地球環境情報解析研究センターが、岩手県大船渡市の大規模な林野火災被災地を解析しました(第3報)
2025.05.01
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本学の地球環境情報解析研究センター(センター長:小黒剛成教授、センター員:小西智久准教授)は、岩手県大船渡市において発生した大規模林野火災に対し、衛星データを用いた被災地の解析を行いました。第1報(2025年3月3日付)、第2報(2025年3月4日付)に引き続き、今回は火災の全体的な焼失状況を分析しました。
・NDVI(Normalized Difference Vegetation Index:正規化差植生指標)
植生の活性度(健全度や繁茂度など)を示す指標
・NDFI(Normalized Difference Fire Index:正規化差火災指標)
火災による被害を強調する指標
火災前(2月15日観測)および火災後(3月12日観測)のSentinel-2画像を比較し、これらの指標の差異から焼失地を特定しました。
図1は、火災発生前の2月15日と火災鎮火後の3月12日に大船渡市を観測したSentinel-2フォールスカラー画像です。茶色の領域は焼失地と考えられます。これらの画像から焼失地を抽出するためにNDVIとNDFIの2つの指標を計算し、これらの差から焼失地を検出しました。図2は火災発生前後のNDVIとNDFIをカラー合成した画像です。赤色の領域は火災前後で変化した領域であり、これらの領域が焼失地と考えられます。図3は閾値法を用いてNDVIとNDFI画像から焼失地を抽出した画像(赤色)をフォールカラー画像と合成した画像です。どちらも同じような領域を抽出しています。このデータから推定した焼失面積はNDVIが236 ha、NDFIが216 haとなりました。消防庁によると大船渡市の林野火災による焼失面積は2,900 haと推定されており[1]、過小の抽出となっています。林野火災は、土壌内の有機物や木の根などが燃える地下火、地表付近で落ち葉や下草が燃える地表火、樹木上部の枝や葉まで燃える樹冠火に分けられます。今回の衛星データからは樹木が完全に焼失したような樹冠火の発生した領域を抽出していると考えられます。
当センターでは、災害発生時に迅速な対応ができるよう、解析設備や技術の向上に取り組んでいます。今後も、解析結果を随時公表してまいります。
出典:[1]消防庁災害対策本部, 岩手県大船渡市の林野火災による被害及び消防機関等の対応状況(第18報), 2025。

2025年2月15日観測

2025年3月12日観測

NDVI

NDFI

NDVI

NDFI
Contains modified Copernicus Sentinel data (2025), processed by Sentinel Hub