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2022年3月修了生が「日本医療機器学会論文賞」を受賞しました

2022.07.21

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2022年3月まで本学工学系研究科・生命機能工学専攻に在籍し、現在は大阪公立大学医学部附属病院の臨床工学技士として働く山本優人さん(広島県立広島井口高等学校出身/広島県)。彼が院生時代、日本医療機器学会の学会誌に投稿した論文「温湿度センサを用いた高流量酸素投与器具の動作状態を監視するシステムの開発研究」が高く評価され、学会の「論文賞」を受賞しました。

論文賞受賞の山本さん。表彰式会場のパシフィコ横浜エントランスにて

論文賞受賞の山本さん。表彰式会場のパシフィコ横浜エントランスにて

「現役の医師や臨床工学技士の寄稿も多い学会誌で論文賞に選ばれ自信になった」と山本さん

「現役の医師や臨床工学技士の寄稿も多い学会誌で論文賞に選ばれ自信になった」と山本さん

肺や心臓などの病気で慢性的な酸素不足に苦しむ患者さんには、高流量酸素投与器具による酸素療法を実施します。在宅で酸素療法に取り組む患者さんも多く、全国で約15万人程度と言われます。
「器具からの酸素は、吸入前に加温・加湿しなければなりません。ところが、加温・加湿が十分でない状態で酸素が投与され、患者さんの体に悪影響を及ぼす医療事故が実際に起きています」
そこで山本さんが、温湿度センサを用いた監視システムを考案。
「酸素吸入用マスク内にセンサを装着し、加温・加湿の状態を監視。取得データは随時、無線でスマホ等に送信し、異常があればすぐ警告を発します。投与器具の操作者がその場にいなくても、温湿度監視ができるわけです」

表彰式会場で記念講演を行う山本さん

表彰式会場で記念講演を行う山本さん

指導にあたった生体医工学科 渡邊准教授は、
「本ゼミでは以前から『人工呼吸器における酸素の温湿度監視』に取り組んでいます。先輩たちが築いた知見を、山本くんは、在宅でも実施される酸素療法に活用。さらに遠隔モニタリングという、これからの日本の医療に不可欠の要素を取り入れて発展させました。その先見性が、論文賞受賞に至ったのだと思います」
と評価します。

指導にあたった渡邊准教授と生体医工学科長 竹内教授とともに

指導にあたった渡邊准教授と生体医工学科長 竹内教授とともに

マスク内の結露が邪魔をして温湿度測定ができないなど課題はあったものの、一つひとつ克服し、システムを構築。
「壁にぶつかる度、試行錯誤を繰り返したおかげで、自ら解決策を見出す力が身についたのではないでしょうか。臨床工学技士として働く今、研究を通して得たこの力は大いに役立っています」
と語る山本さん。この成果を糧に、医療従事者として力を発揮されるでしょう。

山本さんの成果は、ゼミの後輩たちに引き継がれます。渡邊ゼミの研究の発展にもご期待ください。
山本さん、論文賞受賞、おめでとうございます。