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4年間の集大成を披露する卒業研究(設計)講評会~建築デザイン学科

2023.04.22

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建築デザイン学科の卒業研究として、「設計」を選んだ学生の作品を集めた講評会が行われました。5つのゼミから31人が作品を提出し、講評会では事前審査で選ばれた16作品のプレゼンテーションが行われました。審査には広島を拠点に活動する一級建築士の小松隼人さん、藤森雅彦さんの両名を外部審査員として迎え、本学の教員と共に学生の作品を吟味しました。
講評会の褒賞として、同学科の同窓生からなる五三会賞に推薦と卒業制作雑誌への掲載、日本建築学会の全国大学・高専卒業設計展示会、日本建築学会中国支部 建築学科優秀卒業作品への出展などが用意されました。

会場には31作品全てを展示。学生たちの力作が並んだ

会場には31作品全てを展示。学生たちの力作が並んだ

4年次生になり学生たちは卒業制作と向き合ってきました。自分たちが住む街や出身地など、ゆかりのある土地から課題やテーマを見つけ、それらに建築という手段でどのようにアプローチするのかを検討してきました。何度も現地を訪れ、その土地の人にインタビューをするなど事前調査を繰り返しました。

北九州市にある旦過市場を題材に選び、再生計画を研究

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戦時中に造られたJR呉線沿いにある廃トンネルの活用を提案

戦時中に造られたJR呉線沿いにある廃トンネルの活用を提案

プレゼンテーションでの学生の持ち時間は約10分。どこに何を建築するのか、なぜそれに興味をもったのか、背景には何があるのかについて模型などを用いて説明します。

プレゼンテーションの後には講師陣からの鋭い質問に答える

プレゼンテーションの後には講師陣からの鋭い質問に答える

建築家の藤森さんと小松さんは、本学で非常勤講師として指導をされています

建築家の藤森さんと小松さんは、本学で非常勤講師として指導をされています

全てのプレゼンテーション終了後には講師が集まり、優秀作品の選定と総評を行いました。最終的に3作品に絞られ、その中から五三会へ推薦する作品を選びます。
最後に残ったのは、
・再開発と伝建地区で分断された鞆の浦を題材に、住民の営みの場としての街の在り方を研究した作品『営みと移ろう鞆の浦の風景』。
・出身地である静岡市清水区由比にある400年の歴史を持つ藍染の館「正雪紺屋」が、近い将来空き家になることにヒントを得て、住宅や景観の保存を提案した作品『マチに染まる藍のイエ』。
・祖父母の家があるという福岡県で人口減少がすすむ限界集落の「終わり方」を提案した作品『備忘的建築』。
以上の3点でした。

講師陣が車座になり議論を交わし、学生の着眼点や編集力を高く評価した

講師陣が車座になり議論を交わし、学生の着眼点や編集力を高く評価した

小松さんと藤森さんからは「アイデアを空間にどう反映させるかが課題」とアドバイスが

小松さんと藤森さんからは「アイデアを空間にどう反映させるかが課題」とアドバイスが

五三会賞への推薦に選ばれたのは、谷口さん(愛媛県立今治南高等学校出身/愛媛県)の作品『備忘的建築』。
谷口さんは過疎化する集落の終わらせ方として、モニュメントのある広場づくりを提案。空き家になった家の一部を持ち寄りモニュメントを作り、エンディングノートを記して、ここに営みがあったことを残すことを提案しました。祖父母宅の整理が必要になったとき、母親が「自分たちの思い出もあり整理しがたい」と話していたことが、発想のきっかけになったそう。「終わらない建築にも興味を持っていて、その要素も加えられたので満足です。制作は大変でしたが、こうして評価をいただけてうれしいです」と谷口さんは話します。

審査員を務めた鈴木教授は「学生全員に言えるのですが、作品の熱量がとても高くて驚きました。この熱量をもったまま社会に出て欲しいと思います」と話していました。

谷口さんは鈴木教授のゼミ生。他の大会での受賞経験も

谷口さんは鈴木教授のゼミ生。他の大会での受賞経験も

5時間以上にもわたった講評会も終了し、参加した学生たちも新たな学びや気づきも得られたことでしょう。卒業制作が皆さんのこれからの糧になることを願っています。

※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。