地球環境情報解析研究センターが岩手県大槌町の大規模な林野火災被災地を解析しました(第1報)
2026.04.28
このニュースは、クローズされました
広島工業大学
地球環境情報解析研究センター
(センター長:
小黒剛成教授、
センター員:
小西智久准教授)
は、欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)が運用する衛星画像を用いて、岩手県大槌町の林野火災の焼失域を解析しました。
2026年4月22日に岩手県上閉伊郡大槌町で発生した林野火災を受け、欧州の地球観測衛星Sentinel-2A/Bによる観測画像を解析しました。本解析では、空間分解能10mの可視光および近赤外(NIR)データ、ならびに20mの短波長赤外(SWIR)データを用いて、火災域の検出を試みました。
【図1】Sentinel-2フォールスカラー画像(2026年4月13日観測) |
【図2】Sentinel-2フォールスカラー画像(2026年4月23日観測) |
【図3】Sentinel-2フォールスカラー画像(2026年4月26日観測) |
【図4】Sentinel-2バンド11カラー合成画像(2026年4月13日、4月26日観測) |
【図5】Sentinel-2バンド8カラー合成画像(2026年4月13日、4月26日観測) |
Contains modified Copernicus Sentinel data (2026), processed by Sentinel Hub
【図1】は、火災発生前(4月13日)の観測画像です。可視光と短波長赤外を組み合わせたフォールスカラー画像として表示しています。短波長赤外は煙を透過しやすく、また熱源の検知に優れているため、林野火災のモニタリングに非常に適しています。
【図2】(4月23日観測)は、火災発生後の状況を示しています。当時は雲がかかっており視認性は低いものの、画像東部の半島および北西部の山間部において、激しい火災(樹冠火)を示唆する橙色の輝点が確認されます。
【図3】(4月26日観測)においても、引き続き橙色や黄色で示される火災が確認されました。また、これらの領域から北東方向へ延びる青色の領域は、延焼に伴って発生した煙であると推察されます。
【図4】は、4月13日と26日の短波長赤外(バンド11)をカラー合成した画像です。赤色領域は、26日時点で活発な火源が存在すると推定される箇所を示しています。
また【図5】は、同期間の近赤外(バンド8)をカラー合成したものです。近赤外は植生の変化に敏感であるため、赤色で示される領域は、火災によって植生が失われた「焼失域」であると考えられます。
4月26日以降も火災は継続しており、当センターでは引き続き状況を注視しています。
今後も解析設備および技術の向上を図り、災害発生時の迅速な情報提供に努めるとともに、解析結果を随時公表してまいります。