の習熟度に合わせた2つのトラック制度を設定。「発展トラック」の学生には、履修可能単位数上限の緩和や特待生の選考対象など、さらなる学力アップに向けた特典を設け、「基本トラック」の学生にはフォローアッププログラムなど、発展トラックを目指せるサポート体制が整っていることを紹介されました。

HIT教育2016の構造を説明する鶴学長。

HIT教育2016の構造を説明する鶴学長。

IRデータ分析からみる理工系大学の特徴とは
事例報告会後は、芝浦工業大学 谷田川ルミ学長補佐が「IRデータからみる工業大学」と題し、工業大学の分析結果を報告されました。IRデータとは、学生調査で得た情報から大学の特徴を把握し、今後の教育改革に活かしていくためのものです。データによると工業大学は全体的に実験、実習、フィールドワークなどの体験型の学びが多く、全国の大学平均を大きく上回ることから、理工系大学の強みであることを伝えられました。今回のIRデータは工大サミット全体で共有し、これから積極的に活用するとともに、各大学の強みをお互いに取り入れていくことでさらなる改革が臨めると、述べられました。

体験的な授業は、全国の大学平均が45.5%であることに対し、工業大学の平均は67%。3年次になるとさらに上がることが報告されました。

体験的な授業は、全国の大学平均が45.5%であることに対し、工業大学の平均は67%。3年次になるとさらに上がることが報告されました。

「IRデータは改善点の発見にもなり、弱みを強みに変えていくことができる」と、谷田川学長補佐。

「IRデータは改善点の発見にもなり、弱みを強みに変えていくことができる」と、谷田川学長補佐。

これからの理工系人材育成のために、そしてさらなるサミット発展のために
続いて6工大の学長がパネリストとなり、パネルディスカッションが行われました。世界で通用する人材育成や、地域・産学連携、理工系学生減少への対策、工大サミットの今後の展望など、さまざまなテーマで議論。「経験こそ最高の教師。海外留学や学内での国際交流の機会を増やすべき」「小学生・中学生にものづくりの楽しさを伝えることも工業大学の役目」「理工系大学の取り組みは世間にあまり知られていない。もっと積極的に発信するべき」など、今後の理工系大学の動向に期待できる意見が活発に飛び交いました。

語り合うことで、「日本全体で理工系大学の発展を目指そう」と、6工大の強い結束が生まれていました。

語り合うことで、「日本全体で理工系大学の発展を目指そう」と、6工大の強い結束が生まれていました。

本学の学生も活躍。展示ブースで来場者にPR
会場入口付近では各大学の展示ブースが設けられ、教育カリキュラムや学生プロジェクト、研究などのパネル展示が行われました。学生スタッフが訪れた来場者に熱心に本学の取り組みを紹介する姿があり、来場者も頷きながら話に耳を傾けていました。

HIT教育2016を説明したパネルや、ロボット研究部が製作したロボット、電気自動車レースで部門優勝したマシンの紹介動画などさまざまな展示がなされました。

HIT教育2016を説明したパネルや、ロボット研究部が製作したロボット、電気自動車レースで部門優勝したマシンの紹介動画などさまざまな展示がなされました。

女子学生キャリアデザインセンターについて説明する学生。女子学生支援に特化した取り組みは珍しいようで「どんな活動をしているの?」と、来場者の方は積極的に質問されていました。

女子学生キャリアデザインセンターについて説明する学生。女子学生支援に特化した取り組みは珍しいようで「どんな活動をしているの?」と、来場者の方は積極的に質問されていました。

来年の工大サミットは福岡工業大学で開催を予定しています。広島工業大学は今後も情報交換や協議を積極的に行うことで大学連携を強め、理工系大学の発展に尽力していきます。